新たな目標に向けて切り替え!

まず考えたのは「ADHD(注意欠如多動症)の長男、就職しても絶対遅刻するよね」でした。今やっているスーパーのバイト、夕方6時の出勤でも「寝坊して遅刻」をたまにするんですよね。

家族でバイトの日を共有して、忘れて寝ていそうなら声をかける……そこまでしてもゼロにはできないので、遅刻ぐらいではクビにならない仕事じゃないとダメだなぁと考えます。

しかも、試験などで周りの雑音が気になると頭が真っ白になってしまうので、就職活動するにも正直、発達障害をオープンにして「障害者枠」での採用を狙うのが一番良いのでは?とも思います。

そこで、次に調べたのが障害者枠での公務員試験チャレンジです。不幸中の幸いですが、息子の場合は勉強はできるので、試験を受けるというのはかなり向いています。そしてルーティン作業も好きなので、オープン就労であれば、得意とする仕事に就ける可能性が高くなります。

高卒になってしまった上に、もう20歳。就活するにも発達障害の困りごとを抱えたままの状態ではかなり大変なのは明らかです。もしチャレンジに失敗しても、その時はその時。また別の進路を考えれば良いと気楽に考えています。正直、大学中退は痛手でしたが、無理を続けて心身を深く消耗してしまう前に、「自分にとって無理のない形」で一度リセットできたのだと今は納得しています。
もしチャレンジに失敗しても、その時はその時!
もしチャレンジに失敗しても、その時はその時!
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多少の失敗はして良いけれど、大事なのはそこから何を学ぶかです。同じ失敗を繰り返さないように。

「多少」とは言いましたが、私立理系の大学だったので2年棒に振ったら300万円ぐらい吹き飛ぶんですけどね~!息子よ、まだパパとママはあなたの学費を払ってますよ(笑)!

執筆/ゆたかちひろ

専門家コメント 初川久美子先生(臨床心理士・公認心理師)

長男くんの大学中退、そして今後の方策についてのコラムをありがとうございます。発達障害のあるお子さんが大学進学される場合に、もし履修登録や課題のマネジメント等に不安がある場合は、早めに大学の障害学生支援センター等にまずつながっておくことをおすすめします(1年生の前期の時間割のことから相談したい場合、合格してすぐに相談に行く必要があります。合格したら届く書類の中にそうしたアナウンスも入っていることが多いので、どうぞご確認ください)。大学によっては、週に一度本人と支援員さんとで面談を組み、課題のチェック等をしてくれるところもあります。

さて、残念ながら大学を中退されたとのこと。その後のキャリアの築き方は本人一人ではなかなか想像しづらい面もあろうと思うので、ご家族が相談に乗ってくださっていることは何よりです。障害者枠での公務員チャレンジという選択肢を見つけてくださいましたが、ご本人が納得して取り組めるのであれば良いと思います。

ただ、年齢的にはもう成人で、自分ではない誰かが用意してくれた選択肢に乗るだけだと、そうしたフォローが得られない時が来た際に、いよいよ困る(困ることに直面化するのが先送りされてしまう)ようにも感じます。今回のことをきっかけに、ご自身の仕事をどう探していくか、自分の苦手とすることをどうしていくのかについて、家族のみならず、外部の支援機関とつながる機会とするのも良いかもしれません。

生活、お金、仕事、学び。障害者枠での就業を希望するかどうか。そうしたことを相談できる先として、例えば、地域若者サポートステーション(若者サポステ)や、わかものハローワーク、障害ということを使って支援を利用する場合には、障害者就業・生活支援センター(通称:なかぽつ)や自治体の障害福祉課、わかものハローワークの専門支援、あるいは就業移行支援や就労選択支援などがあります。どこへ行っても、おそらく自分の希望を伝えられれば、より適した機関を紹介されるはずです。

まずは、ご本人が自分で、何がしたいか(働きたいか、働きたいならどういう分野か、あるいは働くための準備をしたいか)、何が不安か(予定やタスク管理が苦手、急な変更が苦手等)を漠然としたものでもいいので、ある程度整理してみてください。それをもとに上記のような就職あるいは障害のプロ(機関)につながるのはどうでしょうか。餅は餅屋。お子さんが全部自分で組み立てる必要はありません。自分をサポートしてくれる人たちを見つけに行くつもりでぜひつながっていただけたら、と思いました。(監修:臨床心理士・公認心理師 初川久美子先生)
前の記事はこちら
https://h-navi.jp/column/article/35030971
(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。

※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。

ADHD(注意欠如多動症)
注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。
ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
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このコラムのコメント1件
2026/05/10 16:54
こんにちは。ADHDで、息子さんと似た境遇でした。
私も一年目に留年した際、親に「やると思った」と言われ。
ついに3回目の留年ではさすがに親に言えず、院に行った振りでしのぎ…。
しかし奨学金は止まるため、バイトと仕送りでなんとかごまかして生活。
ギリギリ卒業までこぎつけて、就職先も決めたうえで親に打ち明けました。

今振り返ると、朝起きれないため、午前中の単位は全部パー。ゲームをしすぎて昼から起きて、夕方サークルにいくようなヤバい生活。

ただ、このときの数年間、ゲーム漬けで自堕落な生活を極めたので、ある程度その欲求が落ち着いたような感じもあります。
仕事につながる趣味に打ち込んだ時期もあり、まぁ必要な時間だったのかなとか。
ぼく目線では息子さん、そうとうもやもやを抱えたままな気もします。

数年間、一人で好きに暮らさせてもいいのかもしれません。

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