知能検査とは?知能検査の種類、受診方法など

ライター:発達障害のキホン

知能検査は心理検査の一つであり、精神年齢、IQ(知能指数)、知能偏差値などによって測定されます。発達支援や学習指導、就学前健診などで活用されています。ウェクスラー式知能検査、田中ビネー知能検査、KABC心理・教育アセスメントバッテリーなどがよく使われています。この記事では、知能検査の種類や受けられる機関、費用などをまとめました。

目次

知能検査とは

知能検査とは、主に物事の理解、知識、課題を解決する力といった、認知能力を測定するための心理検査の一つです。

認知発達の水準を評価し、その人の得意分野、不得意分野を分析することで、発達支援や学習指導の方向性を検討するなどの目的で利用されます。

知能検査においてはIQ(知能指数)の値を指標とすることが多くあります。IQはInteligence quotientの略で、知能のレベルを評価するための標準化された尺度です。検査は、精神年齢、IQ(知能指数)、知能偏差値などによって測定されます。IQの値の範囲は測定の手段によって異なりますが、一般的に平均値を100として比較可能な分類がされます

『発達障害事典』(2011年・明石書店刊)によると、IQの値による分類は以下のようになります。
・130以上:極めて優秀
・120-129:優秀
・110-119:平均の上
・90-109:平均
・80-89:平均の下
・70-79:境界線級/ボーダーライン
・70未満:知的障害
出典:https://www.amazon.co.jp/dp/4750333271
一方で、知能についての考え方や測定の方法には、統一的なものがありません。つまり、検査ごとに、認知や知能についての考え方の違いがあり、検査の内容、IQの算出方法などが違っています。

そのため、それぞれの知能検査が、何を目的としてどのような指標で知能を測定しているのかを理解したうえで、検査結果を参考にすることが大切です。
知能検査の目的と適用|国立特別支援教育総合研究所
http://forum.nise.go.jp/soudan-db/htdocs/index.php?key=muy7v5g0c-477

知能検査の歴史

学校教育が始まった当初は、子どもの特性に応じた教育という考え方が十分に認識されていませんでした。

そのため、学習に困難が生じる子どもも多く見られるようになりました。その後、一人ひとりの子どもの個性に合った学習法で教育を提供するべきだという指摘がなされたのがきっかけで、子ども一人ひとりの特性を把握するための手段として、現在の知能検査の原型となる、知能の測定方法が考案・開発されるようになりました。

知能検査は、1905年にアルフレッド・ビネーとテオドール・シモンによって開発された「知能測定尺度(ビネー‐シモン法)」が始まりです。

ビネー‐シモン法は、子どもの能力を測る画期的なテストとして注目され、諸外国で翻訳・普及していきましたが、その過程で各々の国に合う形への再標準化も試みられました。中でも大規模なものが、1916年にアメリカのターマンらによって開発された「スタンフォード改訂増補版ビネー‐シモン知能測定尺度(通称スタンフォード・ビネー法)」です。

スタンフォード・ビネー法における特徴は、1912年にウィリアム・シュテルンが提唱した、「知能指数(IQ)」と「精神年齢」という新たな指標を取り入れたことです。これによって、精神年齢と生活年齢との比で求める比例知能指数(比例IQ)の概念が普及します。

ビネー‐シモン法に端を発する知能検査は、はじめ、知的障害のある子どもを見極めることを主な目的として開発されました。しかし、のちに知能検査の対象は知的障害のある子どもだけではなくなり、さまざまな集団・年齢の人々の知能を測る上での手段として発展していきます。知能指数についての考え方も変化し、現在では比例IQよりも偏差IQが使用されることが多くなっています。偏差IQは、同一年齢集団の平均からの隔たり(これを偏差と言います)の程度に基づいて算出されるもので、平均が100となるように換算します。

その後も、さまざまな研究者が知能検査を開発し、時代の変化とともに改訂を重ねながら現在に至ります。今回の記事では、現在日本で主に使われている知能検査の種類や特徴を中心に紹介していきます。
高等教育機関入学者の選抜|文部科学省
https://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/html/others/detail/1317766.htm
田中ビネー知能検査開発の歴史|中村淳子,大川一郎,(2003),立命館人間科学研究 (6)
http://www.ritsumeihuman.com/uploads/publication/ningen_06/093-112nakamura.pdf

知能検査の検査形態

知能検査の検査形態は次のように分けられます。なお、個別式と集団式どちらも扱っている検査もあるようです。

個別式知能検査

受検者と検査者の一対一で行う検査です。現在使われている検査の多くがこの個別式知能検査です

集団式知能検査

「団体式知能検査」とも言います。学校などでたくさんの人を検査するための筆記式検査です。集団式知能検査を受けた後、知能や発達に問題が見つかった場合は、続けて個別式検査を受けることでよりきめ細やかに調べることができます

おもに小学校就学時に就学時健康診断で行われる集団式知能検査に、「就学時知能検査」があります(「就学時検査」とも言います)。

就学時知能検査は子どもが就学する際に健康診断とともに一斉に行われる知能検査であり、年齢を基準としての発達の遅れや偏りを把握する手段の一つとしても使われます

文部科学省による学校保健法では、就学時知能検査の技術的基準について、以下のように定められています。
知能については、標準化された知能検査法以外の方法によることも可能であることから、検査法を限定せずに、適切な方法であればよい。なお適切な方法としては医師等の専門家による面接や行動観察があげられる。

引用:就学時の健康診断マニュアル 平成29年度改訂|公益財団法人日本学校保健会
出典:https://www.gakkohoken.jp/book/ebook/ebook_H290040/index_h5.html#1
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