ASD長女、通信制高校から通信制大学へ!驚きの課外授業も!?気になる大学生活をレポート
ライター:寺島ヒロ

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通信制高校を卒業し、同系列の通信制大学に進学した娘。自宅学習が中心ですが、課外授業で農業や災害復興の現場に参加し、重機オペレーターの資格まで取得しました。今回はASD(自閉スペクトラム症)の娘が、実際に参加した通信制大学の課外活動についてご紹介します。

監修: 初川久美子
臨床心理士・公認心理師
東京都公立学校スクールカウンセラー/発達研修ユニットみつばち
臨床心理士・公認心理師。早稲田大学大学院人間科学研究科修了。在学中よりスクールカウンセリングを学び、臨床心理士資格取得後よりスクールカウンセラーとして勤務。児童精神科医の三木崇弘とともに「発達研修ユニットみつばち」を結成し、教員向け・保護者向け・専門家向け研修・講演講師も行っている。都内公立教育相談室にて教育相談員兼務。
東京都公立学校スクールカウンセラー/発達研修ユニットみつばち
通信制高校から通信制大学へ
ASD(自閉スペクトラム症)の娘(18歳)は、この春に通信制高校を卒業し、そのまま同系列の通信制大学に進学しました。高校時代と同じプラットフォームで授業を受けられるため、あまり戸惑うこともなくスムーズなスタートを切れたように思います。高校で貸与されていたVRヘッドセットも引き続き使用できることになり、環境面の変化もありませんでした。
ただ、勉強する環境が変わらなくても、授業の内容は大きく変わりました。高校では「まずは卒業」が目標だったカリキュラムに対し、大学では専門的な内容がぐっと増え、当然のように勉強量も倍以上に。
時間割も、学期中にいつでもビデオを見たりしながら取り組む授業が減り、1週間刻みでレポートを出さなければならないものが増えました。

勉強は一教科ずつ没頭してやりたい!
娘はASD(自閉スペクトラム症)の特性もあってか、一度勉強を始めた教科はキリのいいところまで一気にやってしまいたいらしく、1週間の間に5科目〜7科目を細切れでやらなければいけない「ふつうの時間割」がちょっとストレスになっているみたいです。
また、高校までは数日頑張って勉強をやり溜めておいて、次の数日全く勉強しないで動画や音楽制作などやっていたので、2〜3日に一度は何かしら提出物がある大学の時間割は驚きだったようです。
「毎日勉強しなきゃいけない!作業するまとまった時間が取れない!!」と嘆く娘の姿を見ていると、可哀想ではありますが「通学してたらもっと忙しいからまだマシなんだよなあ……」と思います。
課外授業にも参加
娘の大学は通信制なので基本的には在宅で勉強していますが、実は「体験授業」や「仲間づくり」のためのリアルな集まりもたくさん用意されています。
6月に娘が参加したのは、農業体験と災害復興に関する講習。中でも驚いたのは、重機オペレーター(クレーン)としての基礎資格が取れるという内容でした。
2日間の重機講習に備えて、事前に学科はeラーニングで予習。現地では5人部屋での共同生活、しかも毎日外作業ありというハードな5日間。正直、私は体力や気力がもつか心配でした。
でも、娘は元々田舎育ちで、自然の中で遊ぶのは慣れています。果樹の世話や整地作業も「できると楽しい!」と前向きに取り組んでいたようです。

