自宅だからできる専門的な支援・伴走を。「LITALICOジュニア 訪問看護・発達支援」立ち上げへの想い

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LITALICOジュニア
ライター:発達ナビ【編集部Eye】
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LITALICOジュニアでは2026年4月、訪問看護という制度を適用し有資格のスタッフがご自宅へ伺い支援を提供する「LITALICOジュニア 訪問看護・発達支援」を開設しました。立ち上げへの想いや支援体制、よくある質問について聞きました。

お子さまの発達や日々のサポートでお困りのご家族へ。「LITALICOジュニア 訪問看護・発達支援」の取り組み

「教室などの整った環境では落ち着いて過ごせるのに、自宅に帰ると癇癪やパニックを起こす」「不安感が強く外出できないため、発達支援を受けることができない」といった、お子さまの発達や日々の生活について悩みを抱えている保護者の方は少なくありません。

これまで通所型の教室を中心に展開してきた、発達支援・療育のLITALICOジュニアでは、2026年4月、東京都世田谷区三軒茶屋に新たなステーションを開設し、訪問看護を適用し有資格のスタッフがご自宅へ伺い支援を提供する「LITALICOジュニア 訪問看護・発達支援」を本格的に開始しました。なぜ今、訪問看護という形での支援に取り組むのか。その背景にある想いや実際の支援体制についてお届けします。

ご家庭におけるリアルな困りごとに伴走するために

市川 照剛さん
市川 照剛さん
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2015年、株式会社LITALICOに新卒入社。児童発達支援・放課後等デイサービス「LITALICOジュニア」を経て、通信制高校サポート校「LITALICO高等学院」の立ち上げに従事。現在はLITALICOジュニア訪問看護事業部長として、「一人ひとりに合った支援を、必要とする人に届ける」ことを目指す。
ーーはじめに、LITALICOジュニアが大切にしていることや、これまでどのような形で支援の場を広げてきたのかを改めて教えてください。

市川さん:LITALICOジュニアでは、「そのひとりの『できるよろこび』をちからに。」をコンセプトに、お子さま一人ひとりの得意や苦手を見つけ、それぞれの特性に応じた支援を行っています。これまで4万5千人以上のお子さまと向き合ってきました。
2011年に通所支援をスタートした当時、世の中は集団での預かりが主流でしたが、私たちは保護者の方の視点に立ち、支援の様子をリアルタイムで見られるモニタリングシステムや、お子さまの行動の背景を分析してお子さまに合った関わり方を提案する仕組みをつくるなど、「一人ひとりに合わせた支援」を当初から実践してきました。
その後、2018年からは園や学校での環境調整を行う「保育所等訪問支援」や、ご家庭での関わり方をサポートする「ペアレント・トレーニング」など、お子さまが実際に生活する環境へと支援の場を広げてきたという経緯があります。

ーーその中で、今回「ご自宅への訪問」という形での支援を始めたのはなぜですか?

市川さん:やはり「ご家庭内での困りごとに直接アプローチすること」の必要性を強く感じるようになったのが、今回の大きなきっかけです。教室という整った環境ではできても、自宅に戻ると身辺自立が難しいというお声や、不安感などからおうちの中だけで過ごされているお子さま、あるいは医療的ケアや重度心身障害があり外出が難しいお子さまなど、従来の通所サービスだけでは十分に伴走しきれなかったご家庭があります。
いつでも、どこにいても、その子がその子らしくいられる環境をつくりたい。その想いから、家庭という最もプライベートな生活空間に入り、丁寧に支援ができる「訪問看護・発達支援」サービスを立ち上げました。

訪問看護の実績とLITALICOジュニアを掛け合わせる

ーー医師の指示のもとで提供される訪問看護ですが、どのような体制で運営していますか?

市川さん:もともと、小児から高齢者まで幅広い訪問看護サービスを提供し、特に小児領域において先駆的な取り組みを重ねてきた株式会社VISIT(2023年グループ会社化)のチームが組織として統合する形でスタートしています。
その上で、私たちがこれまで通所支援で培ってきた発達支援のノウハウや研修プログラムを、訪問する看護師やPT(理学療法士)、OT(作業療法士)、ST(言語聴覚士)の全員が受講し、お互いの専門性を掛け合わせる体制をとっています。

ーーさまざまな専門スタッフがチームで支えてくれるのは、ご家族にとっても心強いですね。具体的には、どのような場面でその連携が活きてくるのですか?

市川さん:ご家庭(訪問看護)、教室(通所支援)、学校・園(保育所等訪問支援)。お子さまが生活するそれぞれの場面で専門家が連携し、一貫した視点で環境調整やスキル獲得をお手伝いできる体制を、少しずつですが形にしていきます。

「LITALICOジュニア 訪問看護・発達支援」の仕組みとポイント

国の訪問看護制度に則り提供される「LITALICOジュニア 訪問看護・発達支援」は、主治医の指示のもとで受ける公的な医療保険適用サービスです。利用の仕組みとサービスとしての特長を整理しました。

利用の仕組み

・主治医(医師)の「指示書」に基づいてスタートします
保護者の方やLITALICOの判断だけで開始することはありません。まずはご面談でお困りごとを伺い、どのような支援が可能かをご提案した上で、お子さまの主治医(小児科や児童精神科などの医師)の診断を受け、「訪問看護指示書」を発行していただくことで正式にスタートします。

・訪問看護は「医療保険」の適用対象です
国の医療保険が適用されるサービスであるため、自治体の「乳幼児医療費助成」や「こども医療費助成」などの対象となります。そのため、多くのご家庭で少額の自己負担でご利用いただくことが可能です。

3つのポイント

1. 有資格者によるサービス
ご自宅へ伺うのは、国の基準で定められた看護師、理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)の国家資格を持った専門スタッフです。医師の指示のもと、お子さまの状況や支援の目的に合わせて、最適な有資格のスタッフが訪問します(※制度に則り、看護師が定期的に訪問します)

2. さまざまな状況にあるお子さまへの在宅支援
発達障害のあるお子さまをはじめ、医療的ケアが必要なお子さまなど、さまざまな状況にあるお子さまを対象としています。主治医の指示のもと、お子さまの状況に合わせた適切なアプローチを行います。

3. ご家族へのサポートと環境へのアドバイス
お子さまの特性を踏まえた関わり方のアドバイスだけでなく、お子さまが普段過ごされている自宅の学習机や椅子、おもちゃの配置、生活動線といった「生活環境」に対する具体的なアドバイスを行います。また、ご家族の日々の不安や悩みに寄り添いながら、ご家族の日常生活におけるお困りを軽減するためのサポートを行います。
※クリックするとLITALICOジュニア 訪問看護・発達支援のサイトに遷移します

初めて訪問看護・発達支援を利用する際のよくある質問

「家に支援者を迎え入れる」ということに対し、不安を感じる保護者の方も多いかと思います。現場を統括するエリアマネージャー・理学療法士の後藤さんに、よく寄せられる質問について聞きました。
Q. 部屋が散らかっていますが、片付けないとダメですか?
A: 普段のありのままの環境を見せていただくからこそ、そのご家庭の家具の配置や動線に合わせた持続可能な工夫を一緒に考えることができます。よそ行きではない、いつもの生活空間で一緒に考えていきましょう。

Q. 子どもの機嫌が悪くて、部屋から出てこないかもしれないのですが……。
A: 特に不登校のお子さまなど、最初は部屋から出てこられなかったり、気持ちの波があったりすることは、私たちも「当然あること」として準備しています。出てこられない日はドア越しにお話ししたり、保護者の方から普段の様子を伺う時間に充てたりと、焦らず少しずつ関係をつくっていきますのでご安心ください。

Q. 支援者の方が来ている間、親はずっと横にいなければいけませんか?
A: 基本的にはその日の支援の目的に応じて、支援者がお子さまと向き合います。保護者の方はその間、少し離れてご自身の用事を済ませていただいても、もちろん一緒に見守っていただいても大丈夫です。その時の状況に合わせてご相談しましょう。
エリアマネージャー・理学療法士の後藤颯人さん(中央)と世田谷区三軒茶屋ステーションの皆さん
エリアマネージャー・理学療法士の後藤颯人さん(中央)と世田谷区三軒茶屋ステーションの皆さん
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今後の展望と、ご利用を検討されている方へ

2026年7月現在、LITALICOジュニア 訪問看護・発達支援は、世田谷区三軒茶屋ステーションをはじめ、足立区綾瀬ステーション、江戸川区船堀ステーションで実施しており、10月に巣鴨ステーションを開所予定となっています。
さいごに、この新しいサービスに込めた今後の展望や、ご利用を検討されている保護者の方へのメッセージを聞きました。

市川さん:ありがたいことに日々多くのご相談をいただいておりますが、まだ対象エリアが限られており、すぐにお伺いできない地域の方には心苦しく思っています。このサービスはまだ始まったばかりであり、ご利用者の方から率直なご意見やフィードバックをいただきながら、より良いサービスへと育てていきたいと考えています。
「訪問」と聞くと最初は少し敷居が高く感じられるかもしれませんが、決して1人で抱え込まず、まずはどのような形でお手伝いができるか、一緒にお話しさせていただければ幸いです。お気軽にお問い合わせください。
※クリックするとLITALICOジュニア 訪問看護・発達支援のサイトに遷移します
(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。

※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

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