通用しない一般論

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先日“頭が良い子が育つ家”というチラシ入っていました。

“キッチン学習”という言葉があるように「成績の良い子は食卓で勉強する」というものもあります。子どもには勉強部屋を与えず、親の目の届くところで会話しながら食卓で学習させた方が頭が良くなるということです。

でも、自閉症の子どもにはこれは通用しないことが多いのです。「なんでご飯食べる机で勉強するんだああ!」ということになります。だから机も「勉強机」「遊ぶ机」「食事をする机」とたくさん必要になります。

実際、療育の場面では“構造化”といって勉強するスペース、遊ぶスペース、おやつを食べるスペースと分けて、不安を取り除き療育しています。
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我が家は幸い家が狭いので、子ども部屋を高校生になる今でも与えていません。ですから、食事も遊びもお絵描きもお勉強もダイニングテーブルでやらせているので幸い一つのテーブルで済んでいます。

息子の頭の中では“すべての作業をするテーブル”という認識なのでしょう。

帽子以外にもう1つの例として、息子は幼児期に世界地図パズルが大好きでした。

ところがある時、カザフスタンの1ピースがなくなり大パニックに。自傷し身体が傷だらけになりました。パズルがなくなると身体を傷つけます。

だから、お金が倍かかってもスペアのために何セットも全く同じもの買っておきました。

その時はパズル屋さんになったものです。
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感覚が違うので寄り添おう

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これが水泳帽だけでは収まらず、外出用のセーター、学校用のセーターとそれぞれ必要になります。

もし、あなたが人が履いたスリッパをどうしても履けない特性を持っていたとしましょう。

そのときに「ダメです。人が履いたスリッパを履きなさい!」と命令されたら辛いですよね。マイスリッパを持ち歩いてそれを使いたいですよね。

人が使った歯ブラシを差し出され「みんなで同じものを使うべきです。だから、誰かが使った歯ブラシであなたの歯を磨きなさい!」と言われたら拒否したいですよね。

息子にとっては水泳帽子の使い回しを強要されるのはこれと同じことだったのです。帽子はたとえ自分だけが使うものであっても、違う場所で使うものを使うことが気持ちが悪いのです。
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私も含めて定型発達の人から見ると「なんでそんなことにこだわるんだ!使い回しすれば一つで済んで合理的じゃないか!」とつい考えてしまうのですが、それが絶対、受け入れられない人たちがいます。

私の知り合いの家族が「もったいないから」と家族4人で1本の歯ブラシを使っている家族がいますが、私は「気持ちが悪くないのかなあ?」と感じてしまいます。

こんな風に息子からすれば、水泳帽子を使い回している人の振る舞いが異様に映っているのかもしれませんね。

予備を揃えることにより多少費用がかかりますが、
それで本人が安定して過ごすことが出来るのならば、これからも自閉症児の母としてこだわりに応じてやりたいと思います。
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