発達障害がある小学生の特徴って?チェックポイントや起こりやすいトラブル、関わり方を分かりやすく紹介します!

2018/09/18 更新

発達障害特性が目立ってくる時期は、障害のタイプによっても異なります。幼児期までは目立ちにくかった落ち着きのなさや忘れ物の多さ、学習面での凸凹などは、小学生になると指摘されることが多くなります。また、集団生活になじめずトラブルにつながることも。ここでは、発達障害がある小学生に多く見られる特徴や起こりやすいトラブルから、子どもとの関わり方のポイントまで紹介します。

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目次

発達障害とは?

発達障害は3つのグループに分けられる

発達障害とは、「生まれつきの脳機能の発達のアンバランスさ・凸凹と、その人が過ごす環境や周囲の人とのミスマッチから、生きづらさや困難が生まれる障害」です。

発達障害は特性やあらわれる困りごとによって、大きくASD(自閉症スペクトラム障害/自閉スペクトラム症)・ADHD(注意欠如・多動性障害)・LD(学習障害)の3つのグループに分けられます。
主な発達障害のグループを示す概念図です。ICD-10(※)とDSM-5などを基に作成しています。
発達障害の概念図
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※ICD-10について:2019年5月、世界保健機関(WHO)の総会で、国際疾病分類の第11回改訂版(ICD-11)が承認されました。日本国内ではこれから、日本語訳や審議、周知などを経て数年以内に施行される見込みです。

小学生になると発達障害に気づきやすい?

発達障害特性が目立ってくる時期は、障害のタイプによっても異なります。比較的就学前から気づかれやすいASDに比べ、ADHDやLDは就学後に気づかれることが多いといわれています。

ADHDは、小学校入学後落ち着いて授業が受けられなかったり、忘れ物が多いなどがきっかけで気づかれやすくなります。文部科学省の定義では7歳前、DSM-5によると12歳前に症状があらわれるとされています。

勉強において特定の科目が苦手な場合や読み書きに困難がある場合、LDの可能性があると指摘され、気づかれやすくなります。

ですが、発達障害と定型発達の境目は明確にはありません。そのため診断基準は満たさない、あるいは未診断だが発達障害の傾向のある「グレーゾーン」と呼ばれる人もいます。グレーゾーンの場合、外見からも分かりにくいので、理解や支援につながりにくいこともあります。

通常の学級に在籍する知的発達に遅れはないものの発達障害の可能性のある特別な教育的支援を必要とする小学生は7.7%いるといわれています(文部科学省調査/2012年)。特別支援学級や特別支援学校に在籍する子どもも含めると、発達障害がある子どもの総数はさらに多いといえます。

発達障害のある小学生に目立つ特徴とは?

発達障害による特性は個人差もありますが、ライフステージによって目立ったり問題になりやすい部分などが異なります。そこで次に、小学生のころに目立つ特徴を紹介します。

ASD(自閉症スペクトラム障害/自閉スペクトラム症)がある子どもに多い特徴

■集団になじむのが難しい
・年齢相応の友人関係がない
・周囲にあまり配慮せずに、自分が好きなことを好きなようにしてしまう
・人と関わるときは何かしてほしいことがあるときなだけのことが多い
・基本的に一人遊びを好む
・人の気持ちや意図を汲み取ることが苦手

■臨機応変に対応するのが苦手
・きちんと決められたルールを好む
・言われたことを場面に応じて対応させることが苦手

■どのように・なぜといった説明が苦手
・言葉をうまく扱えず、単語を覚えても意味を理解することが難しい
・自分の気持ちや他人の気持ちを言葉にしたり想像するのが苦手で、説明がうまくできない
という傾向があります

ADHD(注意欠如・多動性障害)がある子どもに多い特徴

■忘れっぽく、注意力散漫
・注意力が散漫で、興味の対象が次々と変化する
・物を忘れたり、なくしてしまうことが多い
・他の人に話しかけられてもぼーっとしてうわの空に見られる

■じっとしていられず落ち着かない
・授業中でもじっと座っていることができず、歩き回ったりする

■衝動的に行動してしまう
・突然話しかけて他の人の邪魔をする
・突発的な行動をおこすことがあり、自分の怒りの感情をコントロールできない
・友達と仲良くできずトラブルを引き起こしてしまうことが多い
という傾向があります

LD(学習障害)がある子どもに多い特徴

LDがあると、授業を真面目に聞いていても勉強が苦手、ついていけないという状態になりがちです。次に、読字障害・書字障害・算数障害ごとに、LDがある小学生にあらわれやすい特徴を紹介します。

■ディスレクシア/読字障害
・ひらがな・漢字が読めない
・たどり読み・推測読みになってしまう
・行を飛ばして読んでしまう
・文章を読むのを嫌がる など

■ディスグラフィア/書字障害
・うまく文字を書くことができない(線を抜かしたり、鏡文字を書いてしまう)
・板書ができない、時間がかかる
・行やマス目からのはみ出しが大きい
・文字を書くのを嫌がる など

■算数障害/ディスカリキュリア
・数が数えられない、とばして数えてしまう
・時計が読めない、時間が分からない
・計算ができない
・筆算をするときに数字がずれて間違えてしまう
・計算を嫌がる など
という傾向があります

発達障害のある小学生に起こりやすいトラブル

集団生活に入り、学習が始まる小学校時代は、それまで目立たなかったトラブルが目立つようになる時期です。具体的には、次のようなトラブルが起きがちです。

■友達関係でのトラブル
・同世代の子どもたちとうまく遊べない
・気持ちをコントロールできず喧嘩になりやすい
・空気が読めないことなどが原因でいじめられる

■不登校
・集団生活になじめず学校生活が苦痛になる
・授業についていけず学校に行きたがらなくなる
・生活リズムが崩れ登校できなくなる

■学習でのつまずき
・頑張っても授業についていけなくなる
・授業態度が悪いと注意されやすい
・忘れ物が多く学習に支障が出る

■暴力
・嫌なことがあるとかんしゃくを起こして暴れる
・衝動的に友達や親に手を出す、物を壊す

子どもの発達障害に悩んだときの相談先

発達障害がある子どもの保護者・まわりの人が、適切な支援につながることで、子どもに必要なサポートをすることができます。「発達障害かな?」と悩み・不安があるときは、早めに専門機関に相談しましょう。子どもへの支援の方法が分かったり、公的なサポートを受けやすくなります。

相談先としては、発達障害がある人が相談できる支援センターや医療機関、学校のスクールカウンセラー・特別支援教育コーディネーター、教育センターなどがあります。

■発達障害がある人の相談窓口
■発達障害の診療が可能な医療機関一覧
■スクールカウンセラー

発達障害のある小学生へのサポート

発達障害がある子どもへの関わり方のポイント

■分かりやすく伝える
具体的に、簡潔に伝えましょう。

■頑張りを認める、ほめる
苦手なことが多く学校生活では怒られる場面も多くなり、自己肯定感が下がってしまうと二次障害を起こしてしまうことも。できないことではなくできたことを見つけてほめましょう。

■叱るときはその場で
後から注意されても理解しづらいため、ダメなことはその場で簡潔に注意します。

■苦手をサポートするツール
耳からの情報が弱い場合は視覚的なツールを併用する、忘れっぽいならチェックリストを用意するなど、子どもの特性に合わせて苦手な部分をフォローするツールを活用しましょう。

学びの場所・居場所

発達障害がある子どもは、子どもの状況に合った場所で学ぶことで、力を伸ばしたり、二次障害が起きるのを防いだりすることも大切です。通常学級での学び以外にも、さまざまな機会や場所があります。
■特別支援学級
小学校の中に設けられた特別支援学級で、子どもの特性に合わせた課題に取り組んだり、交流級で学習することもできます。
■通級
普段は、通常学級に所属し、週に何時間かある通級による指導の時間だけ通級指導教室に移動して、それぞれの困りごとや課題に合わせた支援・指導を受けます。
■特別支援学校
特別支援学校とは、心身に障害のある児童・生徒が通う学校です。1クラスの人数は平均3人と手厚く、障害のある児童・生徒の自立を促すために必要な教育を受けることができます。
■フリースクール
フリースクールは、主に不登校の子どもたちを受け入れる教育機関です。公的な学校ではないため、その目的により規模や形態、費用はさまざまです。
■放課後等デイサービス
放課後等デイサービスは、障害のある就学児向けの学童保育のようなサービスです。設備、目的、提供されるサービスは多岐にわたり、預かり型のほか、療育や運動に特化したところなどさまざまです。

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