怒りで支配する子育てを卒業。ペアトレで学んだ、発達障害息子に言葉を届ける「CCQ」とは【読者体験談】

ライター:ユーザー体験談
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「どうして言うことが聞けないんだ!」と声を荒らげ、怒りで息子をコントロールしようとしていたかつての私。息子はそんな私を避け、家の中は常にピリピリとした緊張感に包まれていました。
【発達ナビではユーザーさんからの子育てエピソードを募集中!今回は「父親自身の対応を変えるきっかけになったペアレントトレーニング」についてのエピソードをご紹介します。】

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監修: 井上雅彦
鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授
LITALICO研究所 スペシャルアドバイザー
ABA(応用行動分析学)をベースにエビデンスに基づく臨床心理学を目指し活動。対象は主に自閉スペクトラム症や発達障害のある人たちとその家族で、支援のためのさまざまなプログラムを開発している。

鏡のように似てしまった、息子と私の「怒り」

この記事で分かること

  • 感情的に怒鳴ることで子どもをコントロールしようとする悪循環から抜け出すヒント
  • ASD(自閉スペクトラム症)やADHD(注意欠如多動症)の特性を持つ子への具体的な声掛け技術「CCQ」
  • ペアレントトレーニングの「ロールプレイング」を通じて気づく、子どもの本当の気持ち
  • 「子どもを変える」のではなく「親の関わり方」を変えることで、家族の間に穏やかな時間が戻るプロセス
  • 父親が一人で育児の悩みを抱え込まず、外部の支援を賢く活用する大切さ

お子さんのプロフィール

  • 年齢:11歳
  • 性別:男の子
  • 診断内容:ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)
  • 診断時期:8歳
  • エピソード当時の年齢:9歳
息子が小学3年生の頃、私と息子の関係は非常に険悪なものでした。息子は落ち着きがなく、めんどくさがりな性格で、やりたくないことは頑として拒否。思い通りにならないことがあると怒り出し、その怒りを理不尽に私へ向けてきます。そんな息子に対して私もついカッとなり、怒りで息子を動かそう、コントロールしようとしていたのです。

「怒りで人は動かせない」と教えたいはずなのに、自分自身が感情のコントロールができず、すぐに怒り、物に当たり、時には子どもにも当たってしまうこともありました。そんな私の振る舞いは、息子にとって「悪い見本」そのものでした。

「2人きりにはしておけない」妻の言葉に危機感を募らせて

客観的に家庭内を見てみると、妻の対応には何の問題もありませんでした。私と息子が一緒にいると必ずトラブルが起き、それを見かねた妻から「心配で2人だけにしておけない」と言われるほどでした。
「心配で2人だけにしておけない」と言われるほどでした
「心配で2人だけにしておけない」と言われるほどでした
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週末、息子と一緒に過ごしていてもお互いにイライラが募るばかり。「それならいっそ、私は家にいないほうがいいのではないか」とまで感じていました。

このままでは親子関係は修復不能になってしまう。この時になってようやく私は、「最優先で取り組むべきことは、息子を変えることではなく『私自身を変えること』だ」と思い至ったのです。私は、自治体が開催している「ペアレントトレーニング(ペアトレ)」と「ペアレントプログラム(ペアプロ)」を受講することを決めました。平日の開催だったため仕事を休む必要がありましたが、当時は「今の自分を変えるきっかけがほしい」という一心でした。

子ども役を演じて知った、反発したくなる親の態度

講習では、親役と子ども役の両方を体験するロールプレイングが行われました。私が子ども役を演じた時、親役の方から投げかけられる言葉に対して、心の中に湧き上がったのは意外な感情でした。「その言い方は嫌だな」という不快感や、「今やろうとしているのに!」という反発。あるいは、大人の反応が面白くて「もっとふざけてやろうかな」という、わざと困らせたくなるような気持ち……。「これこそが、息子の感じていたことだったのか」と、私は愕然としました。このままの接し方を続けていたら、息子が大きくなった時に私の言葉がまったく届かなくなり、親としての信頼を完全に失ってしまうのではないか、と気づかされたのです。

そこで学んだのが、「CCQ」という具体的な手法でした。
  • Calm(おだやかに)
  • Close(近づいて)
  • Quiet(静かに)
遠くから大きな声で指示を出すのではなく、近くへ行き、穏やかに、静かな声で伝える。家庭で実践してみると、驚くほどすっと言葉が息子に届く感覚がありました。「話が伝わるようになった」という確かな手応えを掴んだ瞬間でした。
「話が伝わるようになった」という確かな手応えを掴んだ瞬間
「話が伝わるようになった」という確かな手応えを掴んだ瞬間
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