お子さんと、初めて楽しさを共有できた日のことを覚えていますか？

私はとても良く覚えています。

娘が1歳5ヶ月の頃、まだ障害には気づいていなかったけれど、私は娘と一緒に遊ぶことや物の使い方を教えることを少し諦めそうになっていました。

娘と同じ月齢の子どもたちはどんどん成長していくけれど、娘はゆっくり成長していて、何をしても皆みたいにはできないことが多かったからです。

娘は私の言うことを理解していなくて、いつも一方的な語りかけ。

積み木を積んでみても、ボールを転がしても無反応で、目もあまり合いません。

いつも言葉になっていない独り言を言って、自分の世界にいた娘。

SNSで誰かの「子どもがこんなことができるようになった！」という投稿を見かける度に、娘にはそんなのまだ無理なのに…と羨望の眼差しを向けていました。

そんな時、少し前に知り合いから貰ったお絵描きボードが目に留まりました。

娘にはまだ早いと袋から出さずに置いていたけれど、なんとなく「できなくてもいいからやらせてみよう」と思ったのです。

娘に声をかけてもあまり振り向かないので、私が目の前に移動して、殴り書きしている所を見せました。

興味がないことには無反応ですぐに違う方向を向いてしまう娘。

私は全く期待をしていませんでした。

頭の中で「多分無理だろうけど…」と思いながら娘に殴り書きする所を見せた後、お絵描きボードを渡しました。

すると、娘はペンを握って殴り書きを始めたのです！

今まで何をしても無反応だったのと、すぐにできるとは少しも思っていなかったのとでとても驚きました。

「すごいね！できたね！」と言って褒めると娘はとても嬉しそうな笑顔を私に見せてくれて、私も反応が返ってきたことに大喜びしました。

初めて娘が興味のあるものを見つけたのです。