【専門家コラム】「育て方が悪いの?」と自分を責める前に。診断前やグレーゾーンでも試したい親子がラクになる3つのステップ

ライター:増田卓哉
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わが子に対して「育てにくい」と感じる瞬間はありませんか。
そして、そう思ってしまうご自身に対して、自分を責めてしまうこともあると思います。
日々の診療を通じて多くのご家族とお話ししていると、同じような悩みを抱え、誰にも言えずに孤独を感じている保護者の方が本当にたくさんいらっしゃいます。
今回は、「育てにくい」と感じたときに知っておいていただきたい視点と、診断がつく前であっても、今日からご家庭で試せる具体的なヒントをお伝えします。

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執筆: 増田卓哉
自治医科大学小児科学助教
特例認定NPO法人そらいろコアラ共同代表理事
小児科医として、神経発達症、マルトリートメント、貧困、医療的ケア児など、社会的背景をもつ子どもや家族への包括的支援に取り組む。特例認定NPO法人そらいろコアラでは、「医療の気づきを支援につなぐ」ことをテーマに、SNS相談や地域の居場所づくりを通じて、妊娠・出産・育児期の孤立を減らし、「家族まるごと支える地域づくり」を実践している。
目次

「育てにくい」と感じたときに知っておいていただきたい視点、診断がつく前から試せる具体的なヒントとは?

「どうしても癇癪がひどくて、毎日ヘトヘト……」
「何度同じことを言っても伝わらない」
「周りの子と比べて、どうしてうちの子はこんなに手がかかるんだろう」

そんなふうに、わが子に対して「育てにくい」と感じる瞬間はありませんか。そして、そう思ってしまうご自身に対して、「育て方が悪いのかもしれない」「私の愛情不足なのかな」と、密かに自分を責めてしまうこともあると思います。

日々の診療を通じて多くのご家族とお話ししていると、同じような悩みを抱え、誰にも言えずに孤独を感じている保護者の方が本当にたくさんいらっしゃいますし、私が運営しているNPO法人そらいろコアラのLINE相談でも同様の相談が日々寄せられます。今回は、「育てにくい」と感じたときに知っておいていただきたい視点と、医療機関で診断がつく前であっても、今日からご家庭で試せる具体的なヒントをお伝えします。

「育てにくさ」は、誰のせいでもありません

まず一番にお伝えしたいのは、「育てにくさ」は、子どものせいでも、保護者の育て方のせいでもないということです。では、あの毎日の大変さはどこから来るのでしょうか。

「育てにくさ」は、子ども自身が持っている「生まれつきの特性(気質や発達のペース)」だけで決まるものではありません。家庭や園での過ごし方、周囲の関わり方など「周囲の環境」とうまく噛み合っていない、いわば「ミスマッチ」から生まれることがあります。
つまり、お子さん自身も「今の環境が自分に合っていなくて、どうしていいか分からず困っている」状態なのです。「育てにくい」と感じたときは、親子で一緒にこのミスマッチを紐解いていくサインだと捉えてみてください。

見えている姿は「氷山の一角」かも?

子どもが激しく泣き叫んだり、指示に従わなかったりすると、どうしてもその「困った行動」ばかりに目がいってしまいますよね。
「スーパーでひっくり返って泣き続ける……」
「靴下がうまく履けなくて大パニックに……」
しかし、それは海面から突き出た「氷山の一角」に過ぎません。水面下には、その行動を引き起こしている「根っこの理由」が隠れていることがあります。

・発達年齢のギャップ
実年齢は5歳でも、言葉の理解や感情のコントロールは3歳くらいということがあります。手先の発達がまだ未熟かもしれません。「5歳だからできるはず」という関わり方は、子どもにとってハードルが高すぎることがあります。

・特定の苦手さ、感覚の過敏さ
「特定の音が耳を塞ぎたくなるほどつらい」「素材がチクチクして耐えられない」など、周囲には分かりにくい感覚の違いがストレスになっていることもあります。
「どうしてこんなことをするの!」と叱りたくなる気持ちをグッとこらえて、「この子には今、何が難しくて、どんなふうに見えているんだろう?」と、水面下の理由を想像することが、状況を好転させる第一歩になります。
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