WAIS・WISCとは?ウェクスラー式知能検査の特徴、種類、受診方法、活用方法のまとめ

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ウェクスラー式知能検査は、児童期や成人期において最もよく使われる知能検査のひとつです。ウェクスラー式知能検査にはどのような特徴があるのでしょうか?年齢ごとに異なる検査の種類や検査の受け方、結果の活用方法など、その概要をご紹介します。

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発達障害のキホン
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目次 ウェクスラー式知能検査とは?WAIS・WISCとは? WAIS-Ⅲとは WISC-Ⅳとは まとめ

ウェクスラー式知能検査とは?WAIS・WISCとは?

ウェクスラー式知能検査の概要

ウェクスラー式知能検査は、1938年刊行のウェクスラー・ベルビュー知能検査を起源とする、70年以上の歴史を持つ知能検査です。この検査は、知的発達の変動や個人差の大きい幼少期にはほとんど用いられることはありませんが、児童期や成人期においては、現在の日本において最もよく使われる知能検査のひとつです。

ウェクスラー式知能検査には、年齢に応じて児童版のWISC(Wechsler Intelligence Scale for Children、通称ウィスク)、成人用のWAIS(Wechsler Adult Intelligence Scale、通称ウェイス)、幼児用のWPPSI(Wechsler Preschool and Primary Scale of Intelligence)の3種類があります。いずれも、専門家(臨床心理士)が受検者と1対1で行う個別式の検査です。

ウェクスラー式知能検査の特徴

ウェクスラー式知能検査は、 言語性IQと動作性IQという測定概念を用いて、個人内差(個人の得意不得意)の測定を試みたという点が大きな特徴です。その後の研究によって、2つの区分は4つの指標得点へと洗練されました(後述)。

また、 障害によって結果に一定の傾向がみられることも特徴のひとつとして挙げられます。たとえば、知的障害の場合、各評価点にそれほど差がみられずフラットに近いという特徴があります。よって、ウェクスラー式知能検査の結果は、知的障害や発達障害の診断材料のひとつとして用いられることがあります。

ウェクスラー式知能検査の注意点

もしも同じ検査を実施する場合には、最低でも1年、できれば2~3年の間隔を空けることが好ましいとされています。なぜなら、同じ問題を繰り返し受けることにより、受験者が回答を覚えてしまい、正確な結果が出なくなる恐れがあるためです。
(そもそも知能は一生を通じて安定した数値を示すため、数値の変化をみるために何度も受検する意味はないとされています。)

検査を行える人については、心理アセスメントに関する知識と経験を持つ専門家に限られています。WISC-Ⅳ、WISC-Ⅲとも、関連分野の博士号や臨床心理士・特別支援教育士・学校心理士・臨床発達心理士の有資格者、医療関連国家資格所有者などの専門性の高い検査者が行うこととされています。

また、詳しい検査の情報については、受験者が事前に知ってしまうと正しい結果が得られません。そのため、どんな検査をするのか、内容の詳細も公開されることはありません。これらのことから、一般の方がウェクスラー式知能検査を購入することはできず、検査を自分で行うことはできません。

知的障害のある人に対してウェクスラー式知能検査を行う場合、検査する人は正確な知的機能を見極めるうえで、その結果だけでなく、下位検査の解答状況に注目することが必要であるとされています。

また、ウェクスラー式知能検査においては、IQ40以下は測定不能として処理されるため、それ以下のIQを示す重度の知的障害の場合には、ウェクスラー式知能検査を使用するのは適切ではありません

WAIS-Ⅲとは

WAIS-Ⅲの基本情報

・適用範囲: 16歳 ~ 89歳
・受検条件: 公的病院の場合は医師の推薦が必要
・実施時間: 60分 ~ 95分
・結果が出るまでの時間: 1週間程度
・実施機関: 医療機関(精神科)、大学の相談室、民間のカウンセリングルームなど
・実施する人: 日本文化科学社の定める使用者レベルに適合する専門家
・検査費用: 1350円~2万
・保険適用の可否: 保険適用あり

総合病院など公的病院で検査を受ける場合は、保険内診療となります。その際は、診療報酬点数が450点となり、規定に基づき、自己負担額が3割の場合、負担費用は1350円となります。診断書もしくは報告書を書いてもらう場合には、別途料金がかかります。こちらの料金は病院ごとに異なりますので、近くの病院に問い合わせてみてください。

一方、個人のクリニックなど民間病院で検査を受ける場合には、自費での診療となります。こちらの料金設定は各病院ごとに設定されていますが、検査費用および報告書費用を含めて1万~2万円が目安となっているようです。

WAIS-Ⅲの特徴

成人向け知能検査であるWAIS-Ⅲは、全検査IQ、言語性IQ、動作性IQという3つのIQのほか、言語理解(VC)、知覚統合(PO)、作動記憶(WM)、処理速度(PS)という4つの群指数を測ることができます。これによって、知能のより多面的な把握や解釈が可能となります。

下位検査は14の要素で構成されますが、IQか、群指数か、その両方かなどの測定したい目的に応じて実施する下位検査を選択出来るとされています。検査は取り組みやすいよう動作性下位検査から開始し、受験者を飽きさせないように動作性下位検査と言語性下位検査を交互に実施するよう配慮されています。

下位検査は以下14の要素で構成されています。

言語性IQの下位検査(構成要素)

言語性IQは、これまでの経験や学習の中で蓄積してきた結晶性知能の評価尺度のことです。これまでの生育環境や学習環境、社会階層などに影響を受けやすいと言われています。

下位検査は以下の要素で構成されています。
知識 ・類似・単語・理解 ・算数・数唱・語音整列

動作性IQの下位検査(構成要素)

動作性IQは、目の前の状況に対応できるかという流動性知能を測定する評価尺度のことです。生まれつきの能力に影響されることが大きく、後天的な学習活動や教育環境の影響を受けにくいといわれています。

下位検査は以下の要素で構成されています。
・絵画完成・絵画配列・積木模様・記号探し・符号・行列推理・組み合わせ

WAIS-Ⅲの問題構成

WAIS-Ⅲは、14の下位検査から構成されますが、IQのみか、群指数のみか、IQと群指数両方か、など、測定したい目的に応じて実施する下位検査を選択できます。下の画像も合わせてご確認ください。

IQのみの測定の場合は、9つの基本検査に加えて、「絵画配列」「理解」の検査を行います。また、群指数のみの測定の場合は、基本検査に加えて「記号探し」「語音整列」を行います。IQと群指数の両方を検査する場合には、基本検査に加えて以上の4つを行います。なお、「組み合わせ」は、実施が正しく出来なかった動作性検査があった時に実施できる、代替検査として位置づけられています。

また、それぞれの下位検査に振られている番号は検査の実施順です。検査に取り組みやすいように、動作性検査からはじまり、言語性検査と動作性検査が交互になるよう設計されています。

WISC-Ⅳとは

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