田中ビネー知能検査とは?田中ビネー知能検査Ⅴ(ファイブ)の概要、受診方法、費用について紹介します

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田中ビネー知能検査は、日本で使われている知能検査の一つです。知能検査は、おもに子どもの発達状態や障害があるかどうかの判断材料として使われており、精神年齢、IQ(知能指数)、知能偏差値などによって測定されます。この記事では、田中ビネー知能検査Ⅴ(ファイブ)、就学児版田中ビネー知能検査Ⅴ(ファイブ)の概要や受診方法、費用などをご紹介します。

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発達障害のキホン
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目次 田中ビネー知能検査とは? 田中ビネー知能検査Ⅴ(ファイブ)とは 田中ビネー知能検査Ⅴ(ファイブ)の検査内容 就学児版田中ビネー知能検査Ⅴ(ファイブ)とは 就学児版田中ビネー知能検査Ⅴ(ファイブ)の検査内容 検査を受ける前にまずは専門機関で相談を 田中ビネー知能検査の受診方法、費用など 田中ビネー知能検査の注意点 まとめ

田中ビネー知能検査とは?

田中ビネー知能検査は、わが国でよく用いられる代表的な個別式知能検査です。1947年に心理学者の田中寛一によって出版されました。日本のビネー式知能検査の一つであり、日本人の文化や生活様式に即した検査になっています。現在は、『田中ビネー知能検査Ⅴ(ファイブ)』が最新版であり、病院以外に発達相談や教育相談における知的発達のアセスメントとして活用されています。

日本のビネー知能検査には、田中ビネー知能検査のほかに、「鈴木ビネー知能検査」というものもあります。ビネー式知能検査は精神年齢(MA)と生活年齢(CA)の比である比例知能指数(比例IQ)を算出します。生活年齢(CA)とは生まれてからの暦の上での年齢(暦年齢)を指します。一方精神年齢(MA)は、検査で解答できた問題の難易度がどの年齢のレベルにあるかによって判定されます。

田中ビネー知能検査Ⅴ(ファイブ)とは

田中ビネー知能検査Ⅴ(ファイブ)の特徴

他の知能検査と同じく、田中ビネー知能検査も改訂を繰り返しています。現在の最新版は、2005年に出版された「田中ビネー知能検査V(ファイブ)」です。

田中ビネー知能検査Ⅴ(ファイブ)の特徴は、多角的な総合検査であることです。検査対象が2歳から成人と幅広く、問題が年齢尺度によって構成されているため、通常の発達レベルと比較することが容易になっています。また、実施の手順が簡便であり、被検査者に精神的・身体的負担がかからないことが大きな特徴となっています。

実施の手順としては、被検査者の生活年齢(CA)と等しい年齢級の問題から取り組み、一つでもパスできない課題があった場合に年齢級を下げることで、全課題をパスできる年齢級の下限を特定します。全課題をパスできた場合には、上の年齢級に進んで上限を特定します。

このような実施手順によって算出された精神年齢(MA)と生活年齢(CA)の比較によって、それが知能指数(IQ)として算出されるように作成されています。

『山口県 特別支援教育研修テキスト・マニュアル 発達検査の活用』では田中ビネー知能検査Ⅴ(ファイブ)について、このような特徴をあげています。

1.アセスメントシートの活用により、発達年齢や認知特性が把握できる。

2. 合格または不合格になった問題の傾向から学習課題を設定することができる。

3. 問題への取組の様子から学習活動や支援方法を工夫する手がかりを得られる。

(例)
・落ち着いて取り組めたか。
・集中できる時間はどのくらいか。
・わからない時にどんな様子を見せるか。等

出典:http://www.pref.yamaguchi.lg.jp/cmsdata/9/3/b/93b453cf6d9185c85655b41d85...
アセスメントシートでは、シートの右側に検査結果を記入し、左側に行動観察の記録を記入することで、子どもの発達の様子が一目で把握できるようになっています。

さらに、問題が日常場面に即しているので子どもが本来の力を発揮しやすくなっています。

田中ビネー知能検査Ⅴ(ファイブ)の基本情報

適用年齢:2歳から成人
実施時間:60~90分
実施頻度:1年あけることが望ましい

実施頻度をあける理由は、同じ問題を繰り返し受けることにより、受験者が回答を覚えてしまい、正確な結果が出なくなる恐れがあるためです(そもそも知能は一生を通じて安定した数値を示すため、数値の変化をみるために何度も受検する意味はないとされています)。

田中ビネー知能検査Ⅴ(ファイブ)の検査内容

田中ビネー知能検査は個別式知能検査であるため、検査する人と被検査者の1対1形式が基本的な検査形式になります

田中ビネー知能検査Ⅴ(ファイブ)は、「思考」「言語」「記憶」「数量」「知覚」などの問題で構成されており、1歳級から13歳級までの問題、成人の問題が難易度別になっています。なお、ここでの1歳級から13歳級というのは、生活年齢(CA)ではなく検査によって算出される精神年齢(MA)を示しています。

また、2歳から13歳までは精神年齢(MA)を算出しますが、14歳以上は精神年齢(MA)を算出しません。成人後は知能の発達が緩やかになり、精神年齢(MA)の概念は有用ではないと考えられているからです。

1987年度版の田中ビネー知能検査では、基底年齢(すべての問題が合格できる年齢級に「1」を加算した年齢を言います)を1歳とすることができない子どもに対する指標が提示されていなかったため、2005年の改訂で新しく1歳級以下を対象に「発達チェック」項目が追加されました。ただし、適用年齢は従来と同じく2歳から成人となっています。

田中ビネー知能検査Ⅴ(ファイブ)には、就学する5~6歳の年齢にフォーカスをあて、特別な配慮が必要かどうかを判断するための「就学児版田中ビネー知能検査V(ファイブ)」という検査もあります

田中ビネー知能検査Ⅴ(ファイブ)の改善点

田中ビネー知能検査Ⅴ(ファイブ)のおもな改善点としては、以下の5つがあげられます。

1.現代の子どもに適している
知的尺度を、新しく現代の子どもの実態や生活に合わせて改訂しています。今回の調査から、田中ビネーが作られた1987年当初より、現代の子どもの知的発達は促進していること(発達加速現象)が検証されました。

※発達加速現象とは
世代が新しくなるにつれて、身体的発達が促進される現象のことです。身長や体重などの量的側面と、第二次性徴の低年齢化といった質的側面の二つの側面に当てはまります。

2.成人の知能を分析的に測定
14歳以上の測定では、知能の領域が「結晶性」「流動性」「記憶」「論理推理」の4分野に分けられています。これによって、得意不得意が分析的に測定できるようになっています。

3.発達状態をチェックできる項目を作成
子どもの発達状態をチェックできます。改訂により、1歳級以下の子どもへの指標項目が追加されました。1歳級の問題を解くことが難しい場合や、未発達なところが予測された被検査者に対して発達の目安をチェックすることができます。

4.検査用具の全面的改訂
子どもが使いやすいように、図面のカラー化や検査用具の大型化など、全面的に用具が一新されました。また、実施や採点がしやすいようにマニュアルの分冊化もされました。

5.記録用紙の全面的改訂・アセスメントの採用
子どもが直接書き込めるように記録用紙を別冊化し、見開きページで検査結果を一望できるアセスメントシートを採用しました

就学児版田中ビネー知能検査Ⅴ(ファイブ)とは

就学児版田中ビネー知能検査Ⅴ(ファイブ)の特徴

就学児版田中ビネー知能検査Ⅴ(ファイブ)は、主に就学児健康診断で活用されています。就学に関して特別な配慮が必要であるかどうかの診断に特化した検査です。適用年齢は5歳から6歳ですが、7歳児以上でも就学してから学習困難が心配される場合や、就学児健康診断以前に発達をアセスメントしておきたいと思われる4歳児などにも適用が可能です。

就学児版田中ビネー知能検査Ⅴ(ファイブ)の基本情報

適用年齢:5~6歳
実施時間:60~90分
実施頻度:1年あけることが望ましい

実施頻度をあける理由は、田中ビネー知能検査Ⅴ(ファイブ)の場合と同様です。

就学児版田中ビネー知能検査Ⅴ(ファイブ)の検査内容

就学児版田中ビネー知能検査Ⅴ(ファイブ)は、田中ビネー知能検査Ⅴ(ファイブ)の2歳~7歳級の問題と、補助問題とされていた「数の順唱」「数の逆唱」で構成されています。

子どもが興味を持てるように検査に使われる道具が工夫されており、田中ビネー知能検査Ⅴ(ファイブ)の検査用具を活かしながら、大きな検査用具をなくし、検査用具を軽量化しています。

検査を受ける前にまずは専門機関で相談を

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