こだわりに疲れたときに読んでほしい絵本、「りゆうがあります」
ライター:鈴木希望
癇癪に質問責め、強いこだわり……発達障害の特性を持つ子どもの行動は、理解できないことだらけ。どうにか正そうと頑張り過ぎて疲れたときは、「りゆう」を探してみませんか?肩のちからをゆるめるきっかけになりそうな絵本、ご紹介いたします!
「りゆうがあります」という絵本を知っていますか?
遊歩道の縁石に上がって駆け出す6歳のR君と、それを追いかけるうちの6歳息子・ハル。
「あのね、俺が高いところを見つけると必ず上っちゃうのは、木から下りられなくなったネコを見つけたときに、助けてあげるための訓練をしているからだよ!」
こちらを笑顔で振り返り、きっぱりと言うR君。
「ネコを助ける……?」「訓練……?」
と、息子とわたしが首をかしげていると、
「ふふふ、『りゆうがあります』ね」
と微笑むR君のお母さん。
「えっ?R君が考えた理由なの?」
「ううん、そういう面白い絵本があるの。ハル君とのんちゃん(わたし)も、良かったら読んでみて!」
読書家で本選びのセンスがいい彼女のおすすめならばと、わたしは次の休日にその絵本を買いに出かけました。
「あのね、俺が高いところを見つけると必ず上っちゃうのは、木から下りられなくなったネコを見つけたときに、助けてあげるための訓練をしているからだよ!」
こちらを笑顔で振り返り、きっぱりと言うR君。
「ネコを助ける……?」「訓練……?」
と、息子とわたしが首をかしげていると、
「ふふふ、『りゆうがあります』ね」
と微笑むR君のお母さん。
「えっ?R君が考えた理由なの?」
「ううん、そういう面白い絵本があるの。ハル君とのんちゃん(わたし)も、良かったら読んでみて!」
読書家で本選びのセンスがいい彼女のおすすめならばと、わたしは次の休日にその絵本を買いに出かけました。
そのこだわりは、屁理屈ではなく「理由」なんだ!
主人公の男の子は「おぎょうぎがわるい」というクセだらけ。
鼻を鼻をほじったり、爪を噛んだり、貧乏ゆすりをしたり。
お母さんに注意をされてもなかなかやめられません。
そこで男の子は考えるのです……。
鼻を鼻をほじったり、爪を噛んだり、貧乏ゆすりをしたり。
お母さんに注意をされてもなかなかやめられません。
そこで男の子は考えるのです……。
ぼくは、ハナをほじるクセがある。おかあさんにいつもおこられる。りゆうは、「おぎょうぎがわるいから」だって。ぼくもなにかりゆうがほしい。ちゃんとしたりゆうがあれば、ハナをほじってもいいんじゃないだろうか。
鼻をほじるのは、「ハナのおくにあるスイッチをおして、あたまから“ウキウキビーム”をだすため」
爪を噛むのは「おとなにはきこえないおとをだして、ゴミすてばのカラスをおいはらうため」
お母さんにクセを指摘されるたびに、その場で「りゆう」を考えて伝える男の子。
次々出てくる屁理屈のような「りゆう」に、半分呆れて半分感心したような表情を浮かべるお母さんでしたが…
というストーリーでした。
爪を噛むのは「おとなにはきこえないおとをだして、ゴミすてばのカラスをおいはらうため」
お母さんにクセを指摘されるたびに、その場で「りゆう」を考えて伝える男の子。
次々出てくる屁理屈のような「りゆう」に、半分呆れて半分感心したような表情を浮かべるお母さんでしたが…
というストーリーでした。
人それぞれの「理由」は、外から見るだけではわからない。
アスペルガー症候群の当事者である息子とわたしには、それぞれこだわりがあります。
ですが、そこに固執してしまうのには自分たちなりの理由があるのです。
しかし、他の人からしたら、この絵本の主人公である男の子が言う「りゆう」と大差ない屁理屈なのかもしれないなと感じました。
そして、アスペルガー同士だからといって、お互いのこだわりについて理解ができるとは限りません。
つい先日は、本編を見る気のない映画の予告編を、繰り返し再生して喜び息子の姿を「何が面白いの?」と言いながら眺めることがありました。でも、これにだって息子なりに楽しいと思える「りゆう」があるのでしょう。
ですが、そこに固執してしまうのには自分たちなりの理由があるのです。
しかし、他の人からしたら、この絵本の主人公である男の子が言う「りゆう」と大差ない屁理屈なのかもしれないなと感じました。
そして、アスペルガー同士だからといって、お互いのこだわりについて理解ができるとは限りません。
つい先日は、本編を見る気のない映画の予告編を、繰り返し再生して喜び息子の姿を「何が面白いの?」と言いながら眺めることがありました。でも、これにだって息子なりに楽しいと思える「りゆう」があるのでしょう。
冒頭に出てきたR君、実は息子やわたしと同じ、アスペルガー症候群なのです。
「子どもに対して『りゆうがあります』のお母さんみたいに、楽しく接しられたらいいよね!」と笑っていたR君のお母さん。
もしかしたら、愛息子のこだわりを絵本の主人公である男の子の「クセ」に置き換え、「“りゆう”があるのかな?」なんて考えていたのでしょうか。
「子どもに対して『りゆうがあります』のお母さんみたいに、楽しく接しられたらいいよね!」と笑っていたR君のお母さん。
もしかしたら、愛息子のこだわりを絵本の主人公である男の子の「クセ」に置き換え、「“りゆう”があるのかな?」なんて考えていたのでしょうか。