学校に行く練習ではない、自分らしさを探す場所。通信制高校サポート校で育む安心感と自信【学校現場から】

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LITALICO高等学院
ライター:LITALICO高等学院
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通信制高校サポート校 LITALICO高等学院のセンター長が、お子さまの思いに寄り添うヒントや実際の取り組みをお届けする連載コラム。 今回は、行き渋りや外出への不安に焦るご家庭に向けて、今大切にしたい視点と、自分のペースで環境を調整しながら自分らしさを見つけた生徒さんの日常をご紹介します。

ふと頭をよぎる、先の見えない不安

お子さまが学校から足が遠のいたその日から、ご家庭の中の空気や時間の流れが変わったように感じられるかもしれません。 朝、静まり返った部屋のドアの前で、「今日はどうする?」と声をかけるべきか迷い、言葉を喉の奥で飲み込んでしまう……そんな保護者さまの切実な葛藤を、私たちはこれまでたくさん伺ってきました。

「少しでもラクにしてあげたい」「この子の未来を守ってあげたい」という一心だからこそ、どう動けばいいのかわからず、もどかしい気持ち。 「この先、高校の進路はどうなるんだろう」「社会とうまくつながっていけるのかな」と、先の見えない不安がふと頭をよぎるのも、お子さまを心から大切に思っているからこその、ごく自然な感情だと思います。

大切なのは「なぜ行けないか」ではなく「どうすれば居心地がいいか」

LITALICO高等学院吉祥寺センターのスクール長として多くの生徒たちと向き合う中で、確信していることがあります。それは、学校に行きづらくなるということは、決してその子が弱いわけではないということです。ただ、全員が同じペースで同じ方向を向いて過ごす従来の環境が、たまたまその子の持つ豊かな感性や、今のエネルギー量に合っていなかっただけ。いわば「環境のミスマッチ」が起きている状態にすぎません。

むしろ、周囲に合わせようと見えないところでたくさん気を配り、すり減るまで頑張ってきたからこそ、心が「これ以上は無理をしなくていいよ」と安全ブレーキをかけてくれたのだと思います。

だからこそ、過去の理由を掘り起こして原因探しをする必要はまったくありません。大事なのは、視点をこれからの未来に向けて「じゃあ、どんな場所や工夫があれば、自分らしくラクにいられるだろう?」と、その子にフィットする新しい過ごし方を一緒につくっていくことです。
ホワイト時間の見通しを持つための仕組み
時間の見通しを持つための仕組み
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自分に合わせた環境づくりで広がった、Cさんの新しい世界

LITALICO高等学院は、「学校に行く練習をする場所」ではありません。 一人ひとりの好きなこと・興味・強みをスタッフが一緒に探しながら、その子らしい居場所をつくっていきます。

入学前のCさんは、新しい環境への不安や強い緊張から、自分の気持ちを言葉にしたり、動いたりすることが少し難しく感じられる時期もありました。外出や移動にも大きなエネルギーが必要で、公共交通機関を利用することへのハードルも高く感じていたそうです。

そこで当学院では、無理に話してもらおうとはせず、Cさんの「安心感」を第一に考えました。紙にイラストを描いてみたり、一緒にインターネットで好きなことを検索したりと、Cさんの好きなことを通じて少しずつ心の距離を縮めていくことからスタートしたのです。

すると、入学が決まったことをきっかけに「ここなら大丈夫」という安心感が自信へと変わり、あんなに遠く感じていた学校への通学が、ハードルが高く感じられていた電車通学が、できるようになったのです。その主体的な一歩は、本当に素晴らしい変化でした。

入学後も、さまざまな発信方法をスタッフと一緒に試していきました。「話す」ことだけにこだわらず、ホワイトボードを使った意思表示など、Cさんが一番ラクだと感じる方法を取り入れることで、自分の気持ちを伝える機会がどんどん増えていきました。

毎月のマイプラン面談(生徒の個別面談)に加え、日々の小さな悩みもすぐに拾い上げる個別の時間を確保できていたことも、Cさんにとっては安心に繋がったのかもしれません。そして、入学後数か月経ちましたが、Cさんは、自分の足で登校を続けています。 さらに素晴らしいのは、Cさん自身が「自分の学習環境を自分でプロデュースできるようになった」ことです。

「今日は少し疲れているから、自宅学習でマイペースに進めよう」「今は集中したいから、スタンディング(立ちながら)で勉強しよう」と、自分の心と体の声を聞きながら、無理のないレポートの進度を自分で考えてチャレンジしています。周りに合わせるのではなく、自分にとって最適な環境を自分で見つけ、日々を心地よく楽しんでいます。
ホワイトボードを活用した意思表示
ホワイトボードを活用した意思表示
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結び

LITALICO高等学院では、早期の対応で不安が積み重ならないような仕組みづくりを心がけています。

不登校経験があったり、やりたいことが見つからないけれど高校に行きたいなど、さまざまな思いを抱えている中学生と保護者の方向けに個別相談を随時受け付けています。お子さまが「まだ学校の話ができる段階じゃない」という場合でも、ぜひ一度話しかけてみてください。答えはすぐに出さなくていいです。でも、出口は必ずどこかにあります。

執筆/通信制高校サポート校 LITALICO高等学院スクール長 佐久本奈緒
※クリックするとLITALICO高等学院のサイトに遷移します
(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。

※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

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