ここ最近、試行錯誤していることがありまして。
何かと言うと、食事中の机の配置です。
ワンルームで運営しているデイサービスゆえにどうしても密を避けられない状況。食事中に至っても「少しくらい密になっちゃうけど仕方ないよね」という感覚だったのですが、この気持ちの緩みが仇となり、過去に何度か感染が広がってしまいました。
1つの机に数名が座りノーマスク状態での会食は感染のリスクが高いようで、今更ながら感染対策として各机の距離をとって密を避けようという訳です。
小学校のように一人1台机がある訳ではなく、大小様々な机を使ってその日の子どもたちの相性、障がい特性などを踏まえてベストな配置で座らせるので、毎回、頭を悩ませるのです。
こちらが意図したところにすんなり座ってくれればいいのですが、そんなのはごく稀で。毎度何かしら揉め事があってその度に職員が仲裁に入っていまして。で、先週も例に漏れず困ったことが起きまして。
密にならないよう感染予防の観点から距離をとって配置された机。4台をバランス良く配置したところで、仲良し女子コンビMちゃんとKちゃんが「どうしてもここがいい」と主張する席は、Sくん1人で座って欲しいと思っていた小さな机。
配置された場所は小上がりになっている少し特別感を味わえるスペースで、ミーハーな彼女たちからご指名を受けるのも分からなくもないいわば特等席。だからこれは想定内と言えば想定内で、周囲を見渡せる小上がりという立地柄、食事席としては最も特別感を味わえる席でした。
そんな「VIP席」に2人並んで座りたいと主張する彼女たち。気持ちは分かる、すごく分かる。私も食べるならここがいい。どうしよう???
う〜ん、でも今回は主旨が違う。あくまで感染対策として密を避けるため。事前の職員ミーティングであれこれとシミュレーションした結果、ここにSくんを単独で座らせるのが最も密を避けられる配置だったはず。でも、ちょっとくらいわがまま聞いてあげてもいいかな???
しばし様々な思いがよぎりましたが、彼女たちには毅然としたら態度で「ここで食べたい気持ちはすごく分かるよ。小上がりだから特別感があっていいよね。でも、これは君たちをコロナに感染させないために、職員さんが一生懸命考えた机の配置なんだ。君たちがコロナになったら苦しむのは君たちだし、そうなるとママやパパも悲しむ。ここに居る職員さんも全員悲しむ。だから、考えてみてほしい」と思い切って伝えました。
するとそれまで頑なに席の移動を拒んでいた彼女たちでしたが、しばし考え込んでから、スッと席を移動してくれました。これには涙が出そうになりました。
頭ごなしに「ここはSくんの席なの!君たちはこっち!ためなものはだめ!」と圧力をかけて移動させることもできたと思います。でも、それは絶対にしたくなかった。何故なら理由をきちんと説明すれば分かる子たちだから。だから分かりやすい言葉を心がけました。
なにはともあれ、早く平穏な日々を取り戻したいと思う今日この頃です。ん
どうしても「VIP席」に座りたい子たちに掛けた言葉
教室の毎日
22/12/19 23:15