【体験談】1歳児健診は「様子見」。その後どんどん育てにくく…手繋ぎ・ベビーカー拒否、奇声に悩んだ日々を振り返って
ライター:まるたおかめ
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1歳児健診で「様子見」と言われ、心理士さんからは「今までの関わり方と変えなくて大丈夫」と言われたのに、日に日に育てにくさが出てきた息子。今回はその時の様子をコラムにしてお伝えできればと思います。
監修: 新美妙美
信州大学医学部子どものこころの発達医学教室 特任助教
2003年信州大学医学部卒業。小児科医師として、小児神経、発達分野を中心に県内の病院で勤務。2010年信州大学精神科・子どものこころ診療部で研修。以降は発達障害、心身症、不登校支援の診療を大学病院及び一般病院専門外来で行っている。グループSST、ペアレントトレーニング、視覚支援を学ぶ保護者向けグループ講座を主催し、特に発達障害・不登校の親支援に力を入れている。
多様な子育てを応援するアプリ「のびのびトイロ」の制作スタッフ。
1歳児健診で大丈夫と言われたのに…
1歳児健診で心理士さんから「様子見で大丈夫」と言われて安心できると思っていたら、どんどん息子の育てにくさが出てきてしまうのでした。
その一つが「とにかく自分で歩きたがる」です。
その一つが「とにかく自分で歩きたがる」です。
1歳を過ぎてどんどん自分で歩けるようになっていきました。
靴を履いて公園をお散歩したり、近くのスーパーまで歩いて行ってみたり、外でも怖がることなくたくさん歩きました。ところが上手に歩けるようになってくると、手を繋ぐことを嫌がるようになってしまいました。
靴を履いて公園をお散歩したり、近くのスーパーまで歩いて行ってみたり、外でも怖がることなくたくさん歩きました。ところが上手に歩けるようになってくると、手を繋ぐことを嫌がるようになってしまいました。
手を繋ごうとすると激しく泣いて嫌がります。その場に突っ伏したり、寝転んで泣き喚くこともありました。それでも安全のためには手を繋いでもらわないと困るので、そうなったら家まで担いで逃げるように帰る、みたいな日々を過ごしていました。
それならとベビーカーで移動を試みたけど、見事玉砕
手を繋げないなら歩くのはやめようと思って、ベビーカー移動を積極的に取り入れてみることにしたのですが……
そもそもベビーカーに乗ってくれないのです。泣いて喚いて暴れて嫌がる息子を押さえながらベルトを締めてお出かけしていました。
そもそもベビーカーに乗ってくれないのです。泣いて喚いて暴れて嫌がる息子を押さえながらベルトを締めてお出かけしていました。
ベビーカーにすんなり乗ってくれることはほぼ無く、嫌がる息子を騙し騙し乗せて移動するのが当たり前でした。当時は狭いのが嫌なのかな?と思っていましたが、今思えば息子なりの感覚過敏的なことだったのかもしれません。
ただ抱っこは平気だったので、まさかそんな理由だなんて思ってもみませんでした。ちなみに抱っこ紐もあまり得意なタイプではなく、抱っこするとピンと腕を伸ばして嫌がったり泣いたりもしていたので、もしかしたら固定されるのが苦手だったのかもしれません。
ただ抱っこは平気だったので、まさかそんな理由だなんて思ってもみませんでした。ちなみに抱っこ紐もあまり得意なタイプではなく、抱っこするとピンと腕を伸ばして嫌がったり泣いたりもしていたので、もしかしたら固定されるのが苦手だったのかもしれません。
嫌がる息子に根負けしてベビーカーから降ろすと、さっきまでの癇癪が嘘のようにケロッとしてまた歩き出すので本当に不思議でした。
公園で歩きたいスイッチが入ると、1時間以上ひたすら歩いてました。花を見たり落ち葉を拾ったりしながら楽しそうにとにかく歩く!私は後ろから無人のベビーカーを押してついていくだけ(笑)
でも本人は楽しそうにしてるんですよね。私の方が先に音を上げて嫌がる息子を片腕に抱えて、もう片方の手でベビーカーを抱えて逃げるように帰宅する日もたくさんありました。
公園で歩きたいスイッチが入ると、1時間以上ひたすら歩いてました。花を見たり落ち葉を拾ったりしながら楽しそうにとにかく歩く!私は後ろから無人のベビーカーを押してついていくだけ(笑)
でも本人は楽しそうにしてるんですよね。私の方が先に音を上げて嫌がる息子を片腕に抱えて、もう片方の手でベビーカーを抱えて逃げるように帰宅する日もたくさんありました。
もう一つの悩みの種
手繋ぎ拒否、ベビーカー拒否に悩んでいたら、新たな悩みが……。それが「奇声」です。
楽しい時に声を上げる、というよりも奇声そのものを楽しんでいるような時期がありました。場所を選ばず急に「キャー!」と叫ぶんです。
楽しい時に声を上げる、というよりも奇声そのものを楽しんでいるような時期がありました。場所を選ばず急に「キャー!」と叫ぶんです。
公園や児童館、ショッピングモール、デパート、スーパー、電車……本当に場所や時は関係なくて、急に叫ぶので本当に困りました。周りの目がとにかく気になるし、視線は痛いしでかなりメンタルがやられていたように思います。
息子が叫ぶたびに「ダメだよ」「静かにしようね」と声はかけますが、当然通じませんしやめてくれることはなく……ただ逃げるようにその場を離れるしかできませんでした。
息子が叫ぶたびに「ダメだよ」「静かにしようね」と声はかけますが、当然通じませんしやめてくれることはなく……ただ逃げるようにその場を離れるしかできませんでした。
歩けないと怒るのに手は繋いでくれないし、ベビーカーにも乗ってくれず抱っこ紐も嫌がる。それに加えて急に奇声を上げる息子との外出がどんどん怖くなってしまい、少しずつ引きこもるようになっていきました。心理士さんには様子見で大丈夫、今までと変わらない生活を、と言われていましたが、今までと変わらない生活なんて無理なんですが?という状況になっていきました。
そして相変わらず言葉は出ない。本当に成長できているのか不安でいっぱい。そんななかついに1歳半健診がやってきたのでした……健診の様子はまた別のコラムでお伝えできればと思います。
そして相変わらず言葉は出ない。本当に成長できているのか不安でいっぱい。そんななかついに1歳半健診がやってきたのでした……健診の様子はまた別のコラムでお伝えできればと思います。
専門家コメント(小児科医 新美妙美先生)
お子さんの1歳前後の時期に感じた育てにくさや外出の大変さについて、率直に書いてくださりありがとうございます。
発達特性のあるお子さんの「大変な時期」は一様ではなく、乳児期から感覚過敏や睡眠、授乳・離乳食で苦労されるご家庭もあれば、今回のように歩き始めて行動範囲が広がることで一気に大変さが増すケースもあります。特に言葉が出る前の時期は、行動の理由や意図が分かりづらく、「なぜこうなるのか」「どう対応すればよいのか」が見えにくいため、保護者の負担感がより強くなりやすい時期でもあります。
手つなぎやベビーカーを強く拒否する、奇声が出るといった行動も、後から振り返ると感覚の特性や身体感覚の違いが関係していることがありますが、その時点では気づくことは難しく、周囲の視線も含めて大きなストレスになりますよね。この時期にできることは、「しつけ」や「言い聞かせ」で行動を変えることよりも、お子さんの様子から、何に興味があり、何が苦手で、どのような環境だと落ち着きやすいのかを少しずつ見極めていくこと、そして何より安全を確保することです。うまくいかないことが多くても、それは関わり方が悪いわけではなく、発達段階として当然の難しさでもあります。
振り返ったときに、「大変だったけれど、無事にこの時期を乗り越えた」と思えること自体が、とても大きな積み重ねです。どうか当時のご自身をねぎらいながら読んでいただきたい体験談だと感じました。(監修:小児科医 新美妙美先生)
発達特性のあるお子さんの「大変な時期」は一様ではなく、乳児期から感覚過敏や睡眠、授乳・離乳食で苦労されるご家庭もあれば、今回のように歩き始めて行動範囲が広がることで一気に大変さが増すケースもあります。特に言葉が出る前の時期は、行動の理由や意図が分かりづらく、「なぜこうなるのか」「どう対応すればよいのか」が見えにくいため、保護者の負担感がより強くなりやすい時期でもあります。
手つなぎやベビーカーを強く拒否する、奇声が出るといった行動も、後から振り返ると感覚の特性や身体感覚の違いが関係していることがありますが、その時点では気づくことは難しく、周囲の視線も含めて大きなストレスになりますよね。この時期にできることは、「しつけ」や「言い聞かせ」で行動を変えることよりも、お子さんの様子から、何に興味があり、何が苦手で、どのような環境だと落ち着きやすいのかを少しずつ見極めていくこと、そして何より安全を確保することです。うまくいかないことが多くても、それは関わり方が悪いわけではなく、発達段階として当然の難しさでもあります。
振り返ったときに、「大変だったけれど、無事にこの時期を乗り越えた」と思えること自体が、とても大きな積み重ねです。どうか当時のご自身をねぎらいながら読んでいただきたい体験談だと感じました。(監修:小児科医 新美妙美先生)
(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。
神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。
神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。