自閉症娘、入学式のある出来事がトラウマに。学校と家庭ができる行事対策とは【読者体験談】

ライター:ユーザー体験談
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【発達ナビでは読者からのエピソードを募集中!今回は「行事」についてのエピソードをご紹介します。】現在15歳の娘は、自閉スペクトラム症、場面緘黙などがあります。幼稚園では入園を断られてしまったため、就学まで療育園に通いました。小学校に入ってからは入学式を皮切りに、運動会、音楽会ではとても苦労してしまいました。

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監修: 藤井明子
小児科専門医
小児神経専門医
てんかん専門医
どんぐり発達クリニック院長
東京女子医科大学大学院修了。東京女子医科大学病院、長崎県立子ども医療福祉センターで研鑽を積み、2019年よりさくらキッズくりにっく院長に就任。2024年より、どんぐり発達クリニック院長、育心会児童発達部門統括医師に就任。お子様の個性を大切にしながら、親御さんの子育ての悩みにも寄り添う診療を行っている。 3人の子どもを育児中である。

幼稚園から入園を拒否され、通い続けた療育

現在15歳の娘は、自閉スペクトラム症、場面緘黙などがあります。小学校に入ってから診断されました。

娘は2歳から週に2回療育へ通い、3歳からはプレ幼稚園にも通っていました。いずれこの幼稚園に入園しようと思っていたのですが、母と一緒でないと幼稚園の門をくぐれない娘の様子を見ていた先生に「うちでは預かれません」と入園を拒否されてしまいました。兄である息子も通った幼稚園だったので、私はとてもショックでした。ただ、歓迎されないところで子どもを傷つけるのはよくないと気持ちを変え、それまで通っていた療育を延長し、年長さんになる年は毎日通わせてもらいました。
「うちでは預かれません」と入園を拒否されてしまい……
「うちでは預かれません」と入園を拒否されてしまい……
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療育では話はできないけれど要求を伝えようとしたり、笑うことは難しいけれど「好き」「嫌い」を表現できていた娘。1番安定してのびのびしていた時期だったと思います。

通っていた療育では、最終学年は地域に馴染むために登園日の半分以上は幼稚園へ通うという方針だったのですが、娘は幼稚園に受け入れてもらえなかったため、毎日療育へ通いました。そしてまだ診断もなかった娘は小学校は通常学級に進学することが決定。ですが、初めての行事「入学式」でつまずいてしまうことになるのです。

6年生に引きずられている!? 事前の約束も反故にされた小学校の入学式

入学式の前日にリハーサルがあったため、私と娘は参加しました。そこで私は入学式の担当の先生に、娘はこういう特性があるため無理をさせない形にしたいこと、私と一緒に入学式を見学する形にできないかとお願いしました。ですが先生は「大丈夫大丈夫」と全く心配していない様子。それでもねばった結果、娘がきちんと参加できなかった場合は、私が待機しているところに娘を連れてきてもらいそのあとは一緒に見学をするということになりました。

そして当日、入学式のスタートは、新1年生と新6年生がペアになって手をつないで、花道を歩き入場してくる場面でした。娘は歩いてこられるのか……私は娘のことが心配でなりませんでした。入場が始まり娘の姿が見えました。しかし娘はほぼ歩いておらず、6年生に引きずられている状態で入場してきたのです。(やっぱりだめだったか……)と思った私。これなら先生が娘を連れてきてくれるだろうと待っていたのですが、式の最後まで娘は私のところにはこず、椅子に座って固まったままでした。
入学式、6年生に引きずられている状態で入場してきた娘
入学式、6年生に引きずられている状態で入場してきた娘
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娘がどんな気持ちで入学式に出ていたのか……かわいそうやら悲しいやら……。入学式に参加させるのを止めるべきだった後悔しました。

事後、先生から約束通り娘を連れてこなかったことについての謝罪はあったのですが、娘にとって入学式はつらい出来事になってしまったため、学校への恐怖心や不安感が大きくなり、しばらく私から離れようとしなくなってしまいました。そのため、しばらくの間母子登校が続きました。
入学式がきっかけで母子登校になってしまった娘
入学式がきっかけで母子登校になってしまった娘
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入学式がきっかけで母子登校に

入学式後は、私と手が離せず、校門が近づくと私に抱きついてくる娘。2学期前には同じ小学校に通う兄と手をつないでとりあえず学校まで行くことはできるようになりましたが、2ヶ月程は3時間目くらいまで私も学校に残り、授業中は窓から見える廊下に、休み時間はできるだけ担任の先生と談笑し、娘に「学校は安全だよ」と教え込みました。

場面緘黙があるので、コミュニケーションは首振りかホワイトボードです。からかう子どももいましたが、学校ときちんと連携できたため、行事以外は特に問題なく過ごすことができました。頑張ってくださった担任の先生、補助の先生には感謝でいっぱいです。

そしてこのような状況と並行して、私は行事について別途対策をし続けていました。
次ページ「入学式の失敗を糧に、学校と連携した行事対策 」

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