障害のあるわが子の将来ーー「ないなら自分たちでつくる」を選択肢に、地域で笑顔で生きるための居場所づくりとは【保護者に聞く「親なきあと」の今】
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LITALICOライフ
ライター:LITALICOライフ
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今回の「保護者に聞く『親なきあと』の今」では、ASD(自閉スペクトラム症)・知的障害(知的発達症)のあるお子さんを育てる家庭に、将来への願いや情報収集の難しさ、理想の居場所づくりについて伺いました。
「ひとりの人」として地域で生きてほしい
【家族構成】
- 夫婦
- 息子:14歳(中学3年)、ASD(自閉スペクトラム症)・知的障害(知的発達症)(療育手帳A)、特別支援学校通学中
「保護者に聞く『親なきあと』の今」では、さまざまなご家庭がお子さんの将来に向けて「今」どんな準備をしているのか、インタビューからリアルな思いや備えをお届けします。
今回は、ASD(自閉スペクトラム症)と知的障害(知的発達症)のあるお子さんを育てるご家庭です。お子さんの将来の住まい、暮らしへの願いや、「親なきあと」のリアルな情報収集の難しさ、そして居場所づくりのアイデアについて伺いました。
ーーお子さまがどんなふうにこれからを過ごせたら幸せだろうなと考えていますか?
息子は集団行動が苦手なのですが、いろいろな人に囲まれて笑顔で生活できたらいいなと思っています。一人でいることが好きだと思われがちですが、実際は人と一緒にいるのは嫌いじゃないんです。だから、地域の人たちから「あの子、障害があるんだって」という目で見られるのではなく、「ルーク君(仮名)は静かな人だね」「優しい人だね」というように、障害名や疾患名ではなく、息子自身の個性を認識されながら地域に馴染んでいけたらなと思っています。
そのために、いかに周りの人とコミュニケーションを取っていくかが大切だと思っています。私は医療の仕事をしていて、自分の担当の患者さんたちがいるのですが、息子が生まれて障害があると分かってからは、皆さんに「うちの子には、こういう障害があってね」ってオープンに話してきたんです。
患者さん側からもご家族のお話をしてくれるような関係性をつくれているので、例えば息子の急な体調不良で予約を変更してもらう時なども、ごまかさずに事情を話して理解してもらうことができます。親が生きている間に周りと関わりを持って、「みんなの目」がある状態をつくっておくことが、私にとって一番の安心なんです。
ーーお子さまが将来、一生涯で「いくらお金がかかるか」具体的な金額のイメージはお持ちですか?
それが全然分からなくて、具体的なイメージが全く湧いていないんです。周りにいる先輩の保護者の方たちからは「お金は(多くは)残さない」「成年後見人は早くにつけない」という話を耳にします。
でも、今の時代と少し前とでは状況が変わっているんじゃないか?と思っていて。施設に入れば食べることに困らなくなっているのかもしれませんが、実際のリアルな様子が全然見えてこないんです。
気になるのは、息子が自由に使えるお金のことです。今の時代、iPadやアプリは生活に欠かせないものですよね。それなのに、成年後見人をつけることで「それは贅沢品だから」とアプリ一つ自由に買えなくなってしまうかもしれない、という話も耳にして、本当なのだろうか、それは息子にとって幸せなのだろうか、と不安になったり……。
たまにはお出かけしたい、好きなお菓子を買いたい、という人生の楽しみのためのお金は残してあげたい。けれど、そういった「実際のところどうなの?」というリアルを知るルートがなくて、親としてどう計画を立てればいいのか分からず、止まってしまっています。
ーーお子さまの将来のお金について、今から準備していることや予定していること、すでに取り組んでいることはありますか?
保険や信託といった備えは、今は何もしていません。自分たちの貯蓄はしていますが、家のローンも大変なので、微々たるものです。計画を立てようにも情報がないから、そのままにしているというのが現状です。
今回は、ASD(自閉スペクトラム症)と知的障害(知的発達症)のあるお子さんを育てるご家庭です。お子さんの将来の住まい、暮らしへの願いや、「親なきあと」のリアルな情報収集の難しさ、そして居場所づくりのアイデアについて伺いました。
ーーお子さまがどんなふうにこれからを過ごせたら幸せだろうなと考えていますか?
息子は集団行動が苦手なのですが、いろいろな人に囲まれて笑顔で生活できたらいいなと思っています。一人でいることが好きだと思われがちですが、実際は人と一緒にいるのは嫌いじゃないんです。だから、地域の人たちから「あの子、障害があるんだって」という目で見られるのではなく、「ルーク君(仮名)は静かな人だね」「優しい人だね」というように、障害名や疾患名ではなく、息子自身の個性を認識されながら地域に馴染んでいけたらなと思っています。
そのために、いかに周りの人とコミュニケーションを取っていくかが大切だと思っています。私は医療の仕事をしていて、自分の担当の患者さんたちがいるのですが、息子が生まれて障害があると分かってからは、皆さんに「うちの子には、こういう障害があってね」ってオープンに話してきたんです。
患者さん側からもご家族のお話をしてくれるような関係性をつくれているので、例えば息子の急な体調不良で予約を変更してもらう時なども、ごまかさずに事情を話して理解してもらうことができます。親が生きている間に周りと関わりを持って、「みんなの目」がある状態をつくっておくことが、私にとって一番の安心なんです。
ーーお子さまが将来、一生涯で「いくらお金がかかるか」具体的な金額のイメージはお持ちですか?
それが全然分からなくて、具体的なイメージが全く湧いていないんです。周りにいる先輩の保護者の方たちからは「お金は(多くは)残さない」「成年後見人は早くにつけない」という話を耳にします。
でも、今の時代と少し前とでは状況が変わっているんじゃないか?と思っていて。施設に入れば食べることに困らなくなっているのかもしれませんが、実際のリアルな様子が全然見えてこないんです。
気になるのは、息子が自由に使えるお金のことです。今の時代、iPadやアプリは生活に欠かせないものですよね。それなのに、成年後見人をつけることで「それは贅沢品だから」とアプリ一つ自由に買えなくなってしまうかもしれない、という話も耳にして、本当なのだろうか、それは息子にとって幸せなのだろうか、と不安になったり……。
たまにはお出かけしたい、好きなお菓子を買いたい、という人生の楽しみのためのお金は残してあげたい。けれど、そういった「実際のところどうなの?」というリアルを知るルートがなくて、親としてどう計画を立てればいいのか分からず、止まってしまっています。
ーーお子さまの将来のお金について、今から準備していることや予定していること、すでに取り組んでいることはありますか?
保険や信託といった備えは、今は何もしていません。自分たちの貯蓄はしていますが、家のローンも大変なので、微々たるものです。計画を立てようにも情報がないから、そのままにしているというのが現状です。
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みんなでやろう!ないならつくる、わが子の居場所
ーーお子さまは将来どんな所に住めるといいなと考えていますか?また、そのために必要な準備は何かしていますか?
特別支援学校を卒業したら、しばらくは家から就労支援に通うと思いますが、最終的にはグループホームに入れたらと思っています。でも、住んでいる辺りは全然空きがなくて。だから、もう「自分たちでつくりたい!」と思っているんです。
以前は、医療的ケアが必要だった次男(9歳の時に亡くなられた)も一緒に過ごせる場所を……という考えが強くて、それは今も根底にあります。また、障害のある人たちだけに閉ざされる場所ではなくて、地域のお年寄りも一緒に集まれるような場所がいいなと思っています。私たち親もいずれ年を取るので、別々に考えるより一緒に何かができたらいいですよね、と。
ある方から「犬連れで泊まれる宿泊施設や、モンゴルのゲルを使ったキャンプ場、テントサウナ」といったアイデアをもらったのですが、それがすごく素敵で!観光地化されていない静かな田舎で、みんなでドッグランやカフェを併設した楽しい場所をつくれたら最高だなと妄想が膨らんでいます!子どもたちにとっても、敷地内のお掃除を仕事にするとか、できる分野に分かれて関わることができますし、アレルギーを気にしなくていい米粉のカフェメニューをつくったりしても楽しそうです。障害があるからと特別視されるのではなく、「あそこ、温泉やサウナがあって楽しいから行こうよ!」と自然に人が集まる場所にできたらいいですね。
ーー最終的に、どんな状態になっていれば、ご自身が安心して「親なきあと」を迎えられると思いますか?
「将来はここに通って、ここに住むんだ」という居場所と見通しが立っている状態になれば、お金がたくさんあることよりもずっと安心できます。
このグループホームの構想を周りの友人に話したら、「土地を持っている人がいるよ!」とか「大工をやってきたから建物ならつくれるよ!」という話が湧き出てきて、今度みんなで食事をしながら作戦会議をすることになりました。
障害のある子どもの保護者だけで頑張ろうとしても世界は広がらないと思うんです。でも、障害の有無に関係なく、いろんな人を巻き込んで「みんなでやろう」と思えば、なんだか実現できる気がしてきます。
特別支援学校を卒業したら、しばらくは家から就労支援に通うと思いますが、最終的にはグループホームに入れたらと思っています。でも、住んでいる辺りは全然空きがなくて。だから、もう「自分たちでつくりたい!」と思っているんです。
以前は、医療的ケアが必要だった次男(9歳の時に亡くなられた)も一緒に過ごせる場所を……という考えが強くて、それは今も根底にあります。また、障害のある人たちだけに閉ざされる場所ではなくて、地域のお年寄りも一緒に集まれるような場所がいいなと思っています。私たち親もいずれ年を取るので、別々に考えるより一緒に何かができたらいいですよね、と。
ある方から「犬連れで泊まれる宿泊施設や、モンゴルのゲルを使ったキャンプ場、テントサウナ」といったアイデアをもらったのですが、それがすごく素敵で!観光地化されていない静かな田舎で、みんなでドッグランやカフェを併設した楽しい場所をつくれたら最高だなと妄想が膨らんでいます!子どもたちにとっても、敷地内のお掃除を仕事にするとか、できる分野に分かれて関わることができますし、アレルギーを気にしなくていい米粉のカフェメニューをつくったりしても楽しそうです。障害があるからと特別視されるのではなく、「あそこ、温泉やサウナがあって楽しいから行こうよ!」と自然に人が集まる場所にできたらいいですね。
ーー最終的に、どんな状態になっていれば、ご自身が安心して「親なきあと」を迎えられると思いますか?
「将来はここに通って、ここに住むんだ」という居場所と見通しが立っている状態になれば、お金がたくさんあることよりもずっと安心できます。
このグループホームの構想を周りの友人に話したら、「土地を持っている人がいるよ!」とか「大工をやってきたから建物ならつくれるよ!」という話が湧き出てきて、今度みんなで食事をしながら作戦会議をすることになりました。
障害のある子どもの保護者だけで頑張ろうとしても世界は広がらないと思うんです。でも、障害の有無に関係なく、いろんな人を巻き込んで「みんなでやろう」と思えば、なんだか実現できる気がしてきます。
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(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。
神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
知的発達症
知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。
ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。
神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
知的発達症
知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。
ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。