「自由にお金が使えなくなる」妊娠退職後も生活費折半のままだった夫。発達グレー双子育児も妻のワンオペでうつ状態に…【読者体験談】

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【発達ナビでは読者からのエピソードを募集中!今回は「夫婦関係」についてのエピソードをご紹介します。】わが家には二卵性の双子がいます。息子も娘もASD(自閉スペクトラム症)とADHD(注意欠如多動症)のグレーゾーンです。小さい頃は初めての育児で双子、さらにワンオペで育てづらさも相まって大変でした。そんなとき夫は……。

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監修: 鈴木直光
筑波こどものこころクリニック院長
1959年東京都生まれ。1985年秋田大学医学部卒。在学中YMCAキャンプリーダーで初めて自閉症児に出会う。同年東京医科歯科大学小児科入局。 1987〜88年、瀬川小児神経学クリニックで自閉症と神経学を学び、栃木県県南健康福祉センターの発達相談で数々の発達障がい児と出会う。2011年、茨城県つくば市に筑波こどものこころクリニック開院。

良くも悪くも周りに関心を持たないタイプの夫

わが家には二卵性の双子がいます。息子も娘もASD(自閉スペクトラム症)とADHD(注意欠如多動症)のグレーゾーンです。小さい頃は初めての育児で双子、さらにワンオペで育てづらさも相まって大変でした。

夫は良くも悪くも周りに関心を持たない、あまり悩まないタイプです。子どもが生まれた頃は40代前半でした。夫婦二人のときは特に問題を感じていなかったのですが、出産から1歳半くらいまでは特につらかったです……。
初めての育児で発達グレーゾーンの双子をワンオペで育てていた乳幼児期は特に大変でした
初めての育児で、発達グレーゾーンの双子をワンオペで育てていた乳幼児期は特に大変でした
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私の妊娠が分かり退職後も財布は別々のまま。私の貯金は0に……

私の貯金がゼロになり、夫へ生活費の支払いをお願いしたところ、「あぁ、自由にお金が使えなくなるなぁ」とボソッとつぶやいた夫
私の貯金がゼロになり、夫へ生活費の支払いをお願いしたところ、「あぁ、自由にお金が使えなくなるなぁ」とボソッとつぶやいた夫
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同棲期間が長くお互い仕事をしていたせいか、入籍後も財布は別々、個々の買い物もそれぞれが負担していました。それが、私が妊娠し仕事を辞めてからも続き、医療費、食費、光熱費についても私の分は貯金を崩して支払い続けたため、当然貯金も底がつきどうにもならなくなってしまいました。
それまでも何度もお金について話し合いをしようと思っていたのですが、とても言いづらく……。ここでやっと夫に切り出しました。

私が妊娠し退職している状態でも、働いている時と同じように経済面の負担を求められるのは難しいこと、今の状況なら、働いている夫が全て負担してもらわないと生活ができないことを伝えたところ、「そんなもんなの?」と聞き返されました。その時の夫の様子を見る限り『自分の負担が増えるということに気づきたくなかった』という感じでした。そして「あぁ、自由にお金が使えなくなるなぁ」とボソッといいましたが、それからはもろもろのお金が夫が負担するようになりました。

動き回る息子、癇癪がある娘……育てづらさがある双子育児をワンオペ対応していたら、うつ状態に

時は過ぎ、里帰り出産をして家に帰ると、待っていたのは双子ワンオペでした。
出産後も夫は出張と残業ばかり。私は助けもない中での経験値ゼロからの2人育児に参っていました。2人とも首座りや歩くのも早く、目が離せませんでした。しかし、言葉はなかなか出なかったので私は1人で不安に感じていました。気分転換に外に行くにしても、息子はとにかく動き回るし落ち着きがなかったので、とてもではないですが1人で2人を見ることなんてできません。ずっと引きこももっていました。

そして1歳3ヶ月になって2人ともお昼寝をしなくなると、それまでの生活リズムが大きく変わりました。明け方4時半頃からずっと起きているような日も出てきて、私の睡眠不足状態で、2人の世話だけをずーっとやっていました。娘は特に癇が強く、何かあるとひどく泣き喚き、その声にも精神的に追い詰められていきました。
動き回る息子と癇癪のある娘をワンオペで見ていた私は、ついにうつ状態に……
動き回る息子と癇癪のある娘をワンオペで見ていた私は、ついにうつ状態に……
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もうほぼうつ状態だった私。出張帰りの夫が空港に着いたというメールを見たとき、それまで張りつめていたものが切れてしまい、夫が帰宅するまでベビーベッドの前に座り込んで泣き崩れていました。
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夫から「何をしたらいい?」と聞かれた私の答えは

帰宅した夫から最初にどう声をかけられたのは覚えていません。ただ「ごめん」と言われたような気がします。そのあとに「何をしたらいい?」と聞かれ私は「ただ手伝って欲しい」と答えました。すると夫は「何に手を出していいのか分からなかった。手を出したら私に怒られると思ってた」と。
ここで私は「早く帰ってこられるならお風呂、無理なら夕食後の食器洗いと、私が対応できなくくらい疲れているときは、夜中の子どもの対応をやって」と具体的にお願いをしました。するとこの日から、ワンオペ育児が変わったのです。
私が「ただ手伝って欲しい」と言ったところ、「何に手を出していいのか分からなかった。手を出したら私に怒られると思ってた」と夫
私が「ただ手伝って欲しい」と言ったところ、「何に手を出していいのか分からなかった。手を出したら私に怒られると思ってた」と夫
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それからの夫は子どもたちのお風呂や後片づけ、汚れ物の下洗いをやってくれるようになり、私も昼間2人を連れて児童館に行けるくらいの余裕ができました。昼間は児童館で目一杯遊び、夕方帰る前に少し食べさせて汗を拭いて着替えまで済ませると、子どもたちは帰宅後すぐに寝てくれるようになり、私も休める時間が増えました。また、娘の癇癪の回数もほんの少しだけ減った気がしました。

「話さなければ分からない=話せば分かる」ということ。今は積極的に夫に話しています

その日から夫へは何でも伝えるようにしました。息子が多動ではないかということ、娘の人見知りや癇癪、切り替えの悪さが気になることなどもです。その話をずっとしていたので、子どもが9歳になり検査をしてグレーゾーンと言われたときは特に驚くこともなく、それ以降も変化はありませんでした。

私たち夫婦が上手くやっていくために大事なことは、私が1人で抱え込まず、ともかく夫に話すこと、お願いしたいことは具体的に伝えることでした。お金のことも、子育てのことも話さなければ分からない夫ですが、話せば分かってくれることに気づいたので、今では積極的に話すようにしています。

あと片づけや汚れ物の下洗いや子どもたちの靴洗いは、今もずっと続けてくれているのでとても助かっています。
そんなこんなで、今もたまには衝突することもありますが、まあまあ良好に過ごせている私たち。子どもたちと一緒に私たち夫婦もさらなる成長をしていければいいな、と思います。
イラスト/keiko
エピソード提供/みゆねこ

(監修:鈴木先生)
妻が育児などで大変なことは通常は伝えなくても理解できるはずです。それも双子ということで倍忙しいわけですから。お父様にもASDの特性があるのかもしれません。その場合、空気を読むのが苦手で、具体的に言わないと気づけない傾向にあります。さらに視覚的に訴えることも重要です。当たり前の事でもやってくれたら褒めてあげることも必要です。外来でもよくお話しするのですが「優しく・丁寧に・具体的に・肯定文で」接することが重要です。
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(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。

※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。

ADHD(注意欠如・多動症)
注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。
ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
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