自閉症息子は誰にでも「マブダチ対応」!?人との距離感、空気が読めず交流学級で空回り…【専門家からのコメントも】
ライター:星あかり
息子のスバルは3歳でASD(自閉スペクトラム症)と診断されました。
その後はプレ幼稚園を途中退園したりいろいろありつつ、小学校は特別支援学級(自閉症・情緒障害クラス)へ就学しました。
特別支援学級の中では特性は違えど同じように困り事を抱えた友達とうまく付き合っていましたが、交流学級での人間関係には少しつまずいているようでした。
監修: 初川久美子
臨床心理士・公認心理師
東京都公立学校スクールカウンセラー/発達研修ユニットみつばち
臨床心理士・公認心理師。早稲田大学大学院人間科学研究科修了。在学中よりスクールカウンセリングを学び、臨床心理士資格取得後よりスクールカウンセラーとして勤務。児童精神科医の三木崇弘とともに「発達研修ユニットみつばち」を結成し、教員向け・保護者向け・専門家向け研修・講演講師も行っている。都内公立教育相談室にて教育相談員兼務。
東京都公立学校スクールカウンセラー/発達研修ユニットみつばち
幼稚園での人間関係
スバルは穏やかで優しく、裏表がなく純粋で、「自分はこれが好き」という芯があり、人懐っこく誰にでも話しかけ仲良くなろうとするフレンドリーな性格です。……というのは嘘ではないのですが、それにASD(自閉スペクトラム症)の特性を絡めて幼稚園でのコミュニケーションに当てはめると様子が違ってくるのです。
仲良し同士で集まって独自のルールがある遊びをしているグループにマブダチのような顔をして加わろうとし、それを相手が嫌がっていてもニコニコとその場に居座ります。車や国旗など自分が興味のある分野の話になると相手のリアクションなどお構いなしで、一方的にまくし立てるように話し始めます。家でも幼稚園でもはじめての場所でも誰が相手でも態度を変えず、常に「スバル」のままなのです。
何度か遊んだことのあるお友達といる時のコミュニケーションは若干ましになるのですが、それでも「おままごとしよう。私お母さんね」「私は赤ちゃんね」に対し「スバルはハイブリット車ね」と、かなりズレた返答をしていました。
仲良し同士で集まって独自のルールがある遊びをしているグループにマブダチのような顔をして加わろうとし、それを相手が嫌がっていてもニコニコとその場に居座ります。車や国旗など自分が興味のある分野の話になると相手のリアクションなどお構いなしで、一方的にまくし立てるように話し始めます。家でも幼稚園でもはじめての場所でも誰が相手でも態度を変えず、常に「スバル」のままなのです。
何度か遊んだことのあるお友達といる時のコミュニケーションは若干ましになるのですが、それでも「おままごとしよう。私お母さんね」「私は赤ちゃんね」に対し「スバルはハイブリット車ね」と、かなりズレた返答をしていました。
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年長になると気の合うお友達ができ、手当たり次第突撃しなくても毎日楽しく過ごせるようになりました。この期間にスバルのコミュニケーション能力は格段に上がりました。とはいえ「コミュニケーションに難あり」の域からは出ることはありませんでした。
そんなお友達とも幼稚園を卒園したらお別れになり、小学校からは新しい人間関係が始まるのでした。
そんなお友達とも幼稚園を卒園したらお別れになり、小学校からは新しい人間関係が始まるのでした。
特別支援学級(自閉症・情緒障害クラス)のクラスメイト
小学1年生になりスバルは特別支援学級(自閉症・情緒障害クラス)へ就学しました。
そこは特性は違えど同じように困り事を抱えた子ども達が集まったクラスでした。もちろんそうじゃない子もいますが、圧倒的にコミュニケーションが苦手な子が多い集まりで人間関係はどうなることかと思いましたが、人の話を聞いているのかいないのか、会話になっているのかいないのか、お互いに自分の話したいことを話す感じで楽しく過ごしているようでした。
そこは特性は違えど同じように困り事を抱えた子ども達が集まったクラスでした。もちろんそうじゃない子もいますが、圧倒的にコミュニケーションが苦手な子が多い集まりで人間関係はどうなることかと思いましたが、人の話を聞いているのかいないのか、会話になっているのかいないのか、お互いに自分の話したいことを話す感じで楽しく過ごしているようでした。
交流学級での過ごし方
特別支援学級では楽しく過ごせているスバルでしたが、交流学級でのコミュニケーションは難航していました。
スバルにとっては「クラスメイト=友達」なのでマブダチのように話しかけてしまうのですが、交流学級のクラスメイトからしたら特別支援学級から時々通ってくるだけのスバルはお客さん的存在なので少し壁があるのです。馴れ馴れしいし、何を言っているか分からないし、あとやたら距離が近い。そんな存在であるスバルと交流学級のクラスメイトとの間の壁はますます高くなっていくのでした。
いわゆる「空気が読めない」立ち振る舞いをしてしまうスバルですが、人の顔色はなんとなく読めるので「人との接し方を何か間違ってしまったらしい」ということは分かりました。そして何を間違えたのか分からないまま挽回しようと、さらにグイグイと迫ってしまうのでした。
スバルにとっては「クラスメイト=友達」なのでマブダチのように話しかけてしまうのですが、交流学級のクラスメイトからしたら特別支援学級から時々通ってくるだけのスバルはお客さん的存在なので少し壁があるのです。馴れ馴れしいし、何を言っているか分からないし、あとやたら距離が近い。そんな存在であるスバルと交流学級のクラスメイトとの間の壁はますます高くなっていくのでした。
いわゆる「空気が読めない」立ち振る舞いをしてしまうスバルですが、人の顔色はなんとなく読めるので「人との接し方を何か間違ってしまったらしい」ということは分かりました。そして何を間違えたのか分からないまま挽回しようと、さらにグイグイと迫ってしまうのでした。