側弯症とは?軽度は気づきにくい?原因やセルフチェック法など【医師解説】
ライター:発達障害のキホン
脊柱(背骨)は、頭から骨盤までまっすぐにバランスよく身体を支えています。これが左右(側方)に曲がってしまうことを側弯症(脊柱側弯症)と言います。側弯症とはどのような症状なのか、原因や診断方法・治療法、診断された場合日常生活ではどのようなことに配慮すればいいのかなどを、分かりやすく解説します。
監修: 室伏佑香
東京女子医科大学八千代医療センター 神経小児科
名古屋市立大学大学院 医学研究科 生殖・遺伝医学講座 新生児・小児医学 博士課程
筑波大学医学部卒。国立成育医療研究センターで小児科研修終了後、東京女子医科大学八千代医療センター、国立成育医療研究センター、島田療育センターはちおうじで小児神経診療、発達障害診療の研鑽を積む。
現在は、名古屋市立大学大学院で小児神経分野の研究を行っている。
名古屋市立大学大学院 医学研究科 生殖・遺伝医学講座 新生児・小児医学 博士課程
側弯症(脊柱側弯症)とは? 原因や発症時期
側弯症(脊柱側弯症)とは、「脊柱(背骨)が左右に曲がった状態」を言います。
脊柱、頚椎(首)、胸椎そして腰椎はバランスよく身体を支えています。しかしこの形が崩れると脊柱変形が起こり、左右(側方)に曲がってしまいます。背骨自体のねじれを伴うこともあります。
側弯症は、左右の肩の高さの違い、肩甲骨の突出、腰の高さの非対称、胸郭の変形、肋骨や腰部の隆起(前かがみをした姿勢で後ろから背中をみた場合)、などの変形を生じます。側弯症が進行すると、腰背部痛や心肺機能の低下をきたすなど、健康面への影響も出てきます。
脊柱、頚椎(首)、胸椎そして腰椎はバランスよく身体を支えています。しかしこの形が崩れると脊柱変形が起こり、左右(側方)に曲がってしまいます。背骨自体のねじれを伴うこともあります。
側弯症は、左右の肩の高さの違い、肩甲骨の突出、腰の高さの非対称、胸郭の変形、肋骨や腰部の隆起(前かがみをした姿勢で後ろから背中をみた場合)、などの変形を生じます。側弯症が進行すると、腰背部痛や心肺機能の低下をきたすなど、健康面への影響も出てきます。
側弯症の種類(原因)
側弯症の種類(原因)として、下記のようなものが挙げられます。
・先天性側弯症(生まれつきの脊椎形態異常)
生まれつき椎骨(背骨の一つひとつの骨)の形に異常があることが原因で脊柱が変形します。異常が軽度の場合は無症状のこともありますが、重度の場合は肋骨異常を伴って胸郭が変形し、呼吸障害を引き起こすこともあります。
・症候性側弯症(神経や筋の異常が原因で生じる側弯症)
脊柱以外に起因する変形で、脳性麻痺、骨疾患、ダウン症などの遺伝性疾患、筋疾患など、疾患に伴い発症するものを指します。発症率は学齢期全体で脳性麻痺は20〜70%、筋ジストロフィーでは90%などと非常に高く、また進行しやすいと言われています。
・特発性側弯症(原因不明な側弯症)
全側弯症の60~70%と、最もよく見られる病型です。発症の原因に姿勢の悪さなどは関係ないとされています。
日本での発生頻度は1~2%程度、男児に比べ女児に多い傾向にあります。
・先天性側弯症(生まれつきの脊椎形態異常)
生まれつき椎骨(背骨の一つひとつの骨)の形に異常があることが原因で脊柱が変形します。異常が軽度の場合は無症状のこともありますが、重度の場合は肋骨異常を伴って胸郭が変形し、呼吸障害を引き起こすこともあります。
・症候性側弯症(神経や筋の異常が原因で生じる側弯症)
脊柱以外に起因する変形で、脳性麻痺、骨疾患、ダウン症などの遺伝性疾患、筋疾患など、疾患に伴い発症するものを指します。発症率は学齢期全体で脳性麻痺は20〜70%、筋ジストロフィーでは90%などと非常に高く、また進行しやすいと言われています。
・特発性側弯症(原因不明な側弯症)
全側弯症の60~70%と、最もよく見られる病型です。発症の原因に姿勢の悪さなどは関係ないとされています。
日本での発生頻度は1~2%程度、男児に比べ女児に多い傾向にあります。
発症時期は?
あらゆる年齢層で発症する可能性はありますが、思春期(小学校高学年から中学生頃)に最も多く、徐々に進行していきます。10歳未満で発症・診断された早期発症側弯症と、10歳以降で発症する思春期側弯症があります。
側弯症の症状はどんなものがあるの?
通常、軽度の側弯症では症状は見られません。長時間座っていたり立っていたりしたあとに、背中や腰に違和感や凝りを感じ、その後軽い(または強い)痛みが生じてくる場合もあります。この症状では本人が「側弯症かもしれない」という自覚がないケースがほとんどです。
しかし軽度を超えた変形は、脊椎の曲がりやゆがみによって姿勢が悪い、歩行しにくい、身体のバランスが悪いといった自覚症状が出てきます。思春期に多いことから、姿勢やスタイルを気にするようになり、そのコンプレックスから心理的なストレスが出てくる場合もあります。
その後も少しずつ進行していくと内臓を圧迫するようになり、健康面に影響することもあります。高度の側弯症になると、肋骨や胸郭の変形により肺が圧迫され呼吸障害をきたしたり、さらには心不全を起こす可能性もあります。
進行を防ぐためには、早期に発見・診断し、治療をスタートすることが大切です。
しかし軽度を超えた変形は、脊椎の曲がりやゆがみによって姿勢が悪い、歩行しにくい、身体のバランスが悪いといった自覚症状が出てきます。思春期に多いことから、姿勢やスタイルを気にするようになり、そのコンプレックスから心理的なストレスが出てくる場合もあります。
その後も少しずつ進行していくと内臓を圧迫するようになり、健康面に影響することもあります。高度の側弯症になると、肋骨や胸郭の変形により肺が圧迫され呼吸障害をきたしたり、さらには心不全を起こす可能性もあります。
進行を防ぐためには、早期に発見・診断し、治療をスタートすることが大切です。
側弯症の検査、診断は?セルフチェック方法はあるの?
検査と診断
側弯症は、学校などで行われる通常の身体診察で見つかることがあります。小児の片方の肩が高いように見える、あるいは衣服の丈がまっすぐでないなどといった状態を見て、保護者や学校の先生、医師などによって気づかれることがあります。
側弯症が疑われた場合、診察では子どもに前かがみの姿勢をとらせて後ろから脊柱を観察します。
その後の詳しい検査として、立位での単純X線検査(レントゲン)を行い、側弯が確認されると「側弯症」と診断されます。検査の際、側弯の程度を角度で表しますが(コブ角と言います)、脊椎骨や肋骨に異常がないかも同時に調べます。症候性側弯症が疑われる場合には、神経学的検査やMRI検査を行うこともあります。短期間で側弯が悪化する場合には、年に数回の診察が必要になります。
側弯症が疑われた場合、診察では子どもに前かがみの姿勢をとらせて後ろから脊柱を観察します。
その後の詳しい検査として、立位での単純X線検査(レントゲン)を行い、側弯が確認されると「側弯症」と診断されます。検査の際、側弯の程度を角度で表しますが(コブ角と言います)、脊椎骨や肋骨に異常がないかも同時に調べます。症候性側弯症が疑われる場合には、神経学的検査やMRI検査を行うこともあります。短期間で側弯が悪化する場合には、年に数回の診察が必要になります。
診断
検査により軽度~高度の診断がされ、それぞれの治療法が検討されます。
・軽度の側弯(コブ角20~25度未満)…成人になるまで定期健診
・中等度の側弯(コブ角25~40度程度)…進行の予防や矯正のため、装具療法を検討
・高度の側弯(コブ角40度以上)…進行の予防や矯正、痛みの軽減や呼吸機能悪化予防のため、手術治療を検討
・軽度の側弯(コブ角20~25度未満)…成人になるまで定期健診
・中等度の側弯(コブ角25~40度程度)…進行の予防や矯正のため、装具療法を検討
・高度の側弯(コブ角40度以上)…進行の予防や矯正、痛みの軽減や呼吸機能悪化予防のため、手術治療を検討
自宅でできるセルフチェック
・前屈でチェック
両手のひらを合わせ、両腕を前に垂らし膝を伸ばしたまま、背中を丸めながらゆっくりとおじぎをします。その状態で、肩周辺、背中、腰部の順に左右の高さに違いがあるかどうかを前後からチェックします。この時、上半身裸、もしくはブラジャーのみでのチェックが望ましいです。
・立った姿勢でチェック
力を抜いて真っ直ぐに立ち、肩の高さ、肩甲骨の高さ、肩甲骨の突出の程度に違いがないか、ウエストラインが左右どちらかに突出していないかをチェックします。
セルフチェックでひと目で違いが分かる、前より左右差が大きくなっているなど気になる所見があれば、早めに受診することが重要です。
両手のひらを合わせ、両腕を前に垂らし膝を伸ばしたまま、背中を丸めながらゆっくりとおじぎをします。その状態で、肩周辺、背中、腰部の順に左右の高さに違いがあるかどうかを前後からチェックします。この時、上半身裸、もしくはブラジャーのみでのチェックが望ましいです。
・立った姿勢でチェック
力を抜いて真っ直ぐに立ち、肩の高さ、肩甲骨の高さ、肩甲骨の突出の程度に違いがないか、ウエストラインが左右どちらかに突出していないかをチェックします。
セルフチェックでひと目で違いが分かる、前より左右差が大きくなっているなど気になる所見があれば、早めに受診することが重要です。