【当事者体験】学校や職場の環境調整は「引き算」で楽になる!スマホで作る自分説明書の項目と暗黙のルール攻略法
ライター:くろまる
都内で猫と一緒に暮らしているくろまるです。幼少期から凸凹があり生きづらさを感じていて大学時代に双極性障害(双極症)を発症。ひきこもりと就労移行支援を経て就職し、現在はWEBライターと支援員をしています。今回のテーマは特性や配慮の伝え方。学校や職場など環境が変わった際の情報共有についてお伝えします!
監修: 鈴木直光
筑波こどものこころクリニック院長
1959年東京都生まれ。1985年秋田大学医学部卒。在学中YMCAキャンプリーダーで初めて自閉症児に出会う。同年東京医科歯科大学小児科入局。
1987〜88年、瀬川小児神経学クリニックで自閉症と神経学を学び、栃木県県南健康福祉センターの発達相談で数々の発達障がい児と出会う。2011年、茨城県つくば市に筑波こどものこころクリニック開院。
自分なりの形を作る
環境が変わったときに特性や配慮を伝えるのっていつも悩みます。ずっとうまくできませんでした。正直、話し合って調整するということ自体が非常に難しいと思っています。
新しい環境だと確実なものが少なく、事前面談でも「この状況ならこう」とか「もし〇〇なら△△」みたいな話ばかりで混乱してしまいます。双方持っている情報が違うし、具体的な状況も分からないのに、適切な配慮なんて考えられるわけないじゃんと感じています。なんというか、「暗算で連立方程式を解け」と言われているみたいです。
それに結局いざ新しい環境に飛び込んだら、事前の話と違ってまた調整が必要になるなんてことも多々ありました。
こんな感じで情報共有がうまくいかずに環境に適応できなかったり、逆に過剰に適応して消耗してしまったりを繰り返した結果、自分なりの形を作ることができたので紹介していきます。
新しい環境だと確実なものが少なく、事前面談でも「この状況ならこう」とか「もし〇〇なら△△」みたいな話ばかりで混乱してしまいます。双方持っている情報が違うし、具体的な状況も分からないのに、適切な配慮なんて考えられるわけないじゃんと感じています。なんというか、「暗算で連立方程式を解け」と言われているみたいです。
それに結局いざ新しい環境に飛び込んだら、事前の話と違ってまた調整が必要になるなんてことも多々ありました。
こんな感じで情報共有がうまくいかずに環境に適応できなかったり、逆に過剰に適応して消耗してしまったりを繰り返した結果、自分なりの形を作ることができたので紹介していきます。
全部作って引いていく
自分なりの形とは「全部作って引いていく」というもの。先ほどまだ見ぬ環境への話し合いは暗算で連立方程式を解くようなものと書きましたが、それをシンプルな式にするという感じです。
使うのはいわゆる「自分説明書」です。特性や配慮点などをまとめたシートのことで、配慮点という大項目の中に、「通学」「対人関係」「指示理解」「使用しているツール」などの小項目があって、それぞれに困ることや対処法などを記載していくというものです。
具体的にはまず自分が配慮点を網羅したものを作成し、それを担当者(先生とか上司とか)に見てもらって必要なさそうな項目は消していく、といった流れで使っていきます。
自分で100を作っておき、そこから引き算するというイメージです。個人的にはこの順番が大事です。まず自分(たち)で形を作って、そこから相談しながら引いていく。こうすると計算が一方向だけなので格段に気持ちが楽になります。
例えば「通学」という項目で電車移動への配慮が書いてあったとして、その学校が徒歩で行けるなら必要ないので消します。
ほかにも「使用しているツール」という項目の場合は、使いたいツールを全部書いておき、その環境で使っていいものを残してほかは消すといった感じで使っています。これを繰り返していきます。この方法で連立方程式から引き算だけになり、話も早くなり精神的にも楽になりました。
使うのはいわゆる「自分説明書」です。特性や配慮点などをまとめたシートのことで、配慮点という大項目の中に、「通学」「対人関係」「指示理解」「使用しているツール」などの小項目があって、それぞれに困ることや対処法などを記載していくというものです。
具体的にはまず自分が配慮点を網羅したものを作成し、それを担当者(先生とか上司とか)に見てもらって必要なさそうな項目は消していく、といった流れで使っていきます。
自分で100を作っておき、そこから引き算するというイメージです。個人的にはこの順番が大事です。まず自分(たち)で形を作って、そこから相談しながら引いていく。こうすると計算が一方向だけなので格段に気持ちが楽になります。
例えば「通学」という項目で電車移動への配慮が書いてあったとして、その学校が徒歩で行けるなら必要ないので消します。
ほかにも「使用しているツール」という項目の場合は、使いたいツールを全部書いておき、その環境で使っていいものを残してほかは消すといった感じで使っています。これを繰り返していきます。この方法で連立方程式から引き算だけになり、話も早くなり精神的にも楽になりました。
消すのではなく非表示
先ほど必要のない項目は消すと書きましたが、実際は「非表示」にする感じです。状況は変わりますからね、一旦見えなくしても必要になったら再表示させていくイメージで運用します。
先ほどの「通学」の例で言うと、徒歩で通学できるため項目を非表示にしていたが、引っ越して電車通学になったので再表示させる、みたいな感じです。また、修学旅行などのタイミングでも一時的に表示させることもあります。
こういった場合でも、最初に用意しているので新たに考える必要はありません。これは足し算ですね。多少の手間はかかりますが、連立方程式よりはまだ全然シンプルです。
大きく作って引いていく。必要になったら再表示。引き算と足し算だけ。このパターンを覚えてからは新しい環境も怖くなくなりました。
まあ、実際は細かい調整も必要ですし、自分も環境も変化していくため見直しも必要ですけどね。形とパターンがあるだけで、負担感はずいぶん減りました。
先ほどの「通学」の例で言うと、徒歩で通学できるため項目を非表示にしていたが、引っ越して電車通学になったので再表示させる、みたいな感じです。また、修学旅行などのタイミングでも一時的に表示させることもあります。
こういった場合でも、最初に用意しているので新たに考える必要はありません。これは足し算ですね。多少の手間はかかりますが、連立方程式よりはまだ全然シンプルです。
大きく作って引いていく。必要になったら再表示。引き算と足し算だけ。このパターンを覚えてからは新しい環境も怖くなくなりました。
まあ、実際は細かい調整も必要ですし、自分も環境も変化していくため見直しも必要ですけどね。形とパターンがあるだけで、負担感はずいぶん減りました。
自分説明書の項目とメリット
自分説明書に書いている配慮点を紹介していきます。WEBで探しても似たようなフォーマットはたくさんあると思います。
私の場合はスマホのメモアプリに項目を作って日々気づいたことをメモしておき、環境が変わる前などのタイミングでパソコンにまとめています。具体的な項目は、
これらの項目ごとに枠を作り、その中に特性や配慮点などの内容を書いていきます。あとで消すことを考えて箇条書きにしています。ほかの項目と内容が被っても気にせず書きます。とにかく全部作ってあとで消せばいいという意識です。
私の場合はスマホのメモアプリに項目を作って日々気づいたことをメモしておき、環境が変わる前などのタイミングでパソコンにまとめています。具体的な項目は、
- 通学(通勤)
- 対人関係
- 感覚過敏
- 認知特性
- 集中力
- 予定管理
- 指示理解
- 環境
- 学習(教科)
- 使用しているツール
- 服薬、通院
- 体調変化の要因
これらの項目ごとに枠を作り、その中に特性や配慮点などの内容を書いていきます。あとで消すことを考えて箇条書きにしています。ほかの項目と内容が被っても気にせず書きます。とにかく全部作ってあとで消せばいいという意識です。
メリット
自分説明書を作っていて感じたメリットもたくさんありました。
例えば、
・作っていく中で自己理解が深まる
・使い回しができる
・形があるという安心感
なんかがあります。
まずは作ること自体が自己理解につながっていく点です。普段漠然と考えていることも文字にする過程で明確になっていくのを感じました。
それに、一度作ってしまえば(多少の修正をしつつ)使い回しができるのも気に入っています。定期的な変化(クラス替えなど)はもちろん、急に担当者が変わるといったトラブルにも対応しやすくなります。
そして、私にとっては形があるということが安心感につながっています。新しい環境は事前に把握することができなくても、自分の形は作ることができるということが精神的な支えとなっています。
例えば、
・作っていく中で自己理解が深まる
・使い回しができる
・形があるという安心感
なんかがあります。
まずは作ること自体が自己理解につながっていく点です。普段漠然と考えていることも文字にする過程で明確になっていくのを感じました。
それに、一度作ってしまえば(多少の修正をしつつ)使い回しができるのも気に入っています。定期的な変化(クラス替えなど)はもちろん、急に担当者が変わるといったトラブルにも対応しやすくなります。
そして、私にとっては形があるということが安心感につながっています。新しい環境は事前に把握することができなくても、自分の形は作ることができるということが精神的な支えとなっています。
暗黙のルールにも応用が効く
余談になりますが、形を作って足し引きしていく、というパターンは暗黙のルールにも応用できると感じています。
暗黙のルール、ありますよね。どの環境にも。そしてそれに適応するのが本当に大変で。新しい環境って配慮点など公式のものだけでなく、暗黙のルールという非公式なものにも対応していくことが必要となります。
暗黙のルールはいろいろありますが、ここでは携帯電話の使用についてを例に紹介します。私の時代はいわゆるガラケーでしたが、なんというか「一応禁止だけど実際はみんな持っているよね」といった時期でした。現実にルールが追いついておらず、暗黙のルール化している状態。こういう状況が一番苦手です。ルールを厳密に守っていたら仲間に入れないし、かといっていい塩梅が分からない。
こういうときに、パターンを使います。暗黙のルールについては「間違いのないもの」から始めて「一段階ずつ」調整していきました。
今回の例で間違いのないものは「持っていかないこと」なので、まずは学校に持っていかずに様子を見ながら、電源を切ってバッグに入れる→放課後だけ電源を入れる→休み時間も電源を入れる→電源を入れっぱなしにする、といった形で使用範囲を広げていきました。
まずは間違いのない形を作って、段階を踏んで調節する。今回だと一段階ずつ試し、クラスメイトや先生の反応を見て次の段階に進むか、一段階戻るか判断するという方法です。こうするとあいまいだったものに手触りができて、調節しやすくなりました。実際私はこのやり方でさまざまな「空気」を乗り切ってきました。
暗黙のルール、ありますよね。どの環境にも。そしてそれに適応するのが本当に大変で。新しい環境って配慮点など公式のものだけでなく、暗黙のルールという非公式なものにも対応していくことが必要となります。
暗黙のルールはいろいろありますが、ここでは携帯電話の使用についてを例に紹介します。私の時代はいわゆるガラケーでしたが、なんというか「一応禁止だけど実際はみんな持っているよね」といった時期でした。現実にルールが追いついておらず、暗黙のルール化している状態。こういう状況が一番苦手です。ルールを厳密に守っていたら仲間に入れないし、かといっていい塩梅が分からない。
こういうときに、パターンを使います。暗黙のルールについては「間違いのないもの」から始めて「一段階ずつ」調整していきました。
今回の例で間違いのないものは「持っていかないこと」なので、まずは学校に持っていかずに様子を見ながら、電源を切ってバッグに入れる→放課後だけ電源を入れる→休み時間も電源を入れる→電源を入れっぱなしにする、といった形で使用範囲を広げていきました。
まずは間違いのない形を作って、段階を踏んで調節する。今回だと一段階ずつ試し、クラスメイトや先生の反応を見て次の段階に進むか、一段階戻るか判断するという方法です。こうするとあいまいだったものに手触りができて、調節しやすくなりました。実際私はこのやり方でさまざまな「空気」を乗り切ってきました。
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