乗り物酔いが起こってしまったら

対策をしていても乗り物酔いを起こすことはあります。そういったときに症状の悪化を防ぐ方法を紹介します。

・可能であれば乗り物から降りる
・乗り物内の換気をする
・ベルトなど締め付けるものを外す
・腹式呼吸をする
・頭を冷やすようにする
・クラッカーなどのさっぱりしたものを食べる
・炭酸飲料を飲む

などが乗り物酔いの悪化を防ぐ方法としてあります。こちらも人によって効果は異なるため、合う方法を探していくことが大切です。また、乗り物酔いの薬の中には、酔った後にも効果があるものもあります。薬局などで購入できますので用意しておくといいでしょう。

障害と乗り物酔いの関係

先ほどは乗り物酔いになりやすい年齢などの傾向を紹介しましたが、障害と関連して乗り物酔いが起こる場合もあります。

起立性調節障害と乗り物酔いの関係

起立性調節障害があると、乗り物酔いもしやすいという調査があります。起立性調節障害とは、自律神経の乱れにより起立時に身体や脳への血流が低下する疾患で、起床困難、動悸、失神、頭痛などの症状が現れます。思春期の子どもが発症することが多く、小学生の5%、中学生の10%で見られると言われています。

厚生労働省の調査によると、この起立性調節障害のある子どもの中で、乗り物に酔いやすいと答えた人が41.5%いるという結果が出ています。

乗り物酔いの原因として起立性調節障害がある場合は、そちらの治療も行っていく必要性があります。乗り物酔いの他に、日常的に起床困難や立ちくらみなどの症状が見られる際はかかりつけの小児科や保健センターなどに相談してみるとよいでしょう。
参考:起立性調節障害対応ガイドライン|岡山県教育委員会
https://www.pref.okayama.jp/uploaded/life/604493_5061359_misc.pdf
参考:起立性調節障害症状について|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000055696_2.pdf

感覚過敏と乗り物酔いの関係

感覚過敏がある場合も、乗り物酔いにつながりやすい可能性があります。

発達障害のある方の中には感覚過敏がある方も多くいて、予測できない動きや匂い、温度、湿度などへの敏感さが乗り物酔いを起こす要因とも重なっています。そのため、他の人よりも乗り物酔いが生じやすいことが考えられます。

子どもに発達障害がある場合は、その特性も考慮したうえで乗り物酔いの対策をしていくとよいでしょう。
参考:発達障害の理解|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/content/12000000/000633453.pdf

子どもの乗り物酔い、もしかして動揺病かも?

乗り物酔いとは別に「動揺病」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。動揺病とは医学の分野などで使われる言葉で、基本的に乗り物酔いと同じ状態を指しています。

乗り物に乗った際に吐き気やめまいなどの症状が現れ、中枢神経系出血や脳梗塞など別の疾患が原因ではない場合などに診断されます。

治療では予防薬として抗ヒスタミン薬などが処方されることがあるほか、吐き気を抑えるオンダンセトロンなどの制吐薬が処方されることもあります。

薬以外の治療方法としては、乗り物酔いの要因となる刺激に慣れる「適応」が効果が高いとされています。

また、動揺病と同じようにめまいなどが現れる疾患に「メニエール病」があります。メニエール病も内耳の異常が要因となって発症すると言われています。ただ、メニエール病のめまいは乗り物に乗っていない状態でも起こるという点が動揺病とは異なっています。

メニエール病にはめまいに加えて耳鳴りや難聴が伴うことが多くあり、手術をすることもあるなど動揺病とは治療方法にも違いがあります。乗り物酔いではなく、メニエール病の症状が見られる場合には、耳鼻咽喉科などを受診するようにしましょう。
参考:メニエール病|MSDマニュアル家庭版
https://www.msdmanuals.com/ja-jp/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0/19-%E8%80%B3%E3%80%81%E9%BC%BB%E3%80%81%E3%81%AE%E3%81%A9%E3%81%AE%E7%97%85%E6%B0%97/%E5%86%85%E8%80%B3%E3%81%AE%E7%97%85%E6%B0%97/%E3%83%A1%E3%83%8B%E3%82%A8%E3%83%BC%E3%83%AB%E7%97%85
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