口コミが良い病院で「危ないので診れません」と診察拒否。不安が強いASDの息子に合った「病院選び」のコツ

ライター:メイ
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こんにちは。メイです。
息子のトールは現在中学2年生。ASD(自閉スペクトラム症)とADHD(注意欠如多動症)の診断を受けています。
今回はトールが小さい頃の、病院に関するお話です。

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監修: 室伏佑香
東京女子医科大学八千代医療センター 神経小児科
名古屋市立大学大学院 医学研究科 生殖・遺伝医学講座 新生児・小児医学 博士課程
筑波大学医学部卒。国立成育医療研究センターで小児科研修終了後、東京女子医科大学八千代医療センター、国立成育医療研究センター、島田療育センターはちおうじで小児神経診療、発達障害診療の研鑽を積む。 現在は、名古屋市立大学大学院で小児神経分野の研究を行っている。

口コミが良い病院へ行ったのに……診察室で暴れて診察拒否

トールがまだ幼稚園に通っていた3歳くらいの頃、病院を探すのが大変だったことがありました。
急遽、耳鼻科にかからなければならなくなったので、インターネットの口コミを見て探した病院に行きました。その病院は家から行きやすくキッズスペースもあって、子どもを連れて行った親御さんからの口コミも良い病院でした。
インターネットの口コミを見て探した病院へ
インターネットの口コミを見て探した病院へ
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しかしいざ受診してみると、トールは診察室の椅子に座ることも拒否し、大泣きしてしまいました。耳鼻科の先生の頭につけている額帯鏡が怖かったようです。
無理やり座らせようとしても暴れて逃げようとし、「危ないので診察することはできない」と告げられてしまいました。

その時は耳から膿が出ている状態で、初めての症状だったのに診てもらうことができず、どうしたらいいんだろうととても不安に思ったことを覚えています。診察してもらえなかったことへのショックも大きかったです。

引っ越しで再び病院探し。前の病院と同じ対応はしてもらえず……

後日、別の耳鼻科で無事に診察を受けることができ、しばらく通っていました。しかし数年後に、再度引っ越しすることになりまた新しい耳鼻科を探さなくてはならなくなりました。
以前と同じように、インターネットで口コミを調べて行ったのですが、そこでもまたうまく診察を受けることができませんでした。
うまく診察を受けることができませんでした
うまく診察を受けることができませんでした
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引っ越す前に通っていた耳鼻科では、トールが怖がることがあると別の方法をとって対応していただいていました。新しい病院でもそのことを伝えたのですが、同じように対応していただくことができなかったのです。
また別の耳鼻科を探し直して、その後無事トールが安心して通える耳鼻科を見つけることができました。

トールにとっての「良いお医者さん」とは?

未知のことに大きな不安を感じるトールにとって、初めての診察はものすごくストレスがかかります。必要な診察や検査だと頭では分かっていても、気持ちを整理する時間が必要で、そんなトールを待ってくれるお医者さんが「トールにとっての良いお医者さん」でした。
トールが安心して通える病院のお医者さんは、まだ小さなトールの言葉に耳を傾けてくれる方ばかりでした。トールが「初めての検査が不安である」ことを口にすると、これからどんな検査をやるのか、本人に分かるようにちゃんと説明してくれたり、症状や今後のことなど自分の口で話したがるトールの話を、きちんと聞いてくれました。
自分の口で話したがるトールの話をきちんと聞いてくれました
自分の口で話したがるトールの話をきちんと聞いてくれました
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口コミではみんなが「良い」と言っている病院なのに、トールは診察すら受けられなかった……とショックで私のほうが動揺してしまったこともありました。
その時は、トールに我慢するよう言い聞かせ、無理にでも受診させたほうがいいのかと、考えたこともありました。
でも今では、ショックを受けたり我慢させたりする必要はなかったと思っています。

執筆/メイ

専門家コメント 室伏佑香先生(小児科医)

耳鼻科の診察は、耳や鼻の近くに器具が入ったり、普段見慣れない器具を使ったりするため、多くのお子さんにとって怖さを感じやすい場面の1つですよね。

検査や治療の内容自体は変わらなくても、何が怖いのか、どこまでならできそうなのかを確認しながら、ご本人が見通しを持てるようにすることで、恐怖感が和らぐこともあります。「これから耳を見るよ」「痛いことはしないよ」「ここを診たらおしまいだよ」など、短く具体的に説明したり、使う器具を先に見せたりすることも、安心につながる1つの方法です。

こうした関わりは、もちろん耳鼻科に限ったことではありません。お子さんの不安や言葉に耳を傾け、必要に応じて少し待ったり、その子に合わせて方法を工夫したりしてくれる医療者との出会いは、とても大切だと思います。

受診のたびに強い恐怖を経験すると、その経験から、その後の診察に対する不安がさらに強くなることもあります。一方で、「きちんと説明してもらえた」「待ってもらえた」「自分でできた」という経験を重ねることで、少しずつ安心して受診できるようになるお子さんもいます。

もちろん、症状によっては早急な診察や処置が必要で、安全のためにご本人の希望通りの方法を選べないこともあります。それでも、できる範囲で本人に説明し、気持ちを尊重しながら診療を進めていくことは、その子がこれからも安心して医療を受けていくための大切な土台になるのではないかと思います。

これは子どもに限ったことではありません。誰にとっても、「安心して通える」と感じられる医療機関に出合えることは、とても大切なことだと思います。私自身も、子どもやご家族にとって安心して受診できる医師でいられるよう、日々心がけていきたいと思います。(監修:小児科医 室伏佑香先生)
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https://h-navi.jp/column/article/35031208
(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。

※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。

ADHD(注意欠如多動症)
注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。
ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
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このコラムのコメント1件
2026/09/27 15:27
わかります!私の娘も注射が嫌で、暴れたことがあり、無理と言われたことがあります。

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