重度自閉症の彼がiPadで手にいれた「声」で教えてくれたこと

ライター:れーいちまま
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「あの子は自閉症だから、会話なんてできないよ」…本当にそうでしょうか?本当は誰よりも他人とつながりたいと願っていたら?そのための表現方法が無いだけだとしたら?
自閉症受容月間(Autism Acceptance Month)である4月に合わせて、Appleが一人の少年のムービーを公開しました。iPadの出会いが、彼の人生を変えてゆきます。

Appleが紹介した、自閉症の少年ディランの物語を知っていますか?

ディランは、人に気持ちを伝えたい、関わりたいという強い願いを持っていながらも、発語が困難だったために、長いあいだ他者とコミュニケーションをとることができませんでした。

他人との会話が難しい為に、まるで意志を持たない、心のない人間のように周囲からは見られてしまっていたのです。

そんな中、新しい技術に出会い、彼は「人と意思疎通ができない」という障害を崩すことができたのです。彼は最終的に、中学校の卒業式でスピーチも行っています。

人に伝える言葉を持ったことで、彼の大切な人と話すことができ、自分が彼らをどれだけ大切に想っているかを伝えられるようになった。

そのことを彼は、“No more isolation”(孤独からの解放)と表現しました。

動画「Dillan’s Voice」 iPadによって他者とのコミュニケーションが可能になったディラン

これは、Appleが「Autism Acceptance Month(自閉症受容月間)」の4月に合わせて公式サイトでリリースした、自閉症の少年の物語「ディランを紹介します。」のムービーです。

16歳の少年ディランがiPadとの出会いをきっかけに、それまで極度に困難だった他者とのコミュニケーションが可能になった話が描かれています。

話せないのは、「何も言いたくない」のとは違う

ディランの母、Tami(タミ)さんは、2歳半の時に、息子が自閉症だと気づきました。

それ以来、悩んでいたのが「息子とのコミュニケーション」。自分の息子が、何を考えているか、何を感じているかを知ることが非常に難しかったのです。

目を見て話してくれなければ、こちらの話も理解していないように思えてしまう。外見だけで判断すれば、周りの人は、彼が知性に欠けた人間のように感じるかもしれません。

しかし、タミさんは言います。「話せないことは、何も言うことがないのとは違うのです。」

動画「Dillan's Path」(日本語字幕付) ディランの母とセラピストが、ディランが言葉を手に入れるまでの日々を語る

タミさんは、最初にiPadを通してディランの声を聞いたとき、人生で一番の衝撃だったと言います。

ディランの声を聞けることを、人一倍素敵なことだと感じられているようです。

それはただ単に、息子の気持ちを知ることができた喜びだけではないでしょう。

コミュニケーションが取れるようになったことで、ディラン自身が世界とつながる幸せを感じられた。そのことが、彼女にとっての幸せでもあったのだと思います。

テクノロジーが「障害」を超えていく

「あの子は自閉症だから、会話なんてできないよ」

会話ができないことは事実です。
でも、本当は誰よりも他人とつながりたいと願っていたら?そのための表現方法が無いだけだとしたら?

iPadというツールとの出会いが、彼の人生を変えていきました。
これまで彼自身も周囲の人も困っていたコミュニケーションの障害が、テクノロジーの力で大きく変化したのです。

Appleは、医療研究者向けのオープンソース・ソフトウェアフレームワーク「ResearchKit」をリリースしており、iPhoneのカメラで幼児の表情から自閉症の可能性を診断する「Autism & Beyond」などのアプリも生まれています。

今後も様々な領域で研究が進み、テクノロジーが障害をなくしていくための強い味方になっていくことを願います。
ResearchKitについて Apple公式サイト
https://www.apple.com/jp/researchkit/

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