「療育はいらない!」ADHD娘の通所に夫が大反対!意見が異なる夫との発達障害育児【夫婦関係体験談】

ライター:ユーザー体験談
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【発達ナビではユーザーさんからの子育てエピソードを募集中!今回は「夫婦関係」についてのエピソードをご紹介します。】わが家には二人兄妹がいます。息子は20歳の大学生、娘は17歳の高校生で二人ともADHD(注意欠如多動症)の診断を6歳の時に受けています。夫(現在59歳)は高圧的な態度をとる人で、子どもが小さいうちは特に大変でした。

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監修: 鈴木直光
筑波こどものこころクリニック院長
1959年東京都生まれ。1985年秋田大学医学部卒。在学中YMCAキャンプリーダーで初めて自閉症児に出会う。同年東京医科歯科大学小児科入局。 1987〜88年、瀬川小児神経学クリニックで自閉症と神経学を学び、栃木県県南健康福祉センターの発達相談で数々の発達障がい児と出会う。2011年、茨城県つくば市に筑波こどものこころクリニック開院。

発達凸凹兄妹を育てるわが家。夫は短気で高圧的で……

わが家は二人兄妹、息子は20歳の大学生、娘は17歳の高校生で二人ともADHD(注意欠如多動症)の診断を6歳の時に受けました。私自身診断はありませんがADHD(注意欠如多動症)グレーだと感じています。

現在59歳の夫は性格はまじめで短気、そして高圧的な面があります。特にお酒が入ると難癖をつけてきます。
今は子どもも大きくなったため、昔より関係は良好ですが、二人が小さい頃はぶつかることもよくありました。

息子の幼稚園トラブル、娘の1歳半健診での指摘。その時夫は……

やんわり退園を促された兄

息子は幼稚園に入ってからトラブルが目立つようになってきたタイプで、3歳の時、園で他害をしてしまい、園長先生からやんわり退園を促されました。

まだ発達障害について何も知らなかった私は、園に言われるまま発達検査を受けたあと、支援センターの方に「幼稚園は辞めるべきなんでしょうか?」と質問。職員の方からは「いや、そこまでしなくてもいいのでは?」と言われたため、それを園にそのまま伝えたところ「じゃあ様子見ましょうか」となり、卒園まで通い続けることができました。その後、園で細かに対応していただいたため、息子は療育に通わず、小学校からは放課後等デイサービスを利用するようになりました。

この時の夫はというと、特に何か手伝ってくれるわけでもなく、ただ私の報告を受けるのみという対応でした。「幼稚園内のトラブル」くらいにしかとらえていなかったのかもしれません。
私が「退園を促された」と言っても夫は「ふーん」とただ私の報告を受けるのみでした
私が「退園を促された」と言っても夫は「ふーん」とただ私の報告を受けるのみでした
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癇癪が多い娘、夫に反対されると思って秘密で療育に通っていたら……

そして娘。娘はとにかく気に入ったものを手に入れないと気がすまず、欲しいものを買わないと大癇癪になってしまうので、買い物に出るのが怖かったほどでした。1歳半健診で相談したところ、「療育に行ったほうがいいかもしれませんね」と言われ見学。幼稚園入園まで療育に通うことになりました。

この時、夫は単身赴任中でした。私は同居していた義母には相談をしたのですが、夫には相談しないまま療育に通うことを決めました。言うと「行く必要ない!」と反対されると思ったからです。
しかし、私が怪我をして療育に送迎できなくなってしまったことで、娘が療育に行っていることが夫に知られてしまいました。そこからは「なんで黙っていたんだ」と大喧嘩になってしまいました。

「そんなところ行っても意味がない」やら「幼稚園で十分」やら夫は感情的に怒ってきます。私はたいていは夫のこうした批判は、受け流すようにしていました。意見を言ってもさらに怒らせてしまうだけだと感じていたからです。ですが、この療育通いは譲れなかった。ほかは譲っても反対されても、療育だけは絶対に通うと強く主張しました。その剣幕に夫も強く言えなくなってしまったのでしょう。療育について文句を言うことはなくなりました。
「慮育に行っても意味はない!」と感情的に怒ってくる夫。いつもの私なら折れていましたが、この療育通いだけは譲りませんでした
「慮育に行っても意味はない!」と感情的に怒ってくる夫。いつもの私なら折れていましたが、この療育通いだけは譲りませんでした
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その後夫は発達障害について勉強してくれたみたいです。手は貸してくれませんでしたが、子どもの障害や療育についてなにか口を挟むことはなくなりました。兄が放課後等デイサービスに行くことになった時も反対することはありませんでした。これはとてもありがたいことでした。

私の磨きのかかった夫対応と、父を「世に放つのはヤバい」という息子

夫はお酒が入ると「お前はバカだ」「気が利かない」「だめなんだ」と難癖をつけてきます。こんな言葉を頻繁に言われるのはいやですよね。こんなときの私の対応のコツは「のまれないこと」です。夫の言い分に、私自身の気持ちが持っていかれないようにするのです。自分は間違っていないと思っていれば大丈夫でした。
お酒が入ると「お前はバカだ」「気が利かない」「だめなんだ」と難癖をつけてくる夫
お酒が入ると「お前はバカだ」「気が利かない」「だめなんだ」と難癖をつけてくる夫
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今も「イヤイヤ、その言葉そのままお返ししますよ」と内心思うことも多々ありますが、いさかいにならないよう適当に相槌をうちながら話を聞くようにしています。それは理不尽だと思うようなことを言われていても、自分まで気持ちを高ぶらせて言い返してもしょうがないんだからと客観的に見ている感じです。ですから、夫に「ごめんなさいね」と頭を下げることも、苦ではありません。

ただそんな姿を見ている息子は、高校3年生の頃「(父親を)世の中に放つのはヤバい」と言っていました。また「なんで別れないの?」とも……。
高校3年生になった息子は「なんで別れないの?」と聞いてきます
高校3年生になった息子は「なんで別れないの?」と聞いてきます
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もちろん子どもの進学費用など現実的な面もありますが、今は私も夫との関わり方に慣れてきたので、昔よりはずいぶん良好な関係になっています。夫も少しずつ変わってきていて、「言わなくていいこと」を言う頻度が明らかに下がってきました。
あとはもうちょっと変わってくれて、大きくなった子どもたちから「お父さんにもいい面がある」と思ってもらえたらいいのですが。
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子育ても終わりに近づいて、今思っていること

子どもも大きくなり、子育ても終わりに近いてきたと実感しています。ですが、大人になってからも、子どもたちがそれを許せないと思うのも仕方のないことなのでしょう。

夫は障害を差別することはないのですが、一方で別の面で人を下げたり馬鹿にして満足する面があるため、子どもたちがそれを許せないと思うのは仕方ありません。ただせっかくの家族ですので、うまくつき合っていけたらと思います。
イラスト/星河ぱよ
エピソード提供/きつねうどん

(監修:鈴木先生より)
ADHDとASDはカードの裏表のように併存している場合が多いのです。自分の思い通りいかないとイライラして高圧的になるのは、ASDに併存する易刺激性による場合もあります。私の外来には、親御さんのうち一方がADHDでもう一方がASDという夫婦の組み合わせが多いです。その子どもたちも父派と母派に分かれる傾向にあります。ADHDの診断はチェックリストなどでも可能ですが、ASDの診断は難しく、なかなか認知もされていません。療育だけでなく、診察でさえも無駄だと、外来に1度も付き添わない親御さんもいます。ASDの濃さ・グラデーションの差によって易刺激性には差が出ます。さほど濃くなければ加齢とともに学んでいき「言わなくていいこと」も減っていくのです。
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(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。

※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。

ADHD(注意欠如・多動症)
注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。
ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。

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