未診断なのに特別支援教室判定。「どうしてこの子が?」から「なるほど」になったワケ
わが家は二人兄弟です。兄のミミは小4で、自閉スペクトラム症(ASD)があります。年長さんの弟・ふーは、年中のときに受診した児童精神科で、診断名はつけられないけれどつけるとしたら自閉スペクトラム症の傾向があり、繊細で敏感なタイプと言われています。ふーの進学にあたり就学相談を受けたところ、特別支援教室の対象児童と判定されショックを受けてしまった私。ですが、ふーには私が気づかなかった困りごとがあったことがわかりました。
名古屋市立大学大学院 医学研究科 生殖・遺伝医学講座 新生児・小児医学 博士課程
未診断なのに特別支援教室判定になった次男。「どうしてこの子が?」とショックを受けた私
発達検査はほぼ標準だったそうなのですが、保育園や療育へのヒアリング、審査委員会を経てこの結果が出たとのこと。
発達グレー次男の就学相談。結果は自閉症兄と同じ「特別支援教室」で…。どうしてこの子が?戸惑い、落ち込む母を救ったのは…
ですが先日、ふーも特別支援教室に通う必要性があるんだ……と納得するような場面を目撃したのです。
こういうことに困っていたの⁉ 「勘違い」が恥ずかしかった? 涙の次男
部屋では先生がすでに集まっていた子どもたちに何かお話していました。ふーは、先生が絵本を読んでくれていると思ったようです。
私が迎えに来ていることに気づいたふーは、私に「絵本見ていい?」と確認してきました。私が「絵本? いいよ、見ておいで。待ってるよ」と伝えると、嬉しそうに先生の元に行きました。
しばらく廊下で待っていた私。ふと部屋をのぞくと、いつのまにかふーと担任の先生が一対一で話しています。しかも ふーは泣いているようで……。さっきまでニコニコしていたのにどうして? とびっくりしました。
その後30分ほど経ったでしょうか。ふーと話していた先生が、 理由を教えてくれました。
「ふーくん、先生が絵本を読んでくれると思ったら、先生は夕方のお部屋での約束の説明をしていたので、ショックだったようです……」
え? そんなことで?
びっくりしてしまいました。
でも本人にとっては、涙が出るほどショックだったんだな……と思いました。
児童発達支援では欲しかったパーツを伝えられず悔し涙
児童発達支援で、ミニサーキットの途中で転んでしまったふーは、ショックを受けたようで涙。先生の呼びかけにも首を横に振りうずくまっています。10分以上ぐずぐずしていたのですが、 先生の声かけもあって少しずついつも通りに戻っていきました。これは転んで痛かったより、恥ずかしい、ショックを受けたという涙のように感じました。
また別の日、大好きな踏み切りの工作をしていたふーが、急に机に突っ伏しました。私はびっくり! ガラス越しに見学していたので何が原因かも分かりませんし、見守ることしかできませんでした。その間、ふーはグーで2回机を叩きました。
……何か悔しかったのかな?
前回より泣いている時間が長いので、さすがに私も教室に入り、グニャグニャのふーを抱っこして連れ出しました。
ふーの泣きポイントは子どもの頃の私と同じ? ふーの困りごとに気づきました
そして、パーツが足りなくて泣いたときは、おそらく相手に気を遣い過ぎて泣いたのではと思い当たりました。ふーは、先生が一生懸命準備してくれたものに対し「パーツが足りない」とは悪くて言えなかったのだと。
すべて私の予想ですが、そう思った理由は私も小さい頃、同じ考え方をしていたからです。
私が小学生だった頃、体育に兄のおさがりのジャージを着て参加した時がありました。私はおさがりのジャージが嫌だったのですが、親に「新しいのを買って」とは悪くて言えません。そのため、授業の途中で走って家に帰ってしまったことがありました。
今回のふーの行動も、私のこの時の行動に似ている……。私はショックを受けるとともに、(なるほど、これは日常生活でふーは困ることが多そう。そんな困りごとをかかえているふーは、特別支援教室で困りごとをクリアする訓練をしたり、自分の気持ちを表現する術を少しずつ身につけていく必要があるんだな)と、特別支援教室の必要性に納得しました。
ふーがどの出来事に対してショックを受けるかすべては分かりませんが、私自身、どうすればいいか分からなくてショックを受けるという気持ちはすごく分かります。目の前で客観的に見て、やっと気づくことができました。
特別支援教室に通い、 児童発達支援も続けながら困りごとへの対応法を身につけられるといいなと思います。
ふーくんの困りごとについて、具体例を交えて共有してくださり、ありがとうございました。ふーくん、とても繊細ながら、優しい気持ちをお持ちの素敵なお子さんですね。
行動の裏にある複雑な気持ちを想像し、理解してあげられること、素晴らしいなと思いました。また、そのようなお母さまがいらっしゃることは、ふーくんの大きな強みだと思います。ふーくんが、特別支援教室に楽しく通うことができ、より生きやすくなる力を身につけることができるよう、私も応援しています。
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コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。
神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。