「学校行かれへん!」息子と歩んだ付添い通学までの道のり

ライター:hiro_michi
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小学校3年生の長男。毎朝、教室まで付き添って登校しています。登校時間も一定せずなかなか大変ですが、入学時のドタバタを振り返ってみると「うん、よくここまで変わった!」とも思えてきます。

長男が一人で小学校に登校できたのは1日だけでした。

小学校入学式の2日後に「学校に行かれへん!」と登校を渋った息子。この体験は、長男が「非定型発達」な脳の持ち主なのだと気付くきっかけになりました。

現在息子は私と一緒に登校し、参加できる授業も増えてきました。

今回のコラムでは、息子が付添い登校で学校に行けるようになるまでの道のりをご紹介したいと思います。

「学校 行かれへん!」入学式2日後に始まった登校しぶり

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入学式の翌日、制服に身を包み、初めて息子が1人で登校しました。

その日は「よくここまで育ったなあ、もう送り迎えもしなくていいんだ」と嬉しかったのを覚えています。

当時ゼロ歳だった長女に「お兄ちゃん、えらいねえ」と言いながら帰りを待ちました。

帰ってきた長男は一見普段と変わらない様子で、午後は好きな庭仕事をしていました。

ところが翌朝、ふとんから出てきません。

「学校、行かれへん!!」

と突然言い出した息子。

刻一刻と迫る登校時間。ええい、学校に電話するしかない!とドキドキしながら、
「1年2組の○○です。ちょっと体調が悪いのか…、登校できそうにないです。様子を見て、行けそうならば行きます」と伝えました。

「どう?着替えられそう?どこがしんどいの?」と聞いても、

「わからへん!とにかく、学校はぜったいあかんで」と繰り返すばかり。

ふとんをはがそうとしても、ますます強く包まります。

「わかった。もう普通の服でいいから、着替えてお昼ご飯食べよう」と言うとようやく起き出しました。

夕方、先生から電話がありました。

先生:「昨日は特に気になることはなかったです。みんなと同じように行動してました。どうしたんでしょうね」

私:「様子を見て、月曜日は登校できればと思います…」

そのあと、息子に「学校、何があかんかった?来週は行けそう?」とたずねても「言われへん」「わからへん」と答えてくれませんでした。

もしかしたら週末を越したらケロッとしてるかもと期待しつつ月曜日の朝を迎えました。
息子の「不登校の始め方」を振り返る。居場所選びや学校連携は…のタイトル画像

息子の「不登校の始め方」を振り返る。居場所選びや学校連携は…

まずは放課後の学校へ行ってみた

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月曜日になっても、息子はふとんから出てきませんでした。

子どもの言うなりに休ませていていいのかな?どんな言葉をかけて、どうふるまったらいいのかな?などど、脇から汗が出るぐらいいろいろ考えました。

「夕方、みんなが下校してから、お母さんと一緒に先生に明日の予定を聞きに行こうよ」という提案を思いつきました。

まずは一対一で先生となじんでみようという作戦です。

制服着なくていいよというと、ふとんから出てきて着替え、庭に出て大好きな土いじりを始めました。

おやつの後、「さあ、学校に行ってみよう!」と明るく声を掛けてみました。

嫌がりましたが、「5分だけ」「みんなはもう帰ってる」「桜もう散ってるかな」などいろいろ言って誘い出しました。

電話をせずに行ったので担任の先生はご不在で、門のところでプリントを受け取って帰りました。
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1時間ほどして、担任の先生が家に来てくれました。

「あかんで!」と叫んで顔を出そうとしない息子。

私は先生に、息子が幼稚園でもなかなか新しい環境に慣れなかった話をしました。

自己紹介がてら、「息子は植物がすごく好きなのです」と長男のコレクションを見せると「見せなくていい!」と言いながらも少し嬉しそうな息子。

「まだ授業は進んでいないですから、安心してくださいね」と言って、先生は帰って行きました。
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先生に見せた植物のコレクション
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次にみんなが帰った後の教室に入る

数日後、放課後の誰もいない教室へ入ってみるチャレンジをしました。

がらんとした教室に、初日に撮ったクラス写真が貼ってありました。

長男はこわばった顔で写っていました。

「席、ここなんや」と教えてくれましたが、
隣の子の名前などを尋ねてみると「わからへん」。

幼稚園の時は小規模の自由保育スタイルでしたが、それでも慣れるのに1年かかりました。

小学校に入学して、いきなり24人のクラスメイトに取り囲まれる状態は長男にとって初めての体験だと気がつきました。

初めてのランドセル、靴箱、座席、先生、チャイムの音。

幼稚園では座席は決まっていなくて、いつも自然にすみっこのほうに位置取りしていました。

1人で登校した日はもしかして、頭、真っ白になっちゃった?

そうか、ただ「行こう、がんばろう」と繰り返しても、むずかしいなと静かに思い至りました。
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