自閉症長男、「ママ」より先に数字を覚えた!?数字に支配された驚きの日常生活と母の対策

ライター:スパ山
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3人全員が発達凸凹があるわが家の子どもたち。中1の長女「姉子」はASD(自閉スペクトラム症)・知的ボーダー・場面緘黙、小4の長男「ハジュ」はASD・ADHD(注意欠如多動症)、小2の次女「にの」は発達グレー、私「スパ山」は3人の子育てに奮闘中の転勤族の母です。
今回は、数字が大好き!長男「ハジュ」のエピソードです。

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監修: 新美妙美
信州大学医学部子どものこころの発達医学教室 特任助教
2003年信州大学医学部卒業。小児科医師として、小児神経、発達分野を中心に県内の病院で勤務。2010年信州大学精神科・子どものこころ診療部で研修。以降は発達障害、心身症、不登校支援の診療を大学病院及び一般病院専門外来で行っている。グループSST、ペアレントトレーニング、視覚支援を学ぶ保護者向けグループ講座を主催し、特に発達障害・不登校の親支援に力を入れている。 多様な子育てを応援するアプリ「のびのびトイロ」の制作スタッフ。

「ママ」より先に数字を覚えた自閉症の長男

ASD(自閉スペクトラム症)の長男「ハジュ」は、興味の幅は狭いものの、一度ハマると本当に夢中になります。特に数字への関心はとても強く、日々の生活でも数字に関わる場面が大好きです。

今回は、そんな数字大好きハジュの日常生活で起きたちょっと困ったことや逆に役立ったこと、数字に夢中になるあまり起こったエピソードをお話したいと思います。
2歳になる少し前、ハジュが、じーっとテレビのリモコンを見つめていました。ボタンを押したいのかな?と思いましたが、どうやらリモコンにあるチャンネルの数字に夢中になっていたようです。それから、床に敷いていたパズルマットの数字を見つめるようになり、どんどん数字に惹かれていきました。

この頃、ハジュはまだあまり言葉を話していなかったのですが、「これはハチだよ」「これはロクだよ」と教えているうちに、「あち(8)」「おく(6)」と話し始めたんです。なんと、彼の初めての言葉は「ママ」ではなく、数字でした(笑)。
自閉症の長男の初めての言葉は「ママ」ではなく、数字でした(笑)
長男の初めての言葉は「ママ」ではなく、数字でした(笑)
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数字に夢中すぎて心配…

ママ友たちから「早くから数字に興味があっていいね!」とうらやましがられることもありました。でも、私は次第に心配を抱えるようになったのです。

ハジュの数字への興味は、ただの好奇心を超えて、どんどん深い没頭へと変わっていきました。すると、思いもよらない困りごとが……。世の中には数字があふれているので、外出時は、あらゆる場所で足を止められてしまうようになりました。

駐車場、エレベーター、看板……。数字のある場所に吸い寄せられるので、道路の速度表示を見つけて飛び出しそうになることも。青ざめながら慌てて止めた経験も一度や二度ではありません。スーパーに行けば値札に大興奮、ホームセンターではメジャーコーナーに釘付け、駐車場の数字を順番に踏んで進むこだわり。さらに、エレベーターに乗れば、一度最上階から最下階まで行かないと気が済まない。これでは、日常生活がまともに進まないと感じるほどでした。

数字というものが、こんなにも日常を支配する存在になるとは想像もしませんでした。
数字が隠れているのが許せない!自閉症の長男
数字が隠れているのが許せない!
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数字が大好きな長男との毎日を乗り切る方法!

ハジュが数字まみれで過ごしていた頃、わが家はカオス状態。次女が生まれ、長女の小学校入学と、目が回るような忙しさでした。でも、目を回している場合ではなかったので、何とかしなければ!と、私は奮闘しました。当時通っていたグループ療育の先生や専門機関に相談したり、インターネットで情報をかき集め、試行錯誤の日々。「これは良さそう」と思ったものは、片っ端から試しました。そんな中、特にハジュに効果的だったのが、残り時間が見えるタイマーとメモ帳でした。

例えば、ハジュが数字に夢中になっている時、タイマーで残り時間を見せてあげます。そして、次の予定をメモ帳に絵で描いて「ほら、次はこれだよ」と伝える。数字好きのハジュにとって、時間も数字の一部だからか、タイマーには全く抵抗がありませんでした。むしろ、タイマーを見て納得して動いてくれるのです。

もちろん、外出先にタイマーを持っていくのを忘れることもあります。そんな時のために、スマートフォンにも見えるタイマーのアプリをインストール!「あ、忘れた!」と思っても、スマホさえあれば何とかなります。今思えば、数字が好きなハジュだからこそ、時間も数字で管理するというのは、彼にピッタリの方法でした。
数字が大好きな自閉症の長男との毎日を乗り切る方法
数字が大好きな長男との毎日を乗り切る方法
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