引っ越し直後から待ったなし!2歳自閉症娘の療育、病院探し、受給者証の更新、幼稚園…悩みは次々と現れて

ライター:マミヤ
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わが家は娘のしぇーちゃん(ASD/自閉スペクトラム症) が2歳半頃に、他県へ引っ越しをしました。大急ぎで受給者証の申請をする羽目になったり 、引っ越し前日に娘が顔面に大怪我したりとヒヤヒヤの連続でした。今回は引っ越し後の療育や病院、幼稚園のことなどを書きたいと思います。

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監修: 室伏佑香
東京女子医科大学八千代医療センター 神経小児科
名古屋市立大学大学院 医学研究科 生殖・遺伝医学講座 新生児・小児医学 博士課程
筑波大学医学部卒。国立成育医療研究センターで小児科研修終了後、東京女子医科大学八千代医療センター、国立成育医療研究センター、島田療育センターはちおうじで小児神経診療、発達障害診療の研鑽を積む。 現在は、名古屋市立大学大学院で小児神経分野の研究を行っている。

引っ越し後、すぐに行動開始!待ったなしの療育と病院探し

娘のしぇーちゃんが2歳半頃に、他県へ引っ越しをしたわが家。新しい土地でまず最初にしたのは、ASD(自閉スペクトラム症)の娘が通う療育施設と、発達の相談ができる病院を探すことでした。

わが家は車がないので、通えるところは限られていました。そんな中で初めて契約した療育施設は母子分離型で、1回3時間で週に1~2回あり、送迎もしてくれるところでした(ちなみに、受給者証の支給量(児童発達支援を利用できる日数)は13日/月でした)。

母子分離が苦手な2歳半の娘を預けることに初めは不安もありました。しかし、すぐに通える施設はそこしかなく……一日でも早く療育を再開したかった私は、良い効果があることを期待して通うことにしました。

行き慣れた祖父母の家でさえも、私の姿が見えないと泣くくらい不安が強かった娘ですが、こちらの施設に通い始めて数ヶ月ほど経った頃にはすっかり慣れて、私と離れても平気になりました。

診断済みでも「すぐにみてもらえる病院」を急いで探した理由。それは……

娘は2歳4ヶ月でASD(自閉スペクトラム症)と診断されていましたが、引っ越し先ですぐにみてもらえる病院を急いで探す必要がありました。なぜなら、引っ越し先の自治体では受給者証の更新時に「医師の意見書(診断書)」が必要で、早くもその更新時期が迫っていたからです。目星をつけていた第1希望の病院は1年待ちと言われてしまったので、すぐにみてもらえる病院を探して受診しました。

この病院には約半年ほど通いましたが、JSI-R(日本感覚インベントリー)を受けたところ数値が高く、この病院でも、ASD(自閉スペクトラム症)と診断されました。その後、待機中だった第1希望の病院から連絡があったタイミングで、そちらに転院しました。そこでは月に2回OT(作業療法)を受けられることになりました。

自立支援に力を入れる療育施設にも通うことに。よき出会いに恵まれて

他県に引っ越し後、娘が1年間で通った病院や療育。
他県に引っ越し後、娘が1年間で通った病院や療育。
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その頃、 初めに通っていた療育施設に加えてさらにもう一つ、小集団療育を行う施設にも通うことにしました。そこはこども園が運営している施設で、1回3時間のプログラムの中にお散歩や給食の時間があり、自立支援に力を入れていました。週に1回とはいえ、自宅から自転車で片道40分程かかるので悩んだのですが、1つ目の療育施設で娘の成長を感じられていたので、思い切ってこちらの施設にも通うことに決めました。

こちらの施設では、娘は最初から母子分離不安もなく、スムーズに活動へ参加することができていました。自転車で片道40分の通園は大変でしたが、娘を送り届けた後は療育が終わるまで空いている部屋で待機させてもらい(お昼ごはんを持参していました)、天気が悪い日は別の日に変更するなど快い対応をしてくれたので、なんとか通い続けることができました。ここでは、娘も私自身も友達に恵まれ充実した日々を送ることができ、とても幸運だったなあ……と今でも思います。
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幼稚園に入園する?それともこのまま療育だけにする?迷った末の決断

年少の時期、幼稚園にはいかず療育メインで過ごしていた娘
年少の時期、幼稚園にはいかず療育メインで過ごしていた娘
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こうして、2ヶ所の療育施設と病院での作業療法に通う日々を送っているうちに、娘は3歳になりました。来年度から幼稚園に行くかどうか迷いましたが、その頃の娘はお話が上手ではなかったこともあり、集団でのザワザワは「言葉のシャワー」ではなく「ただの雑音」になるのではないかと考え、年少の時期にあたる1年間は療育1本でいくことに決めました。

幼稚園には行きませんでしたが、療育と並行して月に1度は幼稚園のプレにも通い、忙しかった思い出があります。娘はこの1年間で、母子分離不安、偏食、多動が格段に落ち着き、言葉の理解が進んで意思の疎通もしやすくなっていきました。

年中から幼稚園入園するため、園探しを開始。ASDと伝えると入園を断られることも……

入園前にASD(自閉スペクトラム症)と伝えた上で、娘のことを理解して受け入れてくれる幼稚園を探した
入園前にASD(自閉スペクトラム症)と伝えた上で、娘のことを理解して受け入れてくれる幼稚園を探した
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4歳を過ぎた頃には娘がかなり落ち着いてきたこともあり、年中から幼稚園へ通うことにしました。自宅から通えそうな幼稚園を調べて、何ヶ所かの園に連絡し、事前に面談をお願いしました。ASD(自閉スペクトラム症)であることを説明した上で、娘のことを理解し、受け入れてくれる園に入園したかったからです。電話でやんわり断られた園もありましたが、面談で娘の様子を見て「ぜひ願書を提出して下さいね」と言って下さった園もありました。

そして、いざ幼稚園に入園してみると、療育で小集団の経験を積んできたおかげか、娘は入園1日目から1度も泣くことはありませんでした。幼稚園での生活にもすぐ馴染んでいました。年少の1年を療育のみで大丈夫かという不安もありましたが、療育メインでやってよかったな……と思える結果となりました。
執筆/マミヤ
(監修:室伏先生より)
引っ越し後の療育・病院探しに始まり、療育施設で過ごされた年少時期、幼稚園への入園にいたるまで盛りだくさんの情報を共有くださり、ありがとうございます。幼稚園に入園されると、多くのお子さんから刺激をもらってよい影響を受けられるお子さんもいらっしゃいますが、しぇーちゃんが年少さんの時期を療育施設のみで過ごされたことは、先生方の手厚い対応ももちろんですが、安心して過ごせる環境が確保できたという意味でもよいことだったかもしれませんね。

幼稚園か療育施設かというご相談は多くの親御さんからいただきます。これについては、発達段階だけでなく、そのお子さんの困りごとによってもどちらが合うかは変わってきます。たとえば、他害がある、多動がとても目立つ、多くのお子さんがいる環境に強い不安を感じる、感覚過敏が強く環境や食事など細やかな対応が必要となる、などの場合には、幼稚園では対応が難しいこともありますし、お子さんにとっても負担が大きくなります。悩まれた場合には、お子さんのことをよく知ってくれている支援者(病院の先生や療育スタッフなど)に相談してみてくださいね。
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(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。

※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
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