発達障害のある16歳息子の初バイト!接客トラブルやバイト代の散財から学んだ金銭感覚

ライター:かなしろにゃんこ。
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16歳でアルバイトを始めたリュウ太ですが、バイト中にイライラしてしまうこともあって……。

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監修: 室伏佑香
東京女子医科大学八千代医療センター 神経小児科
名古屋市立大学大学院 医学研究科 生殖・遺伝医学講座 新生児・小児医学 博士課程
筑波大学医学部卒。国立成育医療研究センターで小児科研修終了後、東京女子医科大学八千代医療センター、国立成育医療研究センター、島田療育センターはちおうじで小児神経診療、発達障害診療の研鑽を積む。 現在は、名古屋市立大学大学院で小児神経分野の研究を行っている。

初めてのアルバイトはラーメン店、接客が分からなくて…

初めてアルバイトは友人が経営するラーメン屋でした
初めてアルバイトは友人が経営するラーメン屋でした
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わが家のADHD(注意欠如多動症)とASD(自閉スペクトラム症)の息子リュウ太が初めてアルバイトをしたのは16歳のとき、友人が経営するラーメン屋でした。

中学を卒業したばかりで社会のルールをなに一つ知らない状態でしたから、挨拶や掃除、勘定など全てバイト先の先輩たちに教えてもらいスタートしました。

母の私が恐れていたのはお客さんから怒られたり文句を言われたりしたときにイライラしないで対応できるだろうか?ということでした。今ではカスハラはダメ!など周知されてきましたが、社会の中では酔っ払いや理不尽なことで怒るお客さんと遭遇することは避けられません。
お客さんの前でイライラを態度に出してしまうことも……
お客さんの前でイライラを態度に出してしまうことも……
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案の定、そんなお客さんに出会ったときにイライラを顔に出していたようです。お客さんから店長に「あの定員態度が悪い」と報告があったりして、はいリュウ太のことです。

「お客さんの前では怒りを顔に出さないように」などカスハラ対応のアレコレも店長や先輩たちから学びました。
世の中にはいろいろな人がいる、いちいち怒っても仕方がないと考えるようにもなったようで……
世の中にはいろいろな人がいる、いちいち怒っても仕方がないと考えるようにもなったようで……
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世の中にはいろいろな人がいる、いちいち怒っても仕方がない。こう考えるようにもなったようで「酔ったお客さんのトラブル対応も慣れたよ」と話していたときに大人になったのねと感じました。

アルバイトは週2日・3日だけ学校が終わったあとに4時間程度働いていましたが、働くことが楽しくなってきたようで土日もシフトを入れるようになり学校よりもバイトに力を入れていました。

バイト代でもらったお金の使いみちは欲望のままに…

稼いだお金の使いみちは
稼いだお金の使いみちは
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稼いだお金の使いみちは「このミニカー欲しかったんだ」と1,000円以上の大人価格のオモチャを買って夢を一つひとつ叶えている感じでした。母は自分で稼いだお金だから何を買おうが個人の自由だと思い見守っていたのですが、ファーストフードにお金を使いまくるときは止めたくなりました。
ファーストフードにお金を使いまくることも
ファーストフードにお金を使いまくることも
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揚げ物系やハンバーガーなど食べたいものを食べたいだけ買ってしまいます。有名なフライドチキン店のチキンを一度に5本食べたときは 「5本も食べると油がきついね、3本にしとけばよかった」などと言っていましたが、そのチキンをたくさん食べることが小さい頃からの夢だったそうです。母は「3本もどーよ?多いよ」と思っちゃいますけどね(笑)。

母は身体のことを考えて外食をしないように育ててきましたがリュウ太には不満だったようで、彼の中で「大人になったら外食で、食べたいものを全部食べる!」と大きな目標になっていたのでした。
リュウ太が目標を持って勤労に燃えるならヨシとしようと思うようになりました
リュウ太が目標を持って勤労に燃えるならヨシとしようと思うようになりました
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ケバブにタコスに本格中華に鮨・クレープと食べたい放題に散財していきました。グルメにお金を使うことは勿体ないと思う母ですが、リュウ太が目標を持って勤労に燃えるならヨシとしようと思うようになりました。

その後……グルメ熱は一旦冷めて、17歳の頃はバイト代でバイクを買ったり交際費にしたりなどお金の使い方が変わってきました。数十万円の物をローンで買うということも息子の金銭感覚を養うチャレンジになった気がしています。

小学校・中学校と親にお金をもらうばかりだった子が「もっと稼ぎたいな〜」と話している姿を見ると大人になってきたわねと感じるのでした。

母は息子が学校に就学・進学したなどの喜びよりも、自分の手でお金を稼ぐようになったときが一番うれしかったのを覚えています。
執筆/かなしろにゃんこ。

専門家コメント 室伏佑香先生(小児科医)

リュウ太さんが初めてのアルバイトを通して、社会のルールや人との関わり方、お金の使い方を一つひとつ学んでいかれたご様子を共有してくださり、ありがとうございます。
どんな子にとっても、アルバイトは単に「働く経験」だけではなく、挨拶、報告、掃除、会計、接客、時間を守ること、困った時に相談することなど、学校生活とはまた違う社会的なスキルを学ぶ大切な機会になりますよね。特にADHD(注意欠如多動症)やASD(自閉スペクトラム症)の特性がある場合、場の空気を読むこと、気持ちを切り替えること、予想外の出来事に対応することが苦手なこともありますが、具体的に教えてくれる大人や、失敗した時に一緒に振り返ってくれる環境があることで、少しずつ対応の仕方を身につけていくことができます。
お客さんへの対応でイライラが顔に出てしまったという経験も、ご本人にとっては大きな学びだったのだと思います。しかし、理不尽な言動に対して、本人だけが我慢すればよいということではありません。大切なのは、「どこまで自分で対応するか」「困った時は誰に助けを求めるか」「一度その場を離れてよい場面はどんな時か」を、職場の方々と一緒に具体的に確認しておくことです。必要な時には守ってもらえる、教えてもらえる環境があったからこそ、リュウ太さんも経験を成長につなげることができたのだと思います。
また、初めて自分で稼いだお金を何に使うかという経験も、とても大切です。保護者から見ると「そんなに食べて大丈夫かな」「もっと計画的に使ってほしい」と思う場面もありますが、自分で働いて得たお金で、子どもの頃からの希望や夢を叶えていくことは、ご本人にとって大きな達成感になりましたね。好きなものに使い、時には使いすぎたり、食べすぎたりしながら、「次はどうしよう」「これは少し多かったな」と体験を通して学んでいくことも、金銭感覚や自己管理を育てる一歩になります。あれこれ言いたくなる気持ちをぐっと抑えて、見守り続けたかなしろさん、私も見習いたいです。
これからもどんどん社会の中で自身の役割を持ち、自身の力で生活を広げていくであろう、リュウ太さん。これからのご活躍もとても楽しみですね。(監修:小児科医 室伏佑香先生)
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https://h-navi.jp/column/article/35031066
(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。

※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。

ADHD(注意欠如多動症)
注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。
ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
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