「なぜ◯◯君は喋らないの?」同級生の質問に先生がとった行動は…

2016/04/06 更新
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広汎性発達障害と場面緘黙のある長男。その長男の担任から「クラスメイトを対象に、○○くんを知ろう授業しませんか?」と提案をもらいました。息子の為にと先生が考え提案してくれたこと。考えた末に、その授業を行いました。その結果、良かったことも多かったですが、多くの気づきを得ました。その体験談です。

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多原美加
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自分の想いを口にするのが苦手な息子

幼少期から息子はとてもおとなしく自己主張しない子だったので、「何でこの子はこれができないんだろう?」「何で喋らないのだろう?」と疑問を持ちながら子育てをしていました。

小学校に入学後から、多くの困難さが現れましたが、一番困ったのは、想いを口にしないこと、伝えないことでした。いわゆる緘黙です。
学校の事は話さない、友達の話もしない、勉強で何が分からないのかも話さない。

それが目立ち始めたのは小4ぐらいからでした。
その頃に、気軽に精神科を受診してみたところ、広汎性発達障害と場面緘黙症があると診断を受けました。

病院の先生から「この子は、周りの大人が想像する以上に困っています。不安なんですよ。おとなしいから周りは分からないだけです。それを知ってください。」と言われました。
息子の困難さに気付いてあげられていなかったことが、とてもショックでした。

「どうして○○君は喋らないの?」

小学6年の時。息子のクラスメイトから「どうして○○君は喋らないの?いつも宿題を忘れるの?」と先生は聞かれたようです。
周りのお友達から息子が「○○!喋ってみろよ!」「ほら、笑ってみて!」と肩を突かれるのを私も見かけた事があります。それでも息子は表情ひとつ変えずにいます。

そんな様子を見た担任の先生から、クラスメイトが障害の事を知れば、この子の助けになるのではないか?と考えたようです。
そして私に「○○くんを知ろう授業をしてみたいのですが、いかがでしょうか?」と声をかけてくださいました。

私は良いチャンスかもとも思いましたが、正直迷いました。
本当にそんな授業をして良いのだろうか?いろいろなメリットとデメリットを考え、心理士にも相談しました。

最終的に「この子はいずれ社会に出ていくのだから、知ってもらう事が必要になる。それがこの子の理解に繋がる」と考え、その授業をしようと決断しました。

いよいよ授業当日!

授業をする前に、1番大事なこと。息子本人に授業のことを伝えて、気持ちを確認しました。息子は「その授業をしてもいいよ。」と言いました。その代わり、自分が居ない場所で話してほしいとの要望でした。

息子は別室にて待機しました。その間に、予め話し合って決めた内容に沿い、先生からクラスメイト達へ息子の障害を伝えられました。ここで気をつけたことは「事実をきちんと話す」こと。「誤魔化したりしないで素直に伝えること」でした。

そして、どのように対応したら良いかも同時に伝えました。私は後部席から生徒達の様子を見ていました。涙する子もいました。私からも言葉を伝えました。「皆ひとりひとり違うこと。違っていいこと。困った時に誰でもいいから助けを求めること等」を話したように記憶しています。

「先生、教えてくれてありがとう!」

授業後の反応は「先生!○○君の事を教えてくれて、ありがとう!」「知ることができて良かった」とのお手紙があったそうです。その後、息子の事をからかう子はいなくなりました。

理解あるクラスメイトが増えた事はとても良かったです。
ですが、この授業が誰にとっての支援だったのか?と自問自答してきました。今もです。もしかしたら、この子を追い詰めてしまっていないか?とも考えました。この授業が良かったのか、悪かったのか、それが分かるのは数十年後かもしれません。

それでも私が心から嬉しかったことがあります。

それは頭であれこれ考えてしまう大人よりも、確実に子ども達の方が柔軟だったこと。優しい眼差しを向けてくれる子ども達が、たくさんいたことです。
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