【発達障害と習い事】「続けなさい」は逆効果?感覚過敏・DCDの私「できて当たり前」に傷ついた子ども時代

ライター:宇樹義子
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出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=11100143743

ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、複雑性PTSD(心的外傷後ストレス症)の、45歳の私。子どもだったのはもう30年以上前。発達障害の知識は一般に普及していませんでした。通った習い事も当時のいわゆる「普通」のもので、私にはつらいことが多かったです。

今回は、そんな幼少時の習い事のこと、いま思うことについてお伝えします。

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監修: 鈴木直光
筑波こどものこころクリニック院長
1959年東京都生まれ。1985年秋田大学医学部卒。在学中YMCAキャンプリーダーで初めて自閉症児に出会う。同年東京医科歯科大学小児科入局。 1987〜88年、瀬川小児神経学クリニックで自閉症と神経学を学び、栃木県県南健康福祉センターの発達相談で数々の発達障がい児と出会う。2011年、茨城県つくば市に筑波こどものこころクリニック開院。

子ども時代の習い事はつらいものが多かった

習い事がつらかった理由

子ども時代の習い事は私にとっての「学校」と同じで、つらいと感じるものがほとんどでした。

いま思えば、一般的な環境が合わない私が「公立小学校の通常学級」に通っていたのとまったく同じように「一般的な習い事」に通っていたのですから、合わなくてつらかったのは当たり前だなあ、と。

単純なドリルを繰り返すだけの塾は退屈。どうやってズルして楽するかばっかり覚えました。

ピアノは、先生も私を「ただのだらしない子」と思っていたので、毎回練習をしていかない私に毎回怒るだけで、結局練習の習慣もピアノの技術も身につかず。いまだに譜面も読めず、カナをふっている始末です。

泳げないからと放り込まれた水泳教室もつらかった。これがいちばんつらかった!詳細は後述します。

「自分から言い出したんだから続けなさい」の呪い

ピアノは「人気のある女の子で通っている子が多い」「教本を持ち歩いてるのがかっこよく見えた」みたいな漠然とした憧れで自分から希望しました。

けれど、ピアノはコツコツとした練習が必須の習い事。ADHD(注意欠如多動症)の私が特別なサポートなしにコツコツ練習するなんてできるはずがなく……上手にならない、練習は面倒→ つまらない→ すぐに飽きました。

けれど、両親からは「自分から言い出して始めたことは責任持ってやり続けなさい」と言われてしまい……。6年生になって中学受験の準備を始める時まで、何年もの間嫌々通い続けました。身体もきついし、楽しくないし、上手にもならないし、ただ叱られないためだけに通った数年間。

「始めたことを簡単にやめることを許すと『やめぐせがついて甘えた子になる』から、ともかくやめさせない」みたいな教育方針、今でもまだあるようですが、私はよくないのではと思っています。

特につらかったのは水泳

最もつらかったのは、「水に顔もつけられないようじゃダメだ、特訓してクロールぐらいはできるようになれ」と放り込まれた水泳教室です。

環境刺激の問題

いま思えば、感覚過敏があった私には、ウワンウワンと音の反響する室内プールは合っていませんでした。すごく疲れるし、説明もぜんぜん聞こえない。

筋肉も脂肪も少なくヒョロヒョロで小柄、特定のスポーツに取り組む前提となる体力自体が不足していたうえ、敏感肌で皮膚も乾燥しやすかった私には、プールに浸かって運動する肉体的な負担も相当なものでした。塩素のニオイも嫌だったなー。

学校に通うだけでぐったりなのに、水泳教室を終えるともう立ち上がるのも億劫なほど、身体は冷え、皮膚はカサカサして痒くなる。耳の中には水が入っていてボヨンボヨン音がして不快。もう泣きそうでした。

教室の内容自体が合っていなかった問題

そもそも泳げなかったのは、私の複数の障害特性が組み合わさった非常に解決の難しい問題で、単純な普通の反復練習とか「気合い」とかでどうにかなるものではありませんでした。

たとえば「水が怖い」感覚には、もともとの感覚過敏に、恐怖を助長し固着させるさまざまなトラウマが関わっていました。おそらく当時すでにトラウマ治療が必要な状態。

泳ぐ動作の訓練面でも、私にはDCD(発達性協調運動症)があり、日常生活の動作や姿勢の保持さえうまくできていなかったため、普通の指導では到底カバーできるものではありませんでした。PT(理学療法士)、OT(作業療法士)など、専門的な介入が必要だったと思います。

いくら練習しても、クロールでも平泳ぎでもどんどん沈んでいくし、先生もお手上げ。困り果てた顔で何度も「なんでできないの?」って訊かれましたが、こっちが聞きたかったです(泣)。

「身体活動の開拓」が必要だったのかも

私は当時、「学校の成績が極端にいい」という点だけに着目され、両親から「このまま学業面をどんどん伸ばせば将来はエリート!」と思われていました。

両親からの期待とプレッシャーをひしひしと感じた私は、進学塾に入って中学受験→ 中高一貫の進学校→ 難関大学受験 というレールだけを必死に走ってしまった。

でももし当時、誰かが私の発達障害特性に気づいてくれていたなら、きっと「身体を動かす/身体を使う」習い事や訓練を勧めたでしょう。

だって、私は「身体を動かす/身体を使う」のがとても苦手で、その練習の機会もまったくとらず、家で座って頭を使うことしかしていなかったから。
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