何でもなめる、口に入れる自閉症息子。ついに小銭を飲み込んだ!?誤飲トラブル、小学生になった今は【医師アドバイスも】

ライター:メイ
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ASD(自閉スペクトラム症)とADHD(注意欠如多動症)の診断を受けている息子。
小さい頃から何でも口に入れるのが好きで、食べ物ではないものもよく口に入れていました。乳幼児の頃ならあるあるなのかもしれませんが、年齢を重ねてもなかなか直らず、私も気になるようになっていきました。

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監修: 新美妙美
信州大学医学部子どものこころの発達医学教室 特任助教
2003年信州大学医学部卒業。小児科医師として、小児神経、発達分野を中心に県内の病院で勤務。2010年信州大学精神科・子どものこころ診療部で研修。以降は発達障害、心身症、不登校支援の診療を大学病院及び一般病院専門外来で行っている。グループSST、ペアレントトレーニング、視覚支援を学ぶ保護者向けグループ講座を主催し、特に発達障害・不登校の親支援に力を入れている。 多様な子育てを応援するアプリ「のびのびトイロ」の制作スタッフ。

成長しても「何でも口に入れる」息子。外出時も……

息子は赤ちゃんの頃から、自分の指はもちろん、固いおもちゃから柔らかいおもちゃ、絵本など何でも口に入れてしまうところがありました。赤ちゃんとはそういうものかもしれません。でも、息子は大きくなってきてもそれを止める気配がありませんでした。

特に冷たくてつるつるしたものを口で確かめたくなるようで、家の中では床や窓ガラスに口をつけていることが多かったです。外でも油断は禁物で、できるだけ気をつけていましたが、防ぎきれないこともあったので、常に除菌ウェットティッシュを持ち歩くようにしていました。注意するとその場では止められるけれど、また気づくとどこかに口をつけている……という状態でした。
外出先でも、物の感触を口で確かめたくなる息子にヒヤヒヤ
外出先でも、物の感触を口で確かめたくなる息子にヒヤヒヤ
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ついに恐れていたことが!幼稚園年少での誤飲トラブル

物をなめたり口の中に入れたりする癖が災いし、息子は幼稚園の年少の時、小銭を飲み込んでしまったことがあります。

その日私が家事をしていると、急にむせるような息子の声が聞こえました。慌てて息子のもとに駆けつけましたが、息子はけろっとしています。周りを見ると、幼稚園への支払い用に準備してあったお金が散らばっていました。金額を確認すると50円足りません。息子に、「もしかしてお金飲み込んじゃった?」と聞くと「うん」と答えました。
目を離したすきに、小銭を飲み込んでしまった息子
目を離したすきに、小銭を飲み込んでしまった息子
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急いで口の中を見ましたが、もう飲み込んでしまっていて、口の中に50円玉はありませんでした。息子は何事もなかったかのように平気そうな様子でしたが、異物を飲み込んでしまうのは初めてのことだったので、どうしたらいいか分からず、かかりつけの小児科に電話をかけました。

その時はすでに夜だったのですが、かかりつけの先生の勧めで夜間もやっているこども病院を受診することにしました。

子ども病院の夜間救急を受診。レントゲンを撮ってもらうと……

こども病院で、お腹のレントゲンを撮ってもらいました。すると、50円玉が胃の中にあることが確認できました。
やはり50円玉は息子の胃の中に……
やはり50円玉は息子の胃の中に……
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お腹の中まで入ってしまっていたら後は出てくるのを待つしかないということで、ちゃんと50円玉が出てくるか、これからしばらくの間は便を確認するように言われました。

それから数日間、息子が排便をするたびに割り箸を使って探しましたが、結局見つかりませんでした。その後再びこども病院で診察をしてもらい、もうお腹の中に50円玉はないということを確認してもらいました。一度だけ息子が自分で便を流してしまったことがあったので、その時にもしかしたら入っていたのかもしれません。

この時は大事に至らずに済んでよかったのですが、もしうまく胃の中まで入らず、途中の食道で引っかかって止まってしまっていたら、手術をしないと取り出せなかったかも……とお医者さんに言われてゾッとしました。
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小学生になった今も「物を口に入れる癖」は残っていて……

実は小学生になった今も、食べ物ではないものを口に入れたがることがあります。さすがに懲りたのか、小銭を口に入れることはありませんが、プラスチックのお菓子のゴミやティッシュなどを口に入れている時があります。
口の中に物を入れると落ち着くのだという息子
口の中に物を入れると落ち着くのだという息子
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特に宿題をしている時に口に入れていることが多いので、何かしらのストレス発散になっているのかもしれません。学校や外ではやっていないようですが、誤って飲み込まないように注意しつつ「それはゴミだから口に入れるものじゃないよ」ということはその都度伝えています。

最近では何か口に入れたくなった時のために、ボトルのガムを常備するようにしていて、異物を口に入れることは少しずつなくなってきています。
執筆/メイ
(監修:新美先生より)
乳児期を過ぎても何でも口に入れてしまうことが続くタイプのお子さんがいます。口腔内の感触でどのようなものか確かめたい場合や、口腔内の触感の刺激を好んでいる場合、口腔内の感触で気持ちが落ち着く安らぐ場合などがあります。大人から見ると誤飲・窒息のリスクが高いことはもちろん、衛生面の心配や、周りからどう見られるかマナー面での心配などがあり、やめさせたい行動ですが、無意識的にやっていることも多く、やめさせるのがなかなか難しいこともあります。

まず、誤飲・窒息を避けなければいけないので、口の中に入るサイズのものや、たばこ・薬など少量でも毒性のあるものは、絶対に、子どもの手の届く場所に置かないというのは大人の責任でやっていくしかありません。親戚の家に遊びに行ったときなどは、もう、目を離さず見ているしかないでしょう。……とはいえ絶対に目を離さないということは現実的ではないし、どんなに気をつけていてもついうっかりと言うことは、あるものですよね。本当に大変です。

ある程度理解できるようになってきた場合、なぜ、口の中にものを入れてはいけないのかを、4コマ漫画などを使って視覚的に具体的に伝えることで、本人が自覚してやめようと思えるようになることもあります。この際は本人が気にしていること……例えば病気になるのが怖いお子さんだったら、衛生面から病気になる可能性があることを伝えるなど、本人が納得しやすい観点から理由を説明するとよいでしょう。消しゴムをかむのをやめられない子どもが腹痛で入院した時に、お医者さんから指導されて、消しゴムをかむのはやめられた……なんていうエピソードがあったりもします。何かのきっかけで本人が納得できるとやめられることもあります。

本人が、その行動をやめようと思えた場合であっても、代わりになる行動を提案しないと、無意識的にやってしまうことはあります。なめたりかんだりしても差し支えないもの、ガムやカミカミグッズ(かんでもOKなタオルや、それ用に販売されているグッズもあります)などを手に取りやすい場所に置いておくなどがいいかもしれません。

集中したい時にかむ刺激があることで集中できるお子さんもいます。じゃあ、ガムで!といっても、ガムの味や触感が好きじゃないという子どももいて、どうしても不適切なものをかんでしまうことをやめられない場合もあります。TPOを考慮する(学校など公共の場ではしないけれど家ならOK)など、徐々に折り合いをつけていけるといいですね。
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(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。

※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。

ADHD(注意欠如多動症)
注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。
ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。

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