発語ゼロだった息子が1歳9か月で初めての「母ちゃん」!?でも昨日の「できた」が消える日々は続き…【専門家解説】

ライター:まるたおかめ
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1歳半をすぎても発語がほとんどなかった息子。人見知りも場所見知りもない息子を見て、とあることを思いついた私に聞こえてきたのは、初めて聞く「母ちゃん」でした。

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監修: 新美妙美
信州大学医学部子どものこころの発達医学教室 特任助教
2003年信州大学医学部卒業。小児科医師として、小児神経、発達分野を中心に県内の病院で勤務。2010年信州大学精神科・子どものこころ診療部で研修。以降は発達障害、心身症、不登校支援の診療を大学病院及び一般病院専門外来で行っている。グループSST、ペアレントトレーニング、視覚支援を学ぶ保護者向けグループ講座を主催し、特に発達障害・不登校の親支援に力を入れている。 多様な子育てを応援するアプリ「のびのびトイロ」の制作スタッフ。

1歳半健診を終え、少しずつ成長していたけれど……

1歳半健診でひと言も話すことなく終了した息子でしたが、少しずつ成長を感じる場面が増えていました。
少しずつ成長を感じる場面が増えていました
少しずつ成長を感じる場面が増えていました
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児童館や公園で年齢が近い子と遊んだ時は、私のサポートがあればおもちゃの貸し借りができることがありました。きっと私の真似をしているんだろうなと感じるような発語は僅かにありました。今思えばこの時期から「おうむ返し」のような感じだったのかなと思います。
ほぼすべてがおうむ返しなので、自発的な発語はゼロでした
ほぼすべてがおうむ返しなので、自発的な発語はゼロでした
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ただほぼすべてがおうむ返しなので、自発的な発語はゼロでしたし何かの名前を話したりすることもありませんでした。当時の話せることといえば、私の真似をしながら言える2語くらいだったように思います。もはやこれは発語ではない気もしますが……(笑)。でも当時は、これだけでも息子にとっては大きな成長のように感じて、少しずつできることは増えてる!大丈夫!!と言い聞かせていたし、うれしかったですね。

発語のない子が初めて母を呼んだ

この頃の息子は、本当に場所見知りもほとんどしないし人見知りもほとんどありませんでした。そんな性格もあって、一緒に公園に行くと私の前をズンズン進んで行ってしまうんです。
この頃の息子は場所見知りもほとんどしないし人見知りもほとんどありませんでした
この頃の息子は場所見知りもほとんどしないし人見知りもほとんどありませんでした
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時々後ろを確認はするけれど、5メートルくらいなら離れていても平気で1人で歩いて行っちゃう。
「どこまで1人で行くんだろう……」と気になって、私からは息子が見える位置で隠れてみることに
「どこまで1人で行くんだろう……」と気になって、私からは息子が見える位置で隠れてみることに
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ふと「どこまで1人で行くんだろう……」と気になって、私からは息子が見える位置で隠れてみることにしました。
すると息子は……
すると息子は……
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ちょっとしたイタズラ心でしたが……
初めて「母ちゃん」と呼ぶ声が聞こえました!
初めて「母ちゃん」と呼ぶ声が聞こえました!
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息子から初めて「母ちゃん」と呼ぶ声が聞こえました!
多分、いや絶対(笑)母ちゃんって呼ばれた気がしてとってもうれしかったです!!
息子が初めて私を呼んだのは1歳9か月ごろのことでした。
息子が初めて私を呼んだのは1歳9か月ごろのことでした。
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この時からたどたどしい発音だったんだなぁと今描きながらしみじみ感じております……。

息子が初めて私を呼んだのは1歳9か月ごろのことでした。きっと早ければ二語文を話し始めるお子さんもいるだろう時期に、やっと初めて「母ちゃん」が言えました。うれしがる私を不思議そうにみる息子の顔は、今でも覚えています。

ここからどんどん発語が増えるかも……!?とワクワクしましたが、現実はそんなに甘くなくて……それ以降も発語はほとんどないし、わんわんもにゃあにゃあも言えないどころか、一度は言えた「母ちゃん」もこの日以降しばらく聞くことはできませんでした。言えなかったのか、言わなかったのかは分かりませんが、この時期の「何も積み上がっていかない感じ」はかなりしんどかったように思います。

言えた言葉もできたことも、明日またできるとは限らない。本当に成長しているのか、この頃も毎日インターネットと睨めっこしながら育児に励んでいました。そして2歳を過ぎた頃、ある悩みが爆発してしまい、私は一大決心をしてあることを辞めることを決めます。
そんなお話はまた次回。

執筆/まるたおかめ

専門家コメント 新美妙美先生(小児科医)

発語の少なかった時期に、初めて「あちゃー(母ちゃん)」と呼んでもらえた時の喜びを聞かせてくださりありがとうございます。言葉の遅れを心配しながら過ごしている保護者の方にとって、お子さんから初めて名前を呼んでもらえる瞬間は、何にも代えがたい宝物ですね。「たった一言」ではなく、それまで積み重ねてきた不安や願いが報われたような、大きな出来事だったことが伝わってきました。
1歳6か月健診では、有意語が出ているかどうかが1つの目安として確認されますが、実際には言葉が出始める時期にはかなり個人差があります。また、発語だけでなく、言葉を理解する力、指さしやジェスチャー、表情、模倣など、コミュニケーション全体の発達を合わせて見ていきます。発語が遅いと焦る気持ちになるのは親心ですが、本人が理解しやすく、楽しいと感じられるやりとりや関わりを積み重ねていくことが大切ですね。

また、発語に関しては、「昨日言えたのに今日は言わない」「一度できたことが続かない」ということもよくあります。記事にもあるように、「何も積み上がっていかない感じ」がしてしまう時期は、保護者にとって不安になる時もあるかもしれません。 しかし、発達は毎日少しずつ右肩上がりに伸びていくものではなく、できたりできなかったりを繰り返し、一見後戻りしたように見えながらも、少しずつ力が定着していくことも少なくありません。

インターネットで同じ月齢のお子さんの様子を調べては不安になってしまうという経験も、多くの保護者の方が通る道です。だからこそ、周囲と比べることだけではなく、お子さん自身の小さな変化や成長に目を向けることが大切なのだと改めて感じました。

この「あちゃー(母ちゃん)」の一言は、当時のお母さんにとって大きな希望になったことと思います。その時の気持ちを丁寧に振り返ってくださったことで、今まさに言葉の発達を心配しながら子育てをしている多くの保護者の方に、「焦る気持ちは自分だけではない」と優しく寄り添い、小さな成長を信じて待つ勇気を与えてくれる体験談だと感じました。(監修:小児科医 新美妙美先生)
前の記事はこちら
https://h-navi.jp/column/article/35031118
(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。

※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
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