周りの人に迷惑?児童館、近くの公園からも足が遠のき…居場所がなかった自閉症息子1歳の頃

ライター:みかみかん
周りの人に迷惑?児童館、近くの公園からも足が遠のき…居場所がなかった自閉症息子1歳の頃のタイトル画像
Upload By みかみかん

わが家は5歳のたーちゃんと夫と私の3人暮らしです。
たーちゃんは2歳半の時に、知的障害(知的発達症)のないASD(自閉スペクトラム症)と診断されました。
今回は、周りの目が気になって1歳を過ぎたあたりから支援センターや児童館へ行かなくなったことについてです。

監修者室伏佑香のアイコン
監修: 室伏佑香
東京女子医科大学八千代医療センター 神経小児科
名古屋市立大学大学院 医学研究科 生殖・遺伝医学講座 新生児・小児医学 博士課程
筑波大学医学部卒。国立成育医療研究センターで小児科研修終了後、東京女子医科大学八千代医療センター、国立成育医療研究センター、島田療育センターはちおうじで小児神経診療、発達障害診療の研鑽を積む。 現在は、名古屋市立大学大学院で小児神経分野の研究を行っている。

親子で楽しく通えていたはずの支援センター。しかし1歳頃から足が遠のくように……

たーちゃんが赤ちゃんの頃は自宅保育をしており、地域の支援センターによく通っていました。
同じくらいの月齢のお友だちと遊んで刺激を受けたり、人見知りや場所見知りがよくなったりしたら良いなと思ったからです。また、私にとってもほかの保護者の方と話すことで、情報交換や気分転換ができました。
支援センターにて、和気あいあいとほかの保護者の方とお喋りする私。そばで寝転ぶ低月齢の息子。そして一人でお座りしているお友だち。
低月齢の頃は楽しく通えていた支援センターだけど……
Upload By みかみかん
たーちゃんは、人見知りや場所見知りで泣くことはありましたが、歩き始めるまでは問題なく通えていたと思います。
しかし、1歳頃から徐々に支援センターへ行きづらくなりました。たーちゃんの困った行動が目立つようになり、周りからの視線が気になってきたからです。

支援センターでの困った行動。まだ小さいからしょうがない?でも周りからの目が気になって……

まず気になったのは、ほかのお子さんが遊んでいるオモチャを取ってしまうことでした。
「ほかの子が遊んでいるから、違うオモチャで遊ぼう」と誘導しても、一度気になると執着心が強く、なかなか気持ちを切り替えられませんでした。今考えると、ASD(自閉スペクトラム症)の特性で、人への興味より、物への興味が強かったのかもしれません。
お友だちが遊んでいる電車のオモチャを悪気なく取ってしまう息子。怒るお友だちと、制止する私。
お友だちが遊んでいるオモチャを取ってしまう!物への執着が激しい……!
Upload By みかみかん
それに関連して、オモチャや絵本を次々出してしまうことも気になっていました。
その頃のたーちゃんは、支援センターでも自宅でも、ひとつのオモチャでじっくり遊ぶことはほとんどありませんでした。ほんの少し遊んだあと、別のオモチャを出して遊んでいました。
「遊ぶ」というより、「出す」ことのほうを楽しんでいるようにも見えました。飽きっぽいのか、集中力がないのか……。
私はたーちゃんがひっきりなしに出すオモチャや絵本を片づけ続けなくてはなりませんでした。
本棚から絵本を次々に取り出す息子。読まれずに床に散らばるたくさんの絵本。止めようとする私。
絵本を読むでもなくただ本棚から出していく、赤ちゃんの頃の息子。
Upload By みかみかん
ほかには、落ち着きがないことも気になりました。職員さんが絵本の読み聞かせをしてくれてもウロウロしたり、前に出て絵本をめくろうとしたりしていました。もっと月齢の低いほかのお子さんでもじっとしているのに……。どうしてたーちゃんはできないのだろう、と疑問に思っていました。

そして一番困っていたことは、あまりにも周りを見ずに部屋の中を走り回ってしまうことでした。私や職員さんが何度注意しても、やめられなかったです。歩けない赤ちゃんもいる中で、けがや事故につながったらと不安になり、だんだんと足が遠のいてしまいました。
支援センターの中で走り回る息子と追いかける私。近くにはハイハイしている赤ちゃんもいて危ない。
支援センターの中で走り回る息子。赤ちゃんもいるから、危ない!止まって!
Upload By みかみかん

支援センターや児童館に行かなくなり、次は公園に。しかし、そこでも問題が。

赤ちゃんの頃から、エネルギーがいっぱいあるたーちゃん。支援センターで動き回っているのを見て、たくさん体を動かせるように外で遊ぼうと思い付きました。まず、一番家から近い公園に行ってみました。

しかし、ここでも問題が……。たーちゃんは公園でも遊びに集中することなく、すぐに公園の外に出ていってしまうのです。あまり広くない公園で、すぐそばに交通量の多い道路もあり、飛び出してしまわないかいつもヒヤヒヤしていました。
公園の外に飛び出す1歳半頃の息子と、焦って追いかける私。外は車も通っており、危ない……!
思い切り体を動かせる公園に遊び場を変えてみた。だけど、公園の外に走って行ってしまう息子にヒヤヒヤしてばかり……!
Upload By みかみかん
また、感覚過敏もあり手を繋ぐことも難しく、自宅から公園への行き帰りも大変でした。大人の足なら3分かからない距離なのに、片道30分近くかかることもありました。

さらに、公園から帰りたくなくて癇癪を起こすことも何度もあり、たーちゃんと外に出るのがどんどん億劫になっていきました。
次ページ「迷惑をかけない、のびのび遊べる大きい公園に。夫の協力にも感謝。」

追加する

バナー画像 バナー画像

年齢別でコラムを探す


同じキーワードでコラムを探す



放課後等デイサービス・児童発達支援事業所をお探しの方はこちら

放課後等デイサービス・児童発達支援事業所をお探しの方はこちら

コラムに対する投稿内容については、株式会社LITALICOがその内容を保証し、また特定の施設、商品及びサービスの利用を推奨するものではありません。投稿された情報の利用により生じた損害について株式会社LITALICOは一切責任を負いません。コラムに対する投稿内容は、投稿者の主観によるもので、株式会社LITALICOの見解を示すものではありません。あくまで参考情報として利用してください。また、虚偽・誇張を用いたいわゆる「やらせ」投稿を固く禁じます。「やらせ」は発見次第厳重に対処します。