子どもへの声掛けってすごく重要だと思っていて。
何気なく掛けた一言が、その子をやる気にさせたり、反対に落ち込ませたりすることもある。
あれは忘れもしない私が小4の頃。授業中に担任の先生に何かの問いに対して指され、私は分からず答えられずにいました。
するとその担任はクラス全員の前で「〇〇くん(私の名前)の今考えていることが分かる人」と言い放ち、あろうことかクラスの子は次々と手を挙げて私の気持ちを代弁していきました。中には私と仲の良い子もいて、心の中で「裏切り者!」と罵ったのは言うまでもありません。
「違う、違う、そうじゃない」めちゃくちゃ恥ずかしいやら何やら自尊心はもうズタズタで、死んでしまいたい気持ちになったのを覚えています。
あの時の担任の声掛けは、小4の児童からしたらある意味「暴力」で、絶対にやっちゃいけないことだと思います。その後の人生にこんなにもダメージを受けるとは思ってもみませんでした。想像力がなさすぎる。
だからこそ、子どもに対しては丁寧に言葉を選ぶべきだと思います。
年齢、性格、障がい特性などを考慮し、場面場面に合わせて声掛け。これがなかなかクリエイティブで、まだまだ勉強不足だなと感じることがあります。
そんな中、出合ったこの本。タイトルは【「人に迷惑をかけるな」と言ってはいけない】
著者は坪田信貴さん。映画化もされて大ベストセラーとなった「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学現役合格した話」の著者でもあります。
この本で坪田さんは子どもの成長に繋がる前向きな声掛けを具体的に提唱しています。
本のタイトルにもなっている「人に迷惑をかけるなと言ってはいけない」もそのうちのひとつ。
多くの大人が子ども時代に「人様に迷惑はかけるな」と言われてきましたが、実はそうでないと。「人に迷惑をかけてはいけない」と思い込む最大のデメリットは、「人に助けを求められなくなる」ことだと。
悪いことをして人に迷惑をかけるのは論外として、人間生きていれば、誰かに何かしらの迷惑をかけている。ゴミはしょっちゅう出すし毎日うんちもする。時々熱も出すしコロナにも感染する。試合中、大事な場面でエラーすることもある。
私なんてつい最近、腰を痛めて同僚や保護者にお子さまの身体介助を手伝ってもらい、本来自分がやるはずの仕事なのに「迷惑」をかけている。でも痛いからそうせざるを得なくて、そうでもないと私自身が潰れてしまう。だから助けを求める訳で。それを嫌な顔せず助けてくれる人たちが周りにいるってことはとても恵まれているなと。
だから「人には迷惑をかけてもいい。その代わり、誰かが困っていたら助けてあげよう」がしっくりくるのかなと。人と人が助け合える世の中って、なんだか素敵な気がしませんか?
そういう心の豊かさみたいなことを子どもたちに伝えられる支援者でありたいなと思います。
「人に迷惑をかけるな」と言ってはいけない真意
教室の毎日
22/12/26 23:19