「指導は無理」と言われ塾、習い事を辞めた発達障害息子。絶望の淵で出会った先生の「神対応」【読者体験談】
ライター:ユーザー体験談

Upload By ユーザー体験談
「もう1回」「ちょっと待って」この言葉が息子は苦手です。ADHD(注意欠如多動症)とASD(自閉スペクトラム症)の特性がある息子にとって、終わりの見えない時間は大きな不安を掻き立てるからです。
勉強が好きで、前向きな性格。それなのに、集団生活の壁はあまりにも高く、行く先々で「邪魔者扱い」されてしまう日々。私の心は壊れかけてしまいました……。
【発達ナビではユーザーさんからの子育てエピソードを募集中!今回は「学びの場探しと周囲の理解」についてのエピソードをご紹介します】

監修: 室伏佑香
東京女子医科大学八千代医療センター 神経小児科
名古屋市立大学大学院 医学研究科 生殖・遺伝医学講座 新生児・小児医学 博士課程
筑波大学医学部卒。国立成育医療研究センターで小児科研修終了後、東京女子医科大学八千代医療センター、国立成育医療研究センター、島田療育センターはちおうじで小児神経診療、発達障害診療の研鑽を積む。
現在は、名古屋市立大学大学院で小児神経分野の研究を行っている。
名古屋市立大学大学院 医学研究科 生殖・遺伝医学講座 新生児・小児医学 博士課程
「もう1回」「ちょっと待って」を「あと◯回」「あと◯分待ってね」に変えてほしいのに……
息子のプロフィール
生真面目で、本来は明るく前向きな息子。小学1年生から薬物療法を開始し、現在はビバンセを使用していますが、小学4年生の頃から、彼の「苦手」はさらに大きな壁となっていきました。
きっかけは、通っていた英語塾でのこと。発音をきれいにするために、先生は何度も「もう1回」と繰り返します。息子にとって、この「もう一回」と「ちょっと待って」という言葉は、終わりが見えず、いつまで待てばいいのか分からない不安を掻き立てるものでした。
入塾時に、苦手な言葉があることを伝え、「あと◯回」「あと◯分待ってね」のように具体的な数字で伝えてほしいとお願いしていました。ですが、対応してもらえなかったため、息子は先の見通しが立たず癇癪を起こすようになってしまいました。
- 年齢:高校2年生(16歳)
- 診断名:ADHD(注意欠如多動症)、ASD(自閉スペクトラム症)
- 診断時期:小学1年生の6月
- エピソード当時の年齢:小学4年生~中学1年生
生真面目で、本来は明るく前向きな息子。小学1年生から薬物療法を開始し、現在はビバンセを使用していますが、小学4年生の頃から、彼の「苦手」はさらに大きな壁となっていきました。
きっかけは、通っていた英語塾でのこと。発音をきれいにするために、先生は何度も「もう1回」と繰り返します。息子にとって、この「もう一回」と「ちょっと待って」という言葉は、終わりが見えず、いつまで待てばいいのか分からない不安を掻き立てるものでした。
入塾時に、苦手な言葉があることを伝え、「あと◯回」「あと◯分待ってね」のように具体的な数字で伝えてほしいとお願いしていました。ですが、対応してもらえなかったため、息子は先の見通しが立たず癇癪を起こすようになってしまいました。
「みんなと違う、別の対応は難しい」理解されない現実と、積み重なる拒絶
何度か塾の先生に、息子への声かけの仕方について説明しました。言葉の使い方を変えるだけで落ち着くことをお伝えしましたが、理解してもらえることはありませんでした。
「みんなと違う、別の対応は難しいです。個別対応を望まれても、生徒は大勢いますので、対応しきれません」
「みんなと違う、別の対応は難しいです。個別対応を望まれても、生徒は大勢いますので、対応しきれません」
もともと息子は『待つ』ことが苦手で、先の見通しが立たなければ不安になってしまいます。塾で「待ってて」と言われ、パニックで癇癪を起こした息子。ついに英語塾から退塾勧告が出されました。
小学6年生で入塾した個人塾でも同じことが起こりました。中学からは特別支援学級に転籍した息子でしたが、学習内容も難しくなって授業についていけず、分からないことを積極的に質問します。しかし、塾長先生からは「あとで説明します」「今、説明したでしょう?聞いていなかったのですか?」と度々注意されました。
先生に説明された内容が分からず質問したことに対し「聞いていなかったのか?」と言われて、息子がパニックをおこし、机をガタガタと揺らして倒してしまいました。塾長先生からは「先生の話が聞けない子は、うちの塾では面倒見きれない」とはっきり言われ退塾勧告。親子とも悲しい思いをしました。
小学6年生で入塾した個人塾でも同じことが起こりました。中学からは特別支援学級に転籍した息子でしたが、学習内容も難しくなって授業についていけず、分からないことを積極的に質問します。しかし、塾長先生からは「あとで説明します」「今、説明したでしょう?聞いていなかったのですか?」と度々注意されました。
先生に説明された内容が分からず質問したことに対し「聞いていなかったのか?」と言われて、息子がパニックをおこし、机をガタガタと揺らして倒してしまいました。塾長先生からは「先生の話が聞けない子は、うちの塾では面倒見きれない」とはっきり言われ退塾勧告。親子とも悲しい思いをしました。
「障害のある子どもは指導の邪魔」と言われた絶望
習い事として始めたサッカーでは、さらに厳しい現実が待っていました。
集団行動の苦手な息子に対して、コーチは「あの子はやる気がない」と言い、全く指導してもらえなくなりました。ほかの生徒がボールを使って練習している間、息子はずっと運動場の外周を走らされていました。これはいじめではないだろうか……とさえ感じました。
そして最終的に、サッカーのコーチや理事長から言われた言葉に、深く傷つくことになりました。
「うちのサッカークラブは『勝つ』ことを目標にしているチーム。息子君のような、障害のある子の相手をする余裕はありません。障害のある子どもは指導はできないので退部してください」
悔しくて、涙が止まりませんでした。
どこに行っても息子の存在を拒否されるばかり。息子の居場所はどこにあるのだろうと途方に暮れました。そんな中、家でも癇癪やパニックは絶えず、母親の私自身が半分壊れてしまっていました。
集団行動の苦手な息子に対して、コーチは「あの子はやる気がない」と言い、全く指導してもらえなくなりました。ほかの生徒がボールを使って練習している間、息子はずっと運動場の外周を走らされていました。これはいじめではないだろうか……とさえ感じました。
そして最終的に、サッカーのコーチや理事長から言われた言葉に、深く傷つくことになりました。
「うちのサッカークラブは『勝つ』ことを目標にしているチーム。息子君のような、障害のある子の相手をする余裕はありません。障害のある子どもは指導はできないので退部してください」
悔しくて、涙が止まりませんでした。
どこに行っても息子の存在を拒否されるばかり。息子の居場所はどこにあるのだろうと途方に暮れました。そんな中、家でも癇癪やパニックは絶えず、母親の私自身が半分壊れてしまっていました。
発達支援施設を探してみませんか?
お近くの施設を発達ナビで探すことができます
