特別支援学級からの中学進学準備。発達障害息子が順調に過ごせた理由と将来への「自立」に向けて【読者体験談】

ライター:ユーザー体験談
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現在高校3年生の息子がいます。6歳でASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)の診断を受けました。息子は、小、中学校ともに学区外の自閉症・情緒障害特別支援学級に在籍、小学校では私が車送迎、中学校では本人が一人で電車通学していました。そこで感じたことや、学校でいただいた配慮のことなどをわが家の体験をご紹介します。
【発達ナビではユーザーさんからの子育てエピソードを募集中!今回は「中学進学」についてのエピソードをご紹介します】

監修者鈴木直光のアイコン
監修: 鈴木直光
筑波こどものこころクリニック院長
1959年東京都生まれ。1985年秋田大学医学部卒。在学中YMCAキャンプリーダーで初めて自閉症児に出会う。同年東京医科歯科大学小児科入局。 1987〜88年、瀬川小児神経学クリニックで自閉症と神経学を学び、栃木県県南健康福祉センターの発達相談で数々の発達障がい児と出会う。2011年、茨城県つくば市に筑波こどものこころクリニック開院。

ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)のある高校3年生の息子の小学校時代

現在高校3年生の息子は、6歳でASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)の診断を受けています。
息子は、小学校入学時から自閉症・情緒障害特別支援学級に在籍し、学年や科目によって通常学級にも通うスタイルで、学校生活を送っています。
通った地域の小学校は、通級指導教室の受け入れを行うなど支援が手厚い学校でした。この環境があったからこそ、息子は自分のペースで学び、成長することができたと思っています。小学校4年生の時に引越ししましたが、転校はせずにそのまま学区外通学を選択しました。私は毎日車で送迎、大変でしたが、「ここに通わせて良かった」と思えるほど学校の支援体制や先生方の理解が深かったのです。

そして小学校6年生になり、中学への進路を考える時期になりました。私の住んでいる地域では小・中連携の取り組みが積極的に行われていたため、中学進学を見据えた事前見学や面談が多く、学校側からのフォローが非常に手厚かったです。

こちらでは、中学校進学への準備や学校生活など、わが家の体験をお話したいと思います。

苦手な板書や書き取りはほぼ免除、デジタル教材の活用。「困ったらすぐ相談しましょう」といってくれた中学校

中学進学を控え、地域の中学校で行われた事前の見学や面談では、校長先生自らが対応してくださいました。
これを聞けて助かったと感じたのは、授業や部活動、試験に関する具体的な話でした。例えば、教科ごとに先生が変わること、定期試験があること、体育などで着替えがあった場合の男女の分け方など、細かな点もすべて丁寧に説明していただき、息子も私たち家族も安心して新しい環境に入ることができたと思います。

また息子は療育手帳が取得できなかったため、将来は高等特別支援学校に進むことが難しく、高校では一般入試を受ける必要がありました。そこに向けた相談もできたのは大きかったです。
校長先生から「やってみて、もし困ったらすぐ相談してください。息子さんの過ごしやすいように変えていきましょう」と言っていただけたため、入学後も相談しやすい環境を作ってくださったと思っています。
校長先生の「やってみて、もし困ったらすぐ相談してください。息子さんの過ごしやすいように変えていきましょう」の言葉に一安心
校長先生の「やってみて、もし困ったらすぐ相談してください。息子さんの過ごしやすいように変えていきましょう」の言葉に一安心
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中学校生活では連絡帳を活用し、授業の受け方や席の配置、クラスの中でのトラブル対策など、状況に応じて調整が行われました。学習面でもIT化が進んでおり、苦手な板書や書き取りはほぼ免除され、デジタル教材を活用したことで理解度は高まったと思います。
学習面でもIT化が進んでおり、苦手な板書や書き取りはほぼ免除され、理解度も上がった息子
学習面でもIT化が進んでおり、苦手な板書や書き取りはほぼ免除され、理解度も上がった息子
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ただし、試験中、集中力が持続しないという面は解決できず、成績には課題が残りましたが、担任の先生が席の向きやタイマーの位置など工夫を凝らしてくださり、助けられました。
また、勉強に自信がついてきた息子は数学検定に挑戦、無事合格をもらい喜んでいる姿を見て、私も嬉しかったです。

このように順調だった中学校生活ですが、一つ大変だったなと思うことは電車通学のことでした。

中学校で電車通学を開始。トラブルと自信の芽生え

中学進学に伴い、息子は電車通学を始めました。事前に駅でのリハーサルを何度も行い、駅員さんに挨拶をして困ったときの対処をお願いするなど、私も念入りに準備を重ねました。
電車通学のため、事前に駅でのリハーサルを何度も行いました
電車通学のため、事前に駅でのリハーサルを何度も行いました
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電車通学は、単に学校への移動手段にとどまらず、息子にとって大きな成長の機会となりました。乗り遅れや忘れ物などのトラブルが起こった時、パニックにならず駅員さんに聞くなどして冷静に対処することができるようになり、息子は少しずつ自信をつけることができました。また、電車という他人と同じ空間を共有する場に一人でいるという経験を積むことで、少しずつ「他人を意識する」という感覚が育まれたようです。この変化は、家庭ではなかなか得られないものでした。
トラブルが起こった時、パニックにならず駅員さんに聞くなどして冷静に対処することができるようになった息子
トラブルが起こった時、パニックにならず駅員さんに聞くなどして冷静に対処することができるようになった息子
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やはり親としては一人で電車移動する子どものことは心配でしたが、チャレンジしてよかったと思っています。
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