「トイレが鬼門」だった子ども時代。過活動膀胱、迷走神経反射で失神…ASDの私が"助け"を封印した理由

ライター:宇樹義子
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出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=66270010159

ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、複雑性PTSDのある私。小さな頃から「トイレにまつわること」で具合が悪い、ということが多くありました。大人になってから診断がついたり、はっきりと診断まではつかないものの「この病気の傾向があるかな」と考えて対処してみたり…… 今回は、こうした「トイレにまつわる体調不良」についてお伝えします。

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監修: 新美妙美
信州大学医学部子どものこころの発達医学教室 特任助教
2003年信州大学医学部卒業。小児科医師として、小児神経、発達分野を中心に県内の病院で勤務。2010年信州大学精神科・子どものこころ診療部で研修。以降は発達障害、心身症、不登校支援の診療を大学病院及び一般病院専門外来で行っている。グループSST、ペアレントトレーニング、視覚支援を学ぶ保護者向けグループ講座を主催し、特に発達障害・不登校の親支援に力を入れている。 多様な子育てを応援するアプリ「のびのびトイロ」の制作スタッフ。

小学校時代はトイレが近くて困った

小学校時代にはすでにトイレの近さを自覚していた私。中年になってから「過活動膀胱」という診断がつきましたが、どうも精神的な緊張からくるようです。調子の悪いときは1時間もたないことがあります。

当時の小学校は個々の児童の心身の調子に無頓着で、一律の厳しいルールで統率しようとするところがありました。授業中にトイレに行かせてくれと訴えると担任から「どうして休み時間中に行っておかなかったの!」と叱責されたり、「トイレの管理もできないなんて赤ちゃんみたいね」という言い方をされる。

いじめられていた私は、こうした出来事がいじめのネタになることを知っていたので怖くて、休み時間ごとに必ずトイレに行く習慣がつきました。これが排尿にまつわる緊張を増幅させて、今の過活動膀胱につながっていると思います。

生理痛と下痢の痛みに苦しむように

中学になると生理が来ました。私の生理は初潮時からかなりの生理痛と下痢を伴いましたが、30年以上前当時は生理に関する知識が普及していませんでした。

養護の先生には「鎮痛剤を飲みすぎると癖になる」と言われましたし、世間的に「生理は痛みに耐えるもの」という考えが一般的でした。

高校になるとあまりの痛みにトイレに長時間籠もることが多くなり、ときどき脂汗が出てきて耳鳴りがし、意識が遠のくように。そのまま数10分失神することもありました。

いま思えばこの失神は「迷走神経反射」というもので、あまりの痛みに自律神経が混乱し、血圧や心拍が低下して意識を失う状態でした。

助けを求めることができない、求めても助けてもらえない

婦人科にも行きましたが、おじいちゃんの先生に「器質的にはなんの問題もない。まだ子宮が未熟とか、痛みに敏感すぎるとか、そういうのじゃないの?」「子ども産めば治るよ」などと顔も見ずに言われました。

私は大きなショックを受けました。「つまり、この問題は私が悪いわけで、この苦しみから逃れるには子どもを産むしかないってことなのね? 専門家が言うならそうなのね?」と。

鎮痛剤は効く量をしっかり飲んでもかまわない、ということは教えてもらえたので、強い鎮痛剤を飲むようになりました。ただ、しっかり効く量を飲み続けているうちに必ず胃が荒れて、今度は胃がキリキリしはじめます。

現在は婦人科治療も医師側の意識もかなりアップデートされ、「生理で毎度鎮痛剤が必要なほど痛むなら超低用量ピルなどで治療すべき(※)」という意識が徐々に一般にも広がってきています。月経困難症に保険適用できる超低用量ピルもあります。けれど、30年ぐらい前はそうではありませんでした。

※ひどい月経痛が毎度ある場合、画像検査で検出できないような初期の婦人科疾患がある可能性があるそうです。婦人科疾患は進行すると最悪の場合がん化することもありますが、ピルなどでホルモンをコントロールすることで、疾患の進行を抑えることができると教えていただきました。
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