【実体験】そのイライラは思春期?副作用?アトモキセチンとビバンセ、高1ADHD息子と服薬治療との「付き合い方」

ライター:丸山さとこ
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ADHD(注意欠如多動症)治療薬を服用し始めて7年。小学生だった息子は高校生になり、薬との向き合い方も少しずつ変わってきました。2種類のADHD(注意欠如多動症)治療薬を試した経験から見えてきた、わが家なりの選択の話です。

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監修: 室伏佑香
東京女子医科大学八千代医療センター 神経小児科
名古屋市立大学大学院 医学研究科 生殖・遺伝医学講座 新生児・小児医学 博士課程
筑波大学医学部卒。国立成育医療研究センターで小児科研修終了後、東京女子医科大学八千代医療センター、国立成育医療研究センター、島田療育センターはちおうじで小児神経診療、発達障害診療の研鑽を積む。 現在は、名古屋市立大学大学院で小児神経分野の研究を行っている。

コウがADHD(注意欠如多動症)治療薬を服用し始めて7年がたちました

息子のコウは、ADHD(注意欠如多動症)治療薬を服用しています。メリットとデメリットを天秤にかけながら続けています
息子のコウは、ADHD(注意欠如多動症)治療薬を服用しています。メリットとデメリットを天秤にかけながら続けています
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小学生から続く、薬との付き合い

神経発達症(発達障害)がある息子のコウは、小学4年生の頃からADHD(注意欠如多動症)治療薬であるアトモキセチンを服用しています。体重に合わせて少しずつ調整しながら、高校生になった今も服用を続けています。

アトモキセチンは、比較的穏やかに効く薬と言われることが多いようですが、コウの場合は飲み忘れがすぐに分かるほど、はっきりとした変化が見られました。注意散漫さが少し和らぐことに加えて、忘れていたことを指摘された時の、「あっ、そうだった!」「えっ……何!?」というような『反射的に驚く場面』や、それに伴う混乱が減ったのです。

一見すると地味な変化ですが、負荷が下がることでパニックも減り、結果的にASD(自閉スペクトラム症)の特性も和らいでいるように感じました。

(※息子個人の体験談であり、ADHD(注意欠如多動症)治療薬がASD(自閉スペクトラム症)に直接作用するという意味ではありません)

メリットとデメリットを天秤にかけながら

もちろん、良いことばかりではありません。体調によっては悪心などの副反応が出やすい時期もありました。

それでも、基本的には食欲もあり、何よりコウ自身が「薬を飲んでいたほうが楽」と言っていたため、メリットとデメリットを天秤にかけたうえで、服用を継続してきました。

アトモキセチン以外の薬も試してみるべき?

受験期に浮上した、別の選択肢

高校受験期が近づいた頃、ほかのADHD(注意欠如多動症)治療薬についても検討したことがあります。そのきっかけは、「受験後にコンサータの服用を開始し、受験期にこれがあれば志望校を変えられたかもしれないと思った」という、当事者の方のエピソードを聞いたことでした。

その話をコウにも共有し、話し合うと、彼は「今の自分で、自分なりのバランスはとれていると思う」と言いました。そのうえで「当面はアトモキセチンだけでいきたい」と希望したため、引き続き、体重に合わせた増量のみ行うことになりました。

高校入学後、ビバンセを試してみることに

ビバンセは、2025年12月時点では原則として成人への処方はされていません。18歳未満で服用を開始し、治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合に限り、医師の判断で18歳以降も慎重に継続されるケースがあります。
コウは診察室にて、医師に「合うかどうかを一度試してみたい」と希望を伝えました
コウは診察室にて、医師に「合うかどうかを一度試してみたい」と希望を伝えました
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医師からは成人後を見据えてコンサータを勧められましたが、コウは、まずは少量のビバンセを試してみたいと希望しました。

「効果の立ち上がりや切れ方が穏やかなほうがいい」「依存リスクが少ないと聞いた」などの理由を医師に伝えた結果、アトモキセチンに加えて、少量のビバンセを併用することになりました。

服用を続けるか迷った理由

それは思春期?それとも副作用?

そうして開始したビバンセですが、コウは現在服用をやめています。メリットよりもデメリットのほうが目立ってしまったためです。

それでも2か月ほど服用を続けたのには理由がありました。ひとつは、効果が安定するかどうかを見極めたかったこと。もうひとつは、「好ましくない副効果なのかどうか判断がつきにくい症状」が出ていたからです。

判断が難しかった症状――それは、『イライラし、攻撃的な態度が増えたこと』でした。


それがビバンセの副作用だったのか、年齢相応の自然な変化だったのか……正直なところ、私には今でもはっきり区別することはできません。認知能力が上がったことで、親の鬱陶しさに気づいただけだった可能性もあります。それはそれで、成長だったとも言えるでしょう。
薬の副作用ではなく、成長による自然な変化の可能性もあり……どう捉えるべきか迷いました
薬の副作用ではなく、成長による自然な変化の可能性もあり……どう捉えるべきか迷いました
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コウによると、ビバンセを服用している間は「ずっと神経が過敏な状態が続いている感じ」があり、その疲れから薄いイライラ感が続いていたそうです。
(ただ、それは後から振り返って分かることであり、服用中にイライラしている自覚はなかったそうです)

やめる決め手になったのは、本人の言葉

それでも服用をやめることを決めた最大の理由は、コウ自身が「やめたほうがいいかも」と言い出したことでした。

学校でも「余計な一言を言ってしまったな」と思う場面が増えていたそうで、「親への反抗だけならまだしも、友人関係が拗れるのは後で尾を引くのでは……」と、聞いていて少し心配になりました。
コウの外出中や就寝中に、コウの服薬について、夫と情報共有したりしていました
コウの外出中や就寝中に、コウの服薬について、夫と情報共有したりしていました
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また、実行機能の向上などの明確なメリットは感じられなかったそうです。私たち親から見ても、宿題や時間管理、気持ちの切り替えに大きな変化は見られませんでした。
それらを踏まえて改めて話し合い、ビバンセの服用を中止することにしました。

苛立ちや反抗的な態度が、年齢相応の成長であり、好ましい変化だった可能性も否定はできません。だからこそ判断にはかなり迷いましたが、『コウ本人がつらさを感じていること』を最優先して考えた結論になりました。
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