「なぜ僕だけ?」週1回の特別支援教室に行きたくない中1・ASDの長男。先生と対話を重ねながら見守る日常

ライター:taeko
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中学1年生の長男・ミミ(ASD/自閉スペクトラム症)が通う、週1回の特別支援教室。「自分だけが行くのは嫌だ」という本音もあるようですが……。さまざまな学びと工夫が行われています。

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監修: 鈴木直光
筑波こどものこころクリニック院長
1959年東京都生まれ。1985年秋田大学医学部卒。在学中YMCAキャンプリーダーで初めて自閉症児に出会う。同年東京医科歯科大学小児科入局。 1987〜88年、瀬川小児神経学クリニックで自閉症と神経学を学び、栃木県県南健康福祉センターの発達相談で数々の発達障がい児と出会う。2011年、茨城県つくば市に筑波こどものこころクリニック開院。

なんで行かなくちゃいけないの?

中学1年生の長男・ミミ(ASD/自閉スペクトラム症)は、中学で特別支援教室に週1回(2時間)通っています。
入学後、特別支援教室が始まると、その時間は小学校の時と同様に通常授業を抜けることになるため「抜けた授業の内容が分からなくなる」と不満を言うように。そして「ほかにもサポートが必要そうな子はいるのに、なんで僕が行かなきゃいけないんだ」とも。
通常授業を抜けることになるので……
通常授業を抜けることになるので……
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週1回の大切な時間

そんなマイナスな気持ちでのスタートでしたが、特別支援教室ではさまざまな工夫が行われています。

例えば毎回、その日の体調、心の調子、給食、クラス、今の自分の頑張り度などを5段階のマークシートで記入します。気分が良かった日や良くない日があり、具体的に書く欄には「先生が怒っていて嫌だった」などと本音が書いてあることも。気持ちを吐き出すことで、心がラクになる効果がありそうだなと思いました。ちなみに食べられるものが少ない給食の項目は毎回「2」です。

授業では、基本的な挨拶や敬語などのマナーを学んだり、集中力を身につけるためにたくさんの絵の中から同じ絵を探す課題などに取り組んだりしています。そのほか、「モルック」というゲームを通して、仲間と相談したり応援・協力したりすることで、関わり合いを学んでいます。

7月頃からは、「周りの人と自分は異なる考えを持っている」「人の考え方に興味を持とう」といった、他者理解の学びも始まりました。

さらに、テスト勉強の計画を立てるプリントがあり、見通しを持って学習を進められるのもありがたいと感じています。授業が終わると、連絡帳に自己評価を記入してクラスの担任の先生とも共有し、週1回家に持ち帰ってきます。
その日の体調、心の調子、給食、クラス、今の自分の頑張り度などを5段階のマークシートで記入します
その日の体調、心の調子、給食、クラス、今の自分の頑張り度などを5段階のマークシートで記入します
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気持ちを書き出し、会話することで心がラクになる効果もありそうです
気持ちを書き出し、会話することで心がラクになる効果もありそうです
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マスクを外したくない!?

ミミはいつもマスクを付けているのですが、ある日、特別支援教室の先生から「マスクを外そう」と言われたことが嫌だったと話してくれました。

私は先生に、「ミミはこだわりが強く、給食以外は常にマスクを付けていること」を伝えました。実際のところミミは「自分の菌を周りに撒き散らしたくない」と言っていました。私は、「ハマっているゲームの主人公になりきっているのでは?」と思うのですが……。
マスクを取らない理由は……
マスクを取らない理由は……
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先生とお話ししながら

9月には初めての面談があり、家での様子を伝えたり、授業中のできごとを聞いたりすることができました。

割り箸鉄砲を作った際、うまくいかず先生に手伝ってもらいながら作成したとのこと。「ウチでは立体物よりも、平面に絵を描くことが多いです」と、ミミの得意なことも先生に伝えました。

特別支援教室に対しては、まだまだマイナスイメージや抵抗感が多いミミですが、先生とコミュニケーションをとりながら見守っていきたいと思います。
割り箸鉄砲を製作したりもしています
割り箸鉄砲を製作したりもしています
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執筆/taeko

専門家コメント 鈴木直光先生(小児科医)

特別支援教室で教える先生方が、必ずしも特別支援に関する専門的な研修やサポートを十分に受けられる環境にあるとは限らないのが現状です。本来であれば、自治体の教育委員会などで知的発達症や神経発達症に関する専門知識を学んだ上で担当できるようになることが望まれます。お子さんたちが特別支援級にマイナスのイメージを抱いてしまう理由の一つに、先生方による関わり方の違いに戸惑ってしまうケースは少なくありません。先生方が共通の基礎知識を持ち、安心して支援に向き合える体制づくりが求められます。 (監修:小児科医 鈴木直光先生)
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https://h-navi.jp/column/article/35031262
(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。

※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
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