「薬を飲むアラームを鳴らしてみる」。本人から出た小さな工夫

また、息子は毎日の服薬が必要なのですが、学校が休みになると、飲み忘れが出てきてしまうことがあります。
先日、家族会議でそのことを話し合いました。すると息子から、
「休みの日には、薬を飲むためのアラームを鳴らしてみる」
という提案がありました。
親が言うだけではなく、本人が自分なりの対策を考えようとしている。小さなことかもしれませんが、私には大きな一歩に感じられました。
現在このアラーム作戦で服薬してもらっています。
「薬を飲むためのアラームを鳴らしてみる」と息子から提案が!
「薬を飲むためのアラームを鳴らしてみる」と息子から提案が!
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「自分でできること」を増やしていってほしい

子どもたちには、折に触れてこう伝えています。
「いつまでも、あなたたちの面倒をみられるわけではないから、自分のことは自分でやれるようにしよう」
早寝・早起き、朝ごはんを食べること、時間を守ること。どれも当たり前のようですが、わが家にとっては簡単なことではありません。長期休暇となると、生活リズムの課題はより見えやすくなります。
けれど、社会に出れば、毎朝きちんと出社することが求められます。自分の健康を自分で守るためにも、生活習慣は大切だと感じています。
いつか子どもたちが、自分の生活を自分で整えられるように。
これからも家族で話し合いながら、少しずつ「自分でできること」を増やしていけたらと思っています。


イラスト/プクティ
※エピソード参考者のお名前はご希望により非公開とさせていただきます。

専門家コメント 初川久美子先生(臨床心理士・公認心理師)

大学生、専修学校生のお子さん方の生活リズム、自己管理等のコラムをありがとうございます。
お子さん方が成長し、できることが増え、どこまでならギリギリ大丈夫なのかも分かってきたからこその日々の綱渡り感があるかもしれないと感じました。

朝起きるのが苦手な子はいますね。18歳を超えて成人になってもなかなか自力では起きられない子がいます(社会人でも苦労している人もいますね)。家族が最後は助けてくれるという安心もあるでしょうが、ご両親からしたら将来が心配に感じることでしょう。
社会人になる、一人暮らしを始めることによってうまくいく場合もあれば、うまくいかず起きられないことでトラブルに至る場合もあります。そういう意味では、就職を考える時期には、朝の苦手さをどうするか、子どもたちが自分事として考えてほしいと思います。誰かが助けてくれるだろうから大丈夫と安易に思うのではなく、朝がさほど早くない会社やフレックス制やコアタイムのある会社、家から近い会社を選ぶなど選び方から工夫できる余地があると思います。

食事も自分で用意できるようになってしまったからこそ、栄養が偏る。これは大学生くらいのお子さんを育てている方では結構心当たりがあるのではと思います。服薬のこともそうですが、家族で話し合ったり、工夫できることを一緒に案出しして、本人が納得したうえで試してみるというのはとてもいい方法です。日曜のカレー係も、服薬のアラームもとてもいい方法だなと思いました。

自分の生活を自分で整えられるように。そのためにできることを具体的に増やしていくことをされていて、何よりです。「もう大人なんだから自分でやりなさい」という抽象的な声かけだけでは、特に特性のあるお子さんだとなかなかできることが増えないように感じます。年齢や生活スタイルに合った、負荷が高すぎないあたりからできることを一緒に考えて、試してみる。そして、できることが増えたら徐々にそこから手を放していくこと。そうした実践をご紹介いただきありがとうございました。(監修:臨床心理士・公認心理師 初川久美子先生)
(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。

※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。

ADHD(注意欠如多動症)
注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。
ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。

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