3歳自閉症息子の激しい癇癪、パニック、こだわりに親子で涙。小2の今なら分かるイヤイヤの原因

ライター:ゆきみ
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自閉スペクトラム症(ASD)がある長男けんとは、現在、小学2年生です。小さな頃から穏やかな性格ですが、不安やこだわりが強く、感覚過敏もあるため、癇癪を起こしたり、パニックを起こしたりしてしまうことがよくあります。そんなけんとのイヤイヤ期は、いつだったのでしょうか?

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監修: 初川久美子
臨床心理士・公認心理師
東京都公立学校スクールカウンセラー/発達研修ユニットみつばち
臨床心理士・公認心理師。早稲田大学大学院人間科学研究科修了。在学中よりスクールカウンセリングを学び、臨床心理士資格取得後よりスクールカウンセラーとして勤務。児童精神科医の三木崇弘とともに「発達研修ユニットみつばち」を結成し、教員向け・保護者向け・専門家向け研修・講演講師も行っている。都内公立教育相談室にて教育相談員兼務。

癇癪、パニック……大変だった3~4歳

現在小学2年生の長男けんとは、自閉スペクトラム症(ASD)と3歳の時に診断を受けました。赤ちゃんの時からとてもおとなしい子で、今も基本的にはおっとりした性格です。小さな頃から、家にいる時間、慣れた場所や環境の中では、穏やかに過ごせますが、慣れていない場所、初めての体験、感覚的に怖いと感じる時などは一変して大癇癪や、大号泣! 私もどうしていいのか分からず、困り果ててしまうことがありました。
小学生になった今振り返ってみると、3~4歳の頃が一番大変だった
小学生になった今振り返ってみると、3~4歳の頃が一番大変だった
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これまで、けんとのイヤイヤ期はいつだったのだろう?……というのは、あまり考えたことがなかったのですが、小学生になった今になってみると「3~4歳頃が一番大変だったな。あれがうちの子にとってのイヤイヤ期だったのかな」と思います。

けんとは、1歳半健診で指摘を受けたことをきっかけに支援へと繋がっていき、年少の歳に市立の発達支援施設に通い始めました。この3~4歳頃のけんとは、やりたいことやこだわりが強まっていましたが、言葉が遅く、自分の気持ちをうまく伝えられなかった時期でもありました。

今回は、この時期にけんとが大癇癪を起こしたり、私が困っていたりしたエピソードを振り返ってみます。

見通し不安? 忘れ物を取りに引き返すと大号泣

忘れ物を取りに戻っただけで大号泣!
忘れ物を取りに戻っただけで大号泣!
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けんとが3歳のある日、私が家に忘れ物をしてしまいました。車で出発してからすぐに忘れ物に気がついたので、取りに帰ることに。いつもと違う場所で曲がり、引き返した瞬間、けんとが大号泣し始めたのです。
とにかく怒っている様子で、チカラの限り泣き叫んでいました。気持ちを切り替えることも難しかったようで、落ち着くまでとても時間がかかりました。

ほかにも、帰り道に私が急に買い物をしようと思いたち、突然お店の駐車場に入った時や、お気に入りのショッピングモールの駐車場が混んでいたので、いつもとは違う駐車場にしようと道を変えた時に大号泣したことも。

今、考えると、けんとが予想していた行動と、私がとった行動が違ったため、見通しが崩れたのが原因だったのではないかと思います。当時は、何故そんなに泣くのか、分かってあげられないことも多くありました。

こだわり? 大好きな場所から離れない息子

自閉スペクトラム症がある息子は3歳の頃、ショッピングセンターに行くと大好きなエレベーター前から離れてくれなかった。親子で泣きながら帰宅したことも
大好きなエレベーター前から離れてくれず、とうとう夜に……。親子で泣きながら帰宅したことも
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そして今でもよく思い出す、大変だった記憶のひとつとしては……そして今でもよく思い出す、大変だった記憶のひとつは……大好きなショッピングモールへ行った時に、お気に入りの駐車場やエレベーターから離れなくなることです。

違う場所へ誘おうとしても、全く聞き入れず、手をひっぱって連れて行こうとしても大号泣。その場所から頑なに離れないので、とうとう夜になってしまいました。「さすがに、もう帰らないと」と思い、弟を抱っこ紐に入れた状態で、けんとも抱っこして移動。しかし途中で私の腕からけんとが抜け出し、ダッシュでお気に入りの場所へと戻ってしまうこともありました。私は体も心も疲弊してしまい、私も子どもたちも、みんなで泣きながら帰宅したこともありました。

その後、視覚優位なけんとの特性を私が理解していき、視覚支援で行動の予定を示すようになると、嘘のように切り替えができるようになりました。
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感覚過敏? フォトスタジオで大号泣

フォトスタジオで大号泣! 今思うと感覚過敏が原因だったのかも?
フォトスタジオで大号泣! 今思うと感覚過敏が原因だったのかも?
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弟の1歳の誕生日記念にフォトスタジオへ(けんとは当時3歳)。けんとも一緒にと思い、襟のついた、いつもと違う洋服を準備しました。

しかし、シャツを着た瞬間からずっとけんとは大号泣。いつもと違う場所。いつもと違う洋服。しかも首元まであるシャツ。今考えると、きっと感覚過敏も影響していたのだと思います。けんとは、シャツを脱ぎたそうに首元をグイグイやっていました。そして、あまりにもすごい大号泣で、記念フォトが、ほぼ泣き顔となりました。

息子のイヤイヤ期、今考えると特性だった?

「初めて体験すること」が多かった3~4歳頃のけんとは、今よりもさらに見通し不安や、こだわりが強く、感覚面が敏感だったように感じます。今となってみたら、「だからあんなに泣いてたのね」と分かることですが、当時の私は気づいてあげられませんでした。

言葉が遅く、想いを上手く伝えられず、私の言葉を理解していなかったため、けんとにとって「嫌だ」「怖い」などの表現の仕方が、癇癪やパニックとなってしまっていたのだと思います。

私は本当に少しずつ特性を理解していきました。けんとも、経験や歳を重ね、少しずつ理解力を深めていくにしたがって、気がつけば、本当に大変だった時期から抜け出していた……のだと、思います。

今も昔も、その時期ならではの悩みごとは常に感じていますが、「3~4歳頃が大変だったな」と振り返って思うこの気持ち。この想いと同じように、さらなる未来のその先で、「今」のことを「あの頃は大変だったね」と、家族や友人、支えてくださる方たちと思い出しながら、話しができたらいいなと祈っています。
執筆/ゆきみ

(監修:初川先生より)
けんとくん3~4歳の頃の大変だったエピソードをありがとうございます。「今、考えると」とあるように、当時は大変さの中で翻弄されていたように感じることも、まるで謎解きのようにこういうことだったんだろうなと理解できることがありますね。

お子さんが言葉をまだ使いこなせる前だと、癇癪が起きやすかったり、こちらがいくら良かれと思って説明したところで伝わらずお互い苦しくなったり。そういう時期だと思います。またその頃はお子さんの特性(例えばけんとくんだと視覚的な情報処理が得意で言葉で説明されるよりも絵などで説明されたほうが入りやすい)などもまだつかめていない時期であることも多いです。

子育て自体が手探りであることも多い幼児期、保護者の方お一人でお子さんの特性に気づき、その手立てまで分かってやってみるというところまでいくのはなかなかに難儀だと思います。園の先生や支援機関の方などと一緒にそのあたりつかんでいくことになることが多いですが、すぐにはつかみきれない面もあるので、本当に幼児期は大変だと感じることは多いと思います(お疲れ様でした!)。

あの時は大変だったね、と一緒に子育てを進める方と笑って振り返ることができる日が来ることを祈っています。
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https://h-navi.jp/column/article/35029942
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(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。

※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。

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