障害、病気の進行…悩む長男の本音を警察からの連絡で知ったとき

ライター:多原美加
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発達障害と視覚障害のある子どもが、体調を崩していく。子どもが学校に行けなくなる。そして自宅に危ないものを持ち込んだりしたことも。その理由が分からずに戸惑う日々。ある日、警察から電話をもらい、初めて子どもの本当の気持ちを知りました。子どもの為にと、紹介してもらった視覚障害のある女性からの、ある言葉に助けられたました。その体験談です。

長男の病気が進行していく…

親子
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発達障害と社会不安障害と合わせて、長男には進行性の目の難病「網膜色素変性症」があります。怪我を防ぐ為にも、本人が目の病気について自覚しておく必要があると考えた私は、病名を告知する事にしました。

今思うとまだ幼い子どもに酷な事をしたなと思いますが、子どもたち全員を呼び、静かに淡々と病名を伝え話をしました。病名を聞いた子どもは不安そうな顔をしていました。

それから2年後、中学2年生の1学期頃から視野狭窄が進行し始めました。長男は、朝起きることができず学校へ行けない日も増えていき、顔色も悪く笑顔が消えていきました。

学校に行きたがらない息子に、何度もその理由を聞きますが教えてはくれません。私の頭の中は「なんで?どうして?」そんな思いがぐるぐるとめぐっていました。
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ある日警察から連絡が。長男の本音を知ることになった

うつむく子ども
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そんなある日、警察から電話がありました。

「お子さんのと思われる投稿がネットにあります。緊急性があると判断したので電話をしました。お子さんは今は元気ですか?」と言うのです。

ネットに投稿された内容は

「僕には目の病気があります。将来は手術したら治る可能性もあるみたいだけど、僕は弱い人間だからできません。頑張る事も無意味です。僕は今月中に死にます。」

衝撃しかありませんでした。長男の気持ちを知り、愕然としました。
頭が混乱する中で、私はこの子をどう支えたらいいのだろう?と考えていました。

ネット、SNSへの書き込みの中で特に緊急性があるものについては、警察へ連絡が届くそうです。このサイバーパトロールがなければ、長男の本当の気持ちには気づけなかったかもしれません。

私を支えてくれた視覚障害のある女性からのアドバイス

アドバイスをくれた人
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悩む私のために、と知り合いが視覚障害のある女性に連絡をしてくれました。

道下美里さんという、素敵な笑顔が印象的な視覚障害者マラソンの選手です。

早速、電話をして事情をお話しました。そして私は1番聞きたかったことを聞きました。

「私は、子どもをどう支えたらいいですか?」

その方は力強い声でこう言いました。

「お母さんは笑顔でどんと構えていたらいいです。

それだけでいいです。

そのうち自然に動きたいと思う日がきます

そうしたら手助けしてあげてください。」

正直、本当にそれだけでいいの?と思いましたが、道下さんとの電話の後に私は笑顔でいることを実践し始めました。

不安になる事もありましたが、笑顔で明るく接していきました。すると長男はゆっくりゆっくりと安定し、笑顔を取り戻していきました。
日本財団 パラリンピックサポートセンター 道下美里選手
出典:https://www.parasapo.tokyo/athletes/27/
次ページ「笑顔でどんと構えていること。それはどんな時にも力になる」

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