自閉症息子、小学校で博士キャラなのに「提出物0点」!?私立中進学で自ら見つけた解決策は

ライター:寺島ヒロ
自閉症息子、小学校で博士キャラなのに「提出物0点」!?私立中進学で自ら見つけた解決策はのタイトル画像

発達障害のある子どもを持つ保護者の皆さんから、よく「プリントや宿題の提出率が悪い」といった悩みを聞きます。実は、私の息子タケル(ASD・現在24歳)も、小学校から高校にかけて、一貫して提出物の管理がうまくできませんでした。今回は、その当時のことを振り返りながら、提出物が出てこない問題について書いてみたいと思います。

監修者森 しほのアイコン
監修: 森 しほ
ゆうメンタル・スキンクリニック理事
ゆうメンタルクリニック・ゆうスキンクリニックにて勤務。産業医として一般企業のケアも行っている。 ・ゆうメンタルクリニック(上野/池袋/新宿/渋谷/秋葉原/品川/横浜/大宮/大阪/千葉/神戸三宮):https://yuik.net/ ・ゆうスキンクリニック(上野/池袋/新宿/横浜):https://yubt.net/

「提出物が0点」と小学校の先生に言われたとき

ASD(自閉スペクトラム症)のタケルは小さい頃から「博士キャラ」
 
小学校では、泣き始めたら止まらなかったり、授業中に脱走したりといった問題行動も見られましたが、テストを受けるとほぼ完璧に覚えているので、「勉強ができる子」として周囲に認識されていました。
 
しかし、通知表はオール5とは程遠く、4があれば3もちらほらといった具合でした。
私としては、日々の生活上の困りごとを何とかするほうが優先で、通知表の成績にはあまり関心がありませんでした。
 
しかし、タケルは内心、「勉強が取り柄なのに、この成績では物足りない」と感じていたようで、ある日、先生に直接その理由を尋ねたことがあったそう。すると、先生は「提出物がきちんと出てこないから、その部分が0点なんだよ。ちゃんと出してね」と答えたのだそうです。

そもそも家に持ち帰っていない

提出物とは、宿題プリントやワークブック、授業ノートだけでなく、学校からのアンケートやボランティア活動の出欠確認なども含まれます。
 
それまでも私は、毎晩タケルのランドセルの中身を確認し、プリントがあればファイルにまとめ、返信が必要なものは本人に聞いて書き込んでランドセルに戻すという作業をしていました。
 
しかし、小学校4年生で通級指導教室に通うようになり、学校と頻繁に連絡を取る中で、タケルがほとんどプリント類を家に持ち帰っていないことが判明!問題は「家でやらない」「出さない」ことだけではなかったのでした。
やっと持って帰ったプリントも大体ボール状に丸まってます
やっと持って帰ったプリントも大体ボール状に丸まってます
Upload By 寺島ヒロ
行方不明のプリントは、学校の机の中に大量に溜め込まれ、学期末に学校で処分されていたようです。これは、発達障害のある子どもを育てる親にとって、あるある話かもしれませんね。

疲れて宿題ができないことも

ようやく家まで持ち帰った学習プリントも、無事に書き込んで提出されるとは限りません。
 
タケルは学校から帰宅すると、まずやるべきルーティンがあり、それが終わらないと宿題に取りかかりません。学校での疲労がたまり、泣いたり怒ったりして帰宅後にルーティンをこなし、お風呂に入ると、もう宿題をする気力が残っていないことも頻繁にありました。
 
冊子形式のワークブックは「埋めなければ」という意識があるらしく、比較的積極的に取り組むのですが、プリントは「やったら終わり」という感覚なのでしょう。どうしても後回しになってしまうのでした。
家に帰ってからやることにもこだわりのルーティンがあるタケル
家に帰ってからやることにもこだわりのルーティンがあるタケル
Upload By 寺島ヒロ
療育支援探しバナー
次ページ「提出物が大事な本当の理由とは…? 」

追加する

バナー画像 バナー画像

年齢別でコラムを探す


同じキーワードでコラムを探す



放課後等デイサービス・児童発達支援事業所をお探しの方はこちら

放課後等デイサービス・児童発達支援事業所をお探しの方はこちら

コラムに対する投稿内容については、株式会社LITALICOがその内容を保証し、また特定の施設、商品及びサービスの利用を推奨するものではありません。投稿された情報の利用により生じた損害について株式会社LITALICOは一切責任を負いません。コラムに対する投稿内容は、投稿者の主観によるもので、株式会社LITALICOの見解を示すものではありません。あくまで参考情報として利用してください。また、虚偽・誇張を用いたいわゆる「やらせ」投稿を固く禁じます。「やらせ」は発見次第厳重に対処します。