発達障害がある小学生の特徴は?発達障害のチェックポイントやグレーゾーンについても【専門家監修】
発達障害特性が目立ってくる時期は、障害のタイプによっても異なります。幼児期までは目立ちにくかった落ち着きのなさや忘れ物の多さ、対人関係のスキル、学習面での凸凹などは、小学生になると指摘されることが多くなります。また、集団生活になじめずトラブルにつながることも。ここでは、発達障害がある小学生に多く見られる特徴やグレーゾーンについて、起こりやすいトラブルから、子どもとの関わり方のポイントまで紹介します。
LITALICO研究所 スペシャルアドバイザー
発達障害とは?
発達障害の種類
発達障害は特性やあらわれる困りごとによって分類され、「ASD(自閉スペクトラム症)」「ADHD(注意欠如・多動症)」「LD・SLD(限局性学習症)」の主に3つのグループに分けられます。これらは互いに重なりあっている場合もあり、また知的障害(知的発達症)が併存する場合もあります。
ASD(自閉スペクトラム症)
以前は「自閉障害」という診断名が用いられていましたが、アメリカ精神医学会発刊の『DSM-5』(『精神疾患の診断・統計マニュアル』第5版)において自閉的特徴を持つ疾患が統合され、2022年発刊の『DSM-5-TR』では「自閉スペクトラム症」という診断名になりました。この記事ではASD(自閉スペクトラム症)と記載しています。
ADHD(注意欠如多動症)
以前は「注意欠陥・多動性障害」という診断名でしたが、2022年発刊の『DSM-5-TR』では「注意欠如多動症」という診断名になりました。この記事ではADHD(注意欠如多動症)と記載しています。
LD・SLD(限局性学習症)
学習障害は現在、「SLD(限局性学習症)」という診断名となっていますが、最新版DSM-5-TR以前の診断名である「LD(学習障害)」といわれることが多くあるため、ここでは「LD・SLD(限局性学習症)」と表記します。
知的障害(知的発達症)
現在、『ICD-11』では「知的発達症」、『DSM-5』では「知的能力障害(知的発達症/知的発達障害)」と表記されていますが、知的障害者福祉法などの福祉的立場においては「知的障害」と使用していることが多いため、この記事では「知的障害(知的発達症)」という表記を用います。
小学生になると発達障害に気づきやすい?小学生のグレーゾーンの特徴とは?
ASD(自閉スペクトラム症)は、入学後、集団の中での決まりやルール、対人関係が複雑化していく中で融通のきかなさや、マイペースな行動、こだわり、感覚の過敏性や鈍麻などの症状によって、気づかれることがあります。
ADHD(注意欠如多動症)は、小学校入学後落ち着いて授業が受けられなかったり、忘れ物が多いなどがきっかけで気づかれやすくなります。文部科学省の定義では7歳前、DSM-5によると12歳前に症状があらわれるとされています。
勉強において特定の科目が苦手な場合や読み書きや計算に困難がある場合、LD・SLD(限局性学習症)の可能性を指摘されることもあります。
また、幼少期にグレーゾーンと言われた場合、成長と共に特性が強まったり困りごとが顕在化するなどして改めて発達障害の診断名がつくこともあれば、そうでないこともあります。
はっきりと診断の出る発達障害と比べれば症状が軽く、困りごとも少ないと思われがちですが、グレーゾーンならではの悩みや問題事が存在するのは確かです。
発達障害におけるグレーゾーンとは?特徴や注意すべきポイントなどを紹介します!【専門家監修】
発達障害のある小学生のチェックポイント
ASD(自閉スペクトラム症)がある子どもに多い特徴
・人の感情を文脈や文章から読み取ることが苦手
・年齢相応の友人関係がない
・周囲にあまり配慮せずに、自分が好きなことを好きなようにしてしまう
・人と関わるときは何かしてほしいことがあるときのことが多い
・基本的に一人遊びを好む
・人の気持ちや意図を汲み取ることが苦手
・どのように・なぜといった説明が苦手
・言葉をうまく扱えず、単語を覚えても意味を理解することが難しい
・自分の気持ちや他人の気持ちを言葉にしたり想像するのが苦手で、説明がうまくできない
■こだわりの強さ、臨機応変な対応の困難
・急な予定変更が苦手
・きちんと決められたルールを好む
・言われたことを場面に応じて対応させることが苦手
・好きな活動に没頭し切り替えが困難
・特定の刺激に過敏性がある、または鈍さがある
・マイルールやパターンにはまりやすい
・勝ち負けに対するこだわり
・物や活動の順番や、場所や人に対するこだわり
などの傾向があります。
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ADHD(注意欠如多動症)のある子どもに多い特徴
・注意力が散漫で、興味の対象が次々と変化する
・物を忘れたり、なくしてしまうことが多い
・ほかの人に話しかけられてもぼーっとしてうわの空に見られる
■じっとしていられず落ち着かない
・授業中でもじっと座っていることができず、歩き回ったりする
■衝動的に行動してしまう
・突然話しかけてほかの人の邪魔をする
・突発的な行動をおこすことがあり、自分の怒りの感情をコントロールできない
・友達と仲良くできずトラブルを引き起こしてしまうことが多い
・何度も注意されても衝動的に同じことをしてしまう
などの傾向があります。
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LD・SLD(限局性学習症)がある子どもに多い特徴
■ディスレクシア/読字不全
・ひらがな・漢字が読むことに苦手さがある
・たどり読み・推測読みになってしまう
・行を飛ばして読んでしまう
・文章を読むのを嫌がる など
■ディスグラフィア/書字表出不全
・うまく文字を書くことができない(線を抜かしたり、鏡文字を書いてしまう)
・板書ができない、時間がかかる
・行やマス目からのはみ出しが大きい
・文字を書くのを嫌がる など
■ディスカリキュリア/算数不全
・数が数えられない、とばして数えてしまう
・時計が読めない、時間が分からない
・計算ができない
・筆算をするときに数字がずれて間違えてしまう
・計算を嫌がる など
という傾向があります。
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発達障害のある小学生に起こりやすいトラブル
■友達関係
・同世代の子どもたちとうまく話したり、遊ぶことができず孤立してしまう
・気持ちをコントロールできず喧嘩になりやすい
・空気が読めないことなどが原因でいじめられる
■学習面
・頑張っても授業についていけなくなる
・授業態度が悪いと注意されやすい
・忘れ物が多く学習に支障が出る
・教科や単元間の得意と苦手が大きくなる
■行動・情緒面
・嫌なことがあるとかんしゃくを起こして暴れる
・衝動的に友達や親に手を出す、物を壊す
・自己肯定感が低下し、抑うつや不安が強くなる
■不登校
・集団生活になじめず学校生活が苦痛になる
・授業についていけず学校に行きたがらなくなる
・生活リズムが崩れ登校できなくなる
など
高学年になってくると低学年の授業内容に比べ、難しくなってくるため、得意科目と苦手科目の差が大きくなってくる傾向があります。タブレット端末などをうまく活用するなど、本人にあった対策をすることが大切です。
また、対人関係も低学年のころは問題にならなかった部分で高学年になり友達トラブルにつながる場合があります。
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発達障害のある小学生の女の子に起きやすいトラブルの特徴
さまざまな困りごとに対する対処法は、同世代の子どもとの集団生活の中で、自然と身についていくこともありますが、発達障害の特性によって、適切な形でスキルや技能を習得することに難しさを感じることが少なくありません。本人の心身の変化や、気持ちによく耳を傾け、サポートしていくことが大切です。
発達障害のある小学生をどうサポートしたらいい?
発達障害がある子どもへの関わり方のポイント
指示などをする際は、具体的に簡潔に伝えましょう。またカードや絵など視覚的な手掛かりを一緒に示すと伝わりやすくなります。
■頑張りを認める、ほめる
苦手なことが多く学校生活では怒られる場面も多くなり、自己肯定感が下がってしまうと二次障害を起こしてしまうことも。できないことではなくできたことを見つけてほめましょう。
■困った行動に対する対処
まず、怒らなくてすむような環境調整をしましょう。
もし、注意するときには、どうすればよかったのかを含めて具体的に伝えたり、代替的な行動を練習することが大切です。また、強いかんしゃくがある場合は、子どもが落ち着いてから説明をすること、感情に任せて叱らないことを心がけましょう。
■苦手をサポートするツール
耳からの情報が弱い場合は視覚的なツールを併用する、忘れっぽいならチェックリストを用意するなど、子どもの特性に合わせて苦手な部分をフォローするツールを活用しましょう。
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学びの場所・居場所
■通常学級
通常学級は、定型発達の子どもたちと一緒に教育を受けていく学級です。通常学級でも「合理的配慮」を求めることができます。
文部科学省では「合理的配慮」を以下のように定義づけています。
「合理的配慮」とは、「障害のある子どもが、他の子どもと平等に「教育を受ける権利」を享有・行使することを確保するために、学校の設置者及び学校が必要かつ適当な変更・調整を行うことであり、障害のある子どもに対し、その状況に応じて、学校教育を受ける場合に個別に必要とされるもの」であり、「学校の設置者及び学校に対して、体制面、財政面において、均衡を失した又は過度の負担を課さないもの」
通級(通級指導教室)とは通常学級に在籍しながら別教室で、その子に合った個別の指導を受けられる学級です。発達障害や言語障害の特性による学習上または生活上の困難の改善に向けた指導を受けることができます。主に各教科の学習や給食は通常学級で受け、通級の時間だけ移動して指導を受けます。通級が設置されていない学校に在籍し、通級を利用する場合は、その指導時間に学校間移動をする必要があります。
※東京都など一部の地域では、発達障害のある児童・生徒が在籍校で通級と同様の指導を受けることができるよう、公立小・中学校に「特別支援教室」というような名称で少人数のクラスが設置されています。
通級(通級指導教室)とは?対象や指導内容、通い方、ほかの特別支援教育との違いを紹介
小学校の中に設けられた特別支援学級には、知的障害や情緒障害などいくつかの種別があります。特別支援学級の上限定員は8人と定められています。少人数教育で、障害のある子ども一人ひとりのニーズに合わせた教育が受けられるようになっています。
特別支援学級では、必要に応じて、各教科の目標・内容を、その子どもの課題や獲得スキル状況に適したものに変更・調整したり、個別の学習支援・生活支援を受けることができます。また、「交流及び共同学習」という位置づけで、一部の授業や、給食や昼休みの時間、学校行事などに通常学級の子どもたちと一緒に参加する機会も設けられます。
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特別支援学校とは、心身に障害のある児童・生徒が通う学校です。1クラスの人数は平均3人と手厚く、障害のある児童・生徒の自立を促すために必要な教育を受けることができます。
特別支援学校とは?教育環境から入学への流れまで【専門家監修】
フリースクールは、主に不登校の子どもたちを受け入れる教育機関です。公的な学校ではないため、その目的により規模や形態、費用はさまざまです。
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放課後等デイサービスは、障害のある就学児向けの学童保育のようなサービスです。設備、目的、提供されるサービスは多岐にわたり、預かり型のほか、療育や運動に特化したところなどさまざまです。
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