ルールを守りたい特性が「チクリ」と誤解され…「学校に行けているから大丈夫」じゃなかった、発達障害の息子が6年間耐え続けた同級生トラブル【読者体験談】

ライター:ユーザー体験談
ルールを守りたい特性が「チクリ」と誤解され…「学校に行けているから大丈夫」じゃなかった、発達障害の息子が6年間耐え続けた同級生トラブル【読者体験談】のタイトル画像
Upload By ユーザー体験談

ASD(自閉スペクトラム症)グレーゾーンでADHD(注意欠如多動症)の診断がある息子。小学校に入った頃から、強い言葉を使う同級生の存在は気になっていましたが、最初は「特定の誰かを狙っているわけではない」と聞き、様子を見ることに。けれど学年が上がるにつれ、ルールを守りたい息子の特性も重なり、その生徒との衝突は少しずつ増えていきました。【発達ナビではユーザーさんからの子育てエピソードを募集中!今回は「発達特性のある子どもの友だちトラブル」についてのエピソードをご紹介します】

監修者室伏佑香のアイコン
監修: 室伏佑香
東京女子医科大学八千代医療センター 神経小児科
名古屋市立大学大学院 医学研究科 生殖・遺伝医学講座 新生児・小児医学 博士課程
筑波大学医学部卒。国立成育医療研究センターで小児科研修終了後、東京女子医科大学八千代医療センター、国立成育医療研究センター、島田療育センターはちおうじで小児神経診療、発達障害診療の研鑽を積む。 現在は、名古屋市立大学大学院で小児神経分野の研究を行っている。
お子さんのプロフィール
  • 年齢:14歳 
  • 診断名:ADHD(注意欠如多動症)、ASD(自閉スペクトラム症)の傾向あり 
  • 診断時期:10歳 
  • エピソード当時の年齢:7~12歳 

1学年1クラス、6年間同じメンバーで過ごした小学校

息子が通っていた小学校は、1学年1クラスでした。クラス替えはなく、6年間ずっと同じメンバーで過ごす環境です。そのクラスの中に、低学年の頃から少し気になる男の子がいました。

彼は基本的には明るく元気で幼いところもある子でした。ただ、年の離れたお兄さんがいるそうで、青年向けの漫画などに出てくるような、強い言葉や刺激の強い表現を使うことがありました。

小1のある日、息子が驚いた顔で帰ってきて、こう言いました。
「今日、学校ですごいこと言われた」
息子から聞いた言葉は、息子を罵倒する言葉だったのですが、小1の子どもが使うにはかなり強い表現でした。私は正直、びっくりしました。少なくとも、子どもには聞かせたくない言葉でした。

息子に聞くと、その同級生は息子にだけでなく、ほかのクラスメイトにも同じような言葉を言っているとのこと。迷いましたが、連絡帳で先生に「本日息子はこのように言われたそうなのですが……」と相談をしました。するとすぐ先生からお電話をいただきました。

「申し訳ございません。その生徒は強い言葉を使ってしまう傾向があって……。息子さんがおっしゃるように、特定の誰かだけではなく、クラスの子たち全員に言っている状況です。それも問題ではあるのですが、学校とご家庭で対応しているところです」

息子個人が狙われているわけではないこと、息子自身もその時点ではそこまで気にしていないように見えたこともあり、私はひとまず様子を見ることにしました。

ルールを守りたい息子と、強い言葉を使う同級生

学年が上がるにつれ、その同級生と息子は少しずつ衝突するようになりました。息子はいわゆる「チクリ魔」と言われやすいタイプでした。ルールを守らないことがとても気になるのです。

「廊下を走っていた」
「掃除をさぼっていた」
「いけないことを言っていた」

そうしたことを、頻繁に先生に言っていたようです。

息子にはASD(自閉スペクトラム症)傾向もあり、融通が利きにくいところがあります。本人にとっては「悪いことは悪い」「先生に伝えるべき」という感覚だったのだと思います。一方で、周りの子どもたちからすると、それが「すぐ先生に言う」と受け取られてしまうこともあったのかもしれません。

息子は休み時間は一人教室で読書をしているタイプでした。のちに知ったことですが、この頃からその男の子や周りの生徒たちが、息子の席の近くに来て、はやし立てるようなこともあったようです。

ただ、当時の私は、家で息子から詳しい話を聞けていたわけではありませんでした。
息子は学校のことをあまり細かく話すタイプではありません。嫌だったことを聞いても、すぐ忘れてしまうのか、言葉にするのが難しいのか、あまり話が出てこないのです。
私は「学校には行けているし、大丈夫なのかな」と思っていました。

小5でほかの保護者から聞いた「最近、息子くんが……」

本格的に「これは親が介入したほうがいい」と思ったのは、小5のときでした。
ある日、ほかのお母さんから、こんなふうに声をかけられました。
「うちの娘から聞いたんだけど、Aくんが息子くんをいじめているって……」
私は驚きました。
家に帰って息子に聞くと、息子は「あきらかに僕に絡んでくることが多い」と認めました。
「どんなことをされるの?」と聞くと、息子が触ったものを汚いもののように扱われたり、息子に向けて強い言葉を何度も言ってくるとのことでした。

聞いていくと、思っていた以上にしんどい内容でした。
私は「これは学校に相談したほうがいい」と思ったのですが、息子は嫌がりました。
「先生の前でもやられてるし、先生が『やめなさい』って言ってもやめてくれないから、意味ないよ」
「むしろ、言ったら余計にいじめられるから嫌だ」

そこまでの状態だったのかと、私はショックを受けました。
学校への相談を提案するも、あきらめ顔で語る息子
学校への相談を提案するも、あきらめ顔で語る息子
Upload By ユーザー体験談
「学校に行きたくないと思うことはないの?」と聞くと、息子はこう答えました。
「行きたくないけど、まあ、ずっと関わっているわけじゃないし」

息子は、気持ちの切り替えがとても早いところがあります。さっきまで泣いていたのに、次の瞬間にはけろっとしていて、親がびっくりすることもしばしばです。
その切り替えの早さが、息子が学校に通い続けられた理由のひとつだったのかもしれません。
でも、それは平気だったということではなかったのだと思います。
今振り返ると、息子が学校へ行けていたことで、私も周囲も、息子のつらさを少し軽く見てしまっていたのかもしれません。
児童支援最大化バナー
次ページ「学校に相談。先生は把握していたけれど、根本的な解決には至らず……」

追加する

年齢別でコラムを探す


同じキーワードでコラムを探す



放課後等デイサービス・児童発達支援事業所をお探しの方はこちら

放課後等デイサービス・児童発達支援事業所をお探しの方はこちら

コラムに対する投稿内容については、株式会社LITALICOがその内容を保証し、また特定の施設、商品及びサービスの利用を推奨するものではありません。投稿された情報の利用により生じた損害について株式会社LITALICOは一切責任を負いません。コラムに対する投稿内容は、投稿者の主観によるもので、株式会社LITALICOの見解を示すものではありません。あくまで参考情報として利用してください。また、虚偽・誇張を用いたいわゆる「やらせ」投稿を固く禁じます。「やらせ」は発見次第厳重に対処します。