障害のカミングアウトはどうすれば?先生・ママ友・クラスメートそれぞれへの対応

ライター:立石美津子
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親として子どもの障害を受け入れることが出来た後にやってくる課題。周りに伝えた方がいいのか否か?レッテルを貼られたり、かえって色眼鏡で見られて伸びる芽を摘んでしまうのではないか?また、どう伝えればいいのか?悩むところですよね。

こんにちは。『1人でできる子が育つ テキトー母さんのすすめ』の著者の立石美津子です。

子どもの障害を開示するかどうか、悩みますよね。先生だけに開示するか、他の保護者にも伝えるか、クラスメートまで伝えるか…カミングアウトの範囲についても悩ましいところです。

今回は、私の息子が保育園にいた頃の経験をお話します。

はじめは悩んだ、保育園へのカミングアウト

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息子が自閉症と診断をされたのは2歳のとき。すでに保育園に入園した後でしたから、診断の結果を園側に伝えた方がいいのかどうか悩みました。

周りの障害児ママ友の噂によると、障害があることを伝えて「うちの子はこう扱ってください」と要求すると「当園は療育機関ではありません。だったら他所へ行ったらどうですか」などと嫌味を言われることもあると、小耳にはさみました。

それから、
「自閉症だなんて伝えたら却って色眼鏡で見られてしまい、伸びるものも伸びなくなるのではないか。周りの2歳児も似たような子どもはたくさんいるじゃあないか。だったら個性が強いだけということに留めておいて黙っていようか」
と、思ったりもしました。

でもやはり、
「子どもの問題行動は親の愛情不足でも躾の仕方が悪いのでもない」こと、

それから、
「こういう特徴があるのでこう扱ってください」
という2点の要望をしっかりと話しておく必要性を感じました。

伝えなければ息子も叱られ、私も「母親としてなっちゃない」と責められ、“居心地の悪い場所で母子ともに小学校入学まで過ごさなくてはならなくなる”と思ったのです。

保育士には具体的なノウハウを

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保育士に息子の障害のことを話そうと決心しましたが、先生は一人で10数人の2歳児を担任していて、とても忙しそう。

そんな時に「自閉症とはなんちゃら…」といった本や資料をどさっと渡しても、迷惑な話です。


そこで、園で具体的にどうしてほしいかを説明した、息子専用の資料を作ることにしました。以下はその一部です。

①タオルケットについて

・いつも持っているお昼寝用のタオルケットは精神安定剤です。
・昼寝以外の時も取り上げず、触っていることを許してやってください。その方が落ち着くと思います。

②パニックを起こしたときは

・余計な刺激を与えると、かえってパニックを増幅させることになります。
・なだめたりしないで放っておいてください。
・感覚過敏があり、背中をさすられることも本人は嫌うので、特にパニック時は身体には触れないでください。


一人で5人分くらい手のかかる息子。
パニックを起こしたり、集団行動をとれないときに「具体的にどうしたらよいのか」を伝えた方が、保育士も楽になると思ったのです。

カミングアウトしたことで、ママ友とより親しくなれた

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担任の先生だけでなく、他の保護者に対しても話をしなければ不十分だと思いました。

黙っていたら、
「立石君はお行儀が悪い子ね。真似しちゃだめよ」
なんて、息子が悪者扱いされていじめにあってしまうかもしれない…

他の保護者が園側に、
「どうして、立石さんの子だけが立ち歩いても許されるんですか?」
と詰め寄ったり、
母親である私に対しても「躾の出来てない家庭の子、愛情不足なんじゃないの」と言ってくるのではないか…

どんどん負の妄想は膨らんでいきました。

保育園のため、親が集まる保護者会も一切なかったのですが、せめて送迎時に顔を合わせる5~6人のママ達にはと、「実はうちの子は自閉症なんです。ご迷惑をかけることもありますがどうぞ宜しくお願い致します。」と伝えていきました。

迷惑そうな顔をして「障害のある子どもとは関わらせたくない」というママもいましたが、ほとんどのママ達は、
「わかった。協力できることがあれば何でも言ってね」
と温かい言葉をかけてくれ、息子の障害を開示することで、より親しくなれました。

中には、「え?鬱病みたいなもんでしょ。病気なんだったら治療したら治るんでしょ」という知識のないママもいました。

でも、そのかたにはまったく悪気はないのですから、
「そうじゃないのよ。病気じゃなくて先天的な脳の障害だから治らないの。小学生になっても中学生になっても大人になっても自閉症なの。だから宜しくね。」
と丁寧に特徴を教えてあげました。
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