【体験記】同じ特別支援学級でも違いが!?小4自閉症息子、転校で大きく変わった「学びのかたち」
ライター:ゆきみ
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ASD(自閉スペクトラム症)がある長男けんとは転校をきっかけに、特別支援学級での学び方が大きく変わりました。
同じ特別支援学級でも、学校によって支援の仕方や学習スタイルはさまざま。今回は、転校前後で感じた違いや、けんとの成長を通して見えた「学びのかたち」について書かせていただきます。
監修: 初川久美子
臨床心理士・公認心理師
東京都公立学校スクールカウンセラー/発達研修ユニットみつばち
臨床心理士・公認心理師。早稲田大学大学院人間科学研究科修了。在学中よりスクールカウンセリングを学び、臨床心理士資格取得後よりスクールカウンセラーとして勤務。児童精神科医の三木崇弘とともに「発達研修ユニットみつばち」を結成し、教員向け・保護者向け・専門家向け研修・講演講師も行っている。都内公立教育相談室にて教育相談員兼務。
東京都公立学校スクールカウンセラー/発達研修ユニットみつばち
交流学級で授業を受けることがあった転校前
長男けんとは、3歳のときにASD(自閉スペクトラム症)の診断を受け、現在は小学4年生。構音障害があり、集団行動が苦手、数字が大好きな男の子です。小学4年の春、夫の転勤に伴い転校しました。
転校前の特別支援学級は、情緒クラスと知的クラスに分かれており、情緒クラスでは交流学級と同じ学習内容・スピードで授業が行われていました。そして知的クラスでは、それぞれのお子さんのペースに合わせた学習が進められていました。
転校前の特別支援学級は、情緒クラスと知的クラスに分かれており、情緒クラスでは交流学級と同じ学習内容・スピードで授業が行われていました。そして知的クラスでは、それぞれのお子さんのペースに合わせた学習が進められていました。
けんとは情緒クラスに在籍しており、国語と算数の授業は特別支援学級で、理科・社会・体育などは交流学級で授業を受けていたようです。交流学級での授業の際には、担任の先生またはサポートの先生が付き添ってくださいました。
けんとは感覚過敏があり、大きな音が苦手です。そのため、音楽の授業はその日の体調や内容に応じて、交流学級または特別支援学級のどちらに参加するかを選ぶこともあったようです。
特別支援学級の在籍人数が少なく、サポートの先生がいたこともあり、年度によって多少の違いはありましたが、交流学級と行ったりきたりしながらも、一人ひとりの特性に合わせた学びを比較的しやすい環境だったように感じます。
けんとは感覚過敏があり、大きな音が苦手です。そのため、音楽の授業はその日の体調や内容に応じて、交流学級または特別支援学級のどちらに参加するかを選ぶこともあったようです。
特別支援学級の在籍人数が少なく、サポートの先生がいたこともあり、年度によって多少の違いはありましたが、交流学級と行ったりきたりしながらも、一人ひとりの特性に合わせた学びを比較的しやすい環境だったように感じます。
交流学級での学習はなくなった転校後
「新しい学校ではどんな学びをするのだろう」とドキドキしながら転校した私たち。
新しい小学校はマンモス校で、特別支援学級にも多くの児童が在籍していました。基本的には特別支援学級で学習します。交流学級で授業を受けるには「立ち歩かないこと」「授業のペースを乱さないこと」「時間になったら自分で教室を行き来すること」など、いくつかのルールがあります。
けんとは学ぶことが大好きで、興味のある授業には集中して取り組みますが、気になることがあると衝動的に動いてしまったり、予定の変更に戸惑ったりすることもあります。そのため、現状では交流学級での学習に参加する機会はほとんどありません。
新しい学校の特別支援学級は、情緒クラスと知的クラスが一緒になっていて、国語や算数は個々のペースに合わせたプリント学習が中心です。図工の授業が多く、指先を使う活動を重視し、体育とは別に体を動かす「トレーニング」の時間もあります。さらに、休日の出来事を発表する授業もあり、転校前にはなかった新しい学びがあります。社会や理科の授業は少なく、ルールを守れるお子さんは交流学級で学習することもあるようです。
同じ「特別支援学級」でも、学校や地域によって支援の形が大きく違っていたので、けんとだけでなく私自身も最初は戸惑いました。
新しい小学校はマンモス校で、特別支援学級にも多くの児童が在籍していました。基本的には特別支援学級で学習します。交流学級で授業を受けるには「立ち歩かないこと」「授業のペースを乱さないこと」「時間になったら自分で教室を行き来すること」など、いくつかのルールがあります。
けんとは学ぶことが大好きで、興味のある授業には集中して取り組みますが、気になることがあると衝動的に動いてしまったり、予定の変更に戸惑ったりすることもあります。そのため、現状では交流学級での学習に参加する機会はほとんどありません。
新しい学校の特別支援学級は、情緒クラスと知的クラスが一緒になっていて、国語や算数は個々のペースに合わせたプリント学習が中心です。図工の授業が多く、指先を使う活動を重視し、体育とは別に体を動かす「トレーニング」の時間もあります。さらに、休日の出来事を発表する授業もあり、転校前にはなかった新しい学びがあります。社会や理科の授業は少なく、ルールを守れるお子さんは交流学級で学習することもあるようです。
同じ「特別支援学級」でも、学校や地域によって支援の形が大きく違っていたので、けんとだけでなく私自身も最初は戸惑いました。
学習の理解度は?不安に思い相談……
プリント学習中心の授業を見て、「交流学級のペースと同じ内容を、同じスピードで理解できているのだろうか?」と、ふと不安になりました。
特に、わが家は転勤族です。いつ転校するかは正直分かりません。もし、単元ごとの勉強を理解していないまま転校することになったら、勉強についていけなかったり、やり逃している範囲があったりするのではないかと心配になりました。
特に、わが家は転勤族です。いつ転校するかは正直分かりません。もし、単元ごとの勉強を理解していないまま転校することになったら、勉強についていけなかったり、やり逃している範囲があったりするのではないかと心配になりました。
そこで春の懇談の時に、思い切って担任の先生に相談してみました。すると、「けんとくんの場合は、教科書とプリント学習を中心に進めながら、交流学級と同じ単元ごとのテストを受けましょう」と提案してくださいました。テストを通して理解度を確認しながら、学習を進めてくださるとのこと。
「その子のペースで学ぶ」というのは、人数が多いほどとても難しい問題だと思います。新しい学校の特別支援学級には多くの子どもたちが在籍している中で、1人ひとりに合わせた学び方を考えてくださる先生の対応に、感謝の気持ちでいっぱいになりました。
「その子のペースで学ぶ」というのは、人数が多いほどとても難しい問題だと思います。新しい学校の特別支援学級には多くの子どもたちが在籍している中で、1人ひとりに合わせた学び方を考えてくださる先生の対応に、感謝の気持ちでいっぱいになりました。
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