なぜ手を放す!?発達障害息子、ブランコから落ちて流血!中学で苦手そうな運動部に入ったら驚きの変化が【読者体験談】

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【発達ナビでは読者からのエピソードを募集中!今回は「不器用」についてのエピソードをご紹介します。】現在14歳の息子は、小学1年生の時にASD(自閉スペクトラム症)とADHD(注意欠如・多動症)と診断されました。小さい頃から不器用さが目立ち、学校も休みがちで何かと心配だった息子ですが、中学で運動部に入部。不器用な息子には向かないのではないかと思っていたのですが……。

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監修: 藤井明子
小児科専門医
小児神経専門医
てんかん専門医
子どものこころ専門医
どんぐり発達クリニック院長
東京女子医科大学大学院修了。東京女子医科大学病院、長崎県立子ども医療福祉センターで研鑽を積み、2019年よりさくらキッズくりにっく院長に就任。2024年より、どんぐり発達クリニック院長、育心会児童発達部門統括医師に就任。お子様の個性を大切にしながら、親御さんの子育ての悩みにも寄り添う診療を行っている。 3人の子どもを育児中である。

不器用で学校も休みがちだった息子

現在14歳の息子は、小学1年生の時にASD(自閉スペクトラム症)とADHD(注意欠如・多動症)と診断されました。小さい頃から不器用さが目立つと共に、音や匂いに対する感覚過敏があったため、集団生活では疲れてしまう息子。小学2年生~中学1年生までは学校を休みがちで、何かと心配でした。

なぜ手を離す!? ブランコ流血事件といつも反対方向に動いてしまうラジオ体操

息子が6歳だった時のことです。公園で息子はブランコをしていたのですが、いきなり手を離し後頭部から落ちて、地面の石にゴツン! 頭から出血してしまいました。派手に出血したので慌てて病院に行き、縫ってもらいましたが、吐いたりすることもなく大事には至りませんでした。
ブランコでいきなり手を離す息子に母驚き
ブランコでいきなり手を離す息子に母驚き
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落ち着いてから息子になぜ手を離したのか聞いてみると、手を離したらどうなるかと思ってやってみたと言うので驚きました。おそらく、手を離したら体がどのような動きをするかが想像できなかったのだと思います。普段からボディイメージが弱いのではと思っていましたが、それが原因なのかもしれないと思った私。

今後もケガにつながりそうで怖いと思ったので、ブランコ遊び中に、手を離すと落ちてケガをするので、離さないようにと息子に伝えると共に、他の動きについても細かく教えていく必要があると感じました。
理由を聞くと「手を離したらどうなるかと思ってやってみた」と言う息子
理由を聞くと「手を離したらどうなるかと思ってやってみた」と言う息子
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この時はまだ診断前でしたが、息子は何かが違うという違和感がありました。

また息子はラジオ体操も苦手でした。いつも前屈で膝が曲がってしまいましたし、周囲と反対方向に動いてしまいます。幼稚園から小学低学年まで、運動会でラジオ体操をする時間があったのですが、その動画を撮影しながら周りとはあまりにもかけ離れた息子の動きに、かわいらしいとつい笑ってしまいました。ラジオ体操の動画を見せ本番に向けて家で数回練習しても、あまり上達は見えません。ただ、本人は体操できないことをあまり気にしていなかったのが幸いでした。

家で行った不器用対策は「ともかく予習すること」

このような息子だったので、初めて何かに取り組むときは、なるべく家で練習するようにしていました。

蝶結びや習字、裁縫や彫刻刀などは、やり方が説明されている動画を見て授業前に自宅で予習です。物の使い方というものは対面で教えるのがなかなか難しいため、私は息子の横に座って、手取り足取り教えるなどしていました。また道具選びにも注意して、コンパスといった文房具は不器用な子どもでも使いやすく工夫したものを利用しました。

息子は利き手が決まらなかったので、今もはしは右手持ち、鉛筆は左手持ちです。蝶結びができるようになったのは、小学3年生でした。不器用さはついてまわりましたが、少しずつできるようになっていく様子をみるのはうれしいものでした。
少しずついろいろなことができるようになっていく様子をみるのはうれしいものでした
少しずついろいろなことができるようになっていく様子をみるのはうれしいものでした
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息子は小学2年生~中学1年生までは学校を休みがちで、小学5年生、6年生の2年間だけ通級指導教室を利用しましたが、それ以外は通常学級でなんとか過ごしていました。中学生になってもこのまま学校に行ったり休んだりなのかなと思っていましたが、中学2年生の時に息子に大きな変化があったのです。
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それ絶対苦手じゃない!? 母の心配をよそに中学2年生で運動部に入部した息子は……

中学2年生になった息子は、なんと友人から誘われて集団競技の運動部に入部したのです。ただでさえ学校を休みがちでしたし、その上部活までできるのか不安でした。それに、不器用さがあるので運動が苦手な面があるのはもちろんですが、瞬時の判断や相手に負けない気持ちやぶつかる場面などがあるスポーツなので、争いが苦手な息子には1番不向きでは?とびっくりしました。

ですが、母の予想に反して部活に入ってからの息子はどんどんいい方向に変わっていきました。まず、なぜ学校に行かなければならないのかと言わなくなり、休まず登校できるようになりました。友人関係も良好になり、休日も遊ぶ仲間ができました。
部活に入ってからの息子はどんどんいい方向に変わっていきました
部活に入ってからの息子はどんどんいい方向に変わっていきました
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当然毎日忙しくなります。そこでたまったストレスを解消し充電する時間として、下校後や部活動後にトイレにこもるようになりました。ですが、その時間を過ごせば、また学校へ行って部活ができるので、これは息子なりの回復方法、許容範囲内だと思っています。

そして約2年間部活に通い続けた息子は、心身共に強くなりました。

一方で、学習面でも塾を利用しながら勉強方法のコツをつかんで、中学3年生で成績が伸びました。忘れ物や整理整頓が苦手でうっかりミスが多いですが、大事なものはなくさないように意識できるようになり、家の鍵をなくさなくなりました。感覚過敏もほぼなくなったように感じます。

思春期で親には塩対応ですが、これも成長の証。大きな成長をただただ目を細めて見ています。

目標は一般就労と一人暮らし! きっと叶えられるよ!

現在の息子の目標は一般就労と一人暮らしです。中学での大きな成長を見る限り、このまま頑張り続けてくれれば、夢ではないのではと思っています。

息子は実行機能が弱く、後回し癖がある点が心配なのですが、だんだんとやるべきことを優先できるようになっていってほしいです。仲間と楽しく過ごして、自立に向けて家事や金銭、健康、時間管理の術を身につけていって人生を謳歌してくれたら、こんなにうれしいことはありません。
エピソード参考/カピバラ

(監修:藤井先生より)
ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如・多動症)と診断されていても、成長はそれぞれ違いますね。14歳になる息子さんの成長を読ませていただき、そのことを実感いたしました。なるべく、生活に支障がないようにと、できることはしてあげたい親心からいろいろサポートしても、それをしたからすぐに実を結ぶとは限りません。友人との出会い、好きな趣味との出会い、などさまざまな経験も成長の糧になることがあります。「大きな成長をただただ目を細めて見ている」とのこと、とても良いなと思いました。わが子ゆえ、気になることはあるのかもしれませんが、お子さんのペースで成長している様子を見守るのも大切ですね。
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(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。

※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。

ADHD(注意欠如・多動症)
注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。
ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。

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