発達障害8歳息子の癇癪、母の介入タイミングが違っていた?息子の必死の頑張りと、母が一緒にできること

ライター:ウチノコ
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むっくんは小さなころから癇癪を起こしやすい子でした。私から見るとささいに感じることでも、大きな声で怒鳴ったり泣き叫んだり。特性ゆえの部分が大きいと頭では理解しているものの、心では受け止められる日もあれば、到底ムリな日もあったり。そうやって浮き沈みしながらも、少しずつ少しずつ癇癪を起こす心に目を向けることができるようになってきました。

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監修: 初川久美子
臨床心理士・公認心理師
東京都公立学校スクールカウンセラー/発達研修ユニットみつばち
臨床心理士・公認心理師。早稲田大学大学院人間科学研究科修了。在学中よりスクールカウンセリングを学び、臨床心理士資格取得後よりスクールカウンセラーとして勤務。児童精神科医の三木崇弘とともに「発達研修ユニットみつばち」を結成し、教員向け・保護者向け・専門家向け研修・講演講師も行っている。都内公立教育相談室にて教育相談員兼務。

癇癪は減ってきているけど

現在8歳のむっくんは小さいころと比べると、明らかに癇癪は減ってきていますがゼロではありません。

最近特に癇癪を起こしやすいシーンが、弟のテレビゲーム視聴中です。むっくんは弟のプレイを見ているうちにゲームの世界にのめりこんでいってしまうようで、弟に対してつい口を出してしまう、思うようなプレイでないときはコントローラーを取り上げて自分でやろうとしてしまう。当然、弟は応戦してケンカになるため、私が介入するとそれが引き金となって癇癪を起こすというコースです。
癇癪を起こしているむっくん
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自分の行いをどう思っているの?

毎日ではありませんが週に何度か繰り返されるこのパターンに困っていました。とにかく環境改善だと、弟のゲームを目にしないようむっくんに別の部屋に行っておいてもらう工夫をしつつ、むっくんとも話し合いを重ねました。

むっくんは、弟のゲームが見たいなら黙って見ればいいと分かっているけれど、自分が大好きなキャラクターが負けてしまうことが耐えられない。自分がやれば負けないのにと、思わず弟からコントローラーを奪ってしまう。そんな自分の行いが好ましくないことは分かっていて、頑張って我慢しようとしているけどできなくて。そんなときにお母さんに怒られるとワケが分からなくなると話してくれました。
分かっていても抑えられない
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私の対応を変えてみる

この件で私は、むっくんが弟に口や手を出すタイミングで介入していました。だけどむっくんの話では、介入より前は本人なりに必死で努力していることになります。だとしたら介入のタイミングが遅すぎるのかもしれないと考え、弟がゲームを始めたタイミングでむっくんのそばについてみることにしました。

すると、むっくんは弟のプレイを見ながら手を出さず、口も出さず、じっと耐えています。こぶしをぎゅっと握りしめて、口を一生懸命つぐんでいます。
むっくんは頑張って我慢していた
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弟のゲーム時間は30分間。しばらく耐えていたむっくんですが、少しずつ興奮して口を出すシーンがちらほらと現れはじめました。どうしようかな…と考えて、私は黙って背中をさすってみることにしました。

すると少し興奮が落ち着いたのか、また我慢をはじめたのです。そんなふうにむっくんが興奮してきたら背中をさすることを繰り返すと、その日むっくんは最後まで弟とケンカをせず、癇癪も起こさず過ごすことができました。
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